【TAROT -The Open Reading-】

※まえがき※

 このページでは、Yoav Ben-Dov博士によるマルセイユ版参考書、『TAROT - The Open Reading -』の部分訳(抄訳)を載せています。
 私が直接お願いできたわけではないのですが、ある篤志のかたより博士に、拙コーナーと試みについてお話しくださり、「部分的なものであればいいですよ」とご了承をいただくことができました。

 ただ、私は決して、英語が得意というわけでもありませんし、翻訳として十分なレベルのものをお見せできるわけではありません。
 こんな出すぎた真似をするのも、「素晴らしい本だと言われても、英語ではちょっと敷居が高い。本当にいいと思えたら買ってもいいんだけど……」と躊躇っているかたの、背中を押すためです。
 そこで、どんな内容なのかを少しでも見ていただき、良書と巡り会っていただくため、つたない英語力ながらも部分訳を紹介することにいたしました。

 そのため、きちんとした翻訳の体裁はとりません!(ぉぃ
 ザレゴト中に書いてきたものをほぼそのまま、転記いたします。
 つまり、私個人のくだらない所感なんかも込みです!!
 その点はどうかご了承ください。

 

【その1】 2014 2/27記載

『TAROT - The Open Reading -』 167ページ


 4つのマイナースート(RAVEN注:小アルカナとほぼ同義)にはそれぞれ14枚のカードがあり、固有のシンボルが描かれている。コイン、ワンド、カップ、そしてソードである。これらのスートカードは、1枚追加されているコートカードを除けば、トランプに似ている。実際、一般的な(世界的によく流通している)トランプは、マイナースートを簡略にしたものであり、コインはダイヤに、ワンドはクラブに、カップはハート、ソードはスペードになった。これらの変化は万国共通のものではなく、たとえばスペインやハンガリーの地方では、タロットによく似たシンボルのままのものもある。
 このマイナースートには、以下の3種類がある。
【1枚のエースカード】
 一般的には「1」のカードとされているものである。エースカードのイラストはスートの典型として、大きく、豪華な細部を持って描かれている。
【9枚のナンバーカード】
 2〜10のカードのこと。これらは与えられた数字と同じ数のシンボルを用いて描かれている。たとえば、カップの3には3つの杯のマークが描かれている。
【4枚のコートカード】
 ここに描かれているのは、小姓、騎士、王妃、王という、中世の社会階級に従った人物である。このカードにもそれぞれのシンボルが描かれており、普通それらは人物の手に握られている。

 従来のタロット本の多くは、エースとナンバーカードをまとめて"ピップカード"と呼んでいる。ここで言う"ピップ"とは、カードの中に見られる、スートシンボルの小さなマークのことである。
 しかし、マルセイユ版タロットでは(そして実のところ、多くの新しいデッキも同じように)エースカード同士のイラストは似て見えるが、ナンバーカードのイラストとは大きく異なっている。(RAVEN注:こういう書き方になっているが、つまりは、エース同士のほうが描かれているものは違っても大きさや豪華さの点でよく似ていて、シンプルなマークになっているナンバーカードとの差異のほうが大きい、ということ)
 よって我々はエースカードの描かれ方について、"このスートである"ということよりも、"エースである"ことのほうが重要なのだ、という主張と理解していいだろう。
 この本において、我々は伝統的なイラストレーションをカードの意味するものの鍵とみなし、エースカードとナンバーカードは異なるタイプのものとして扱う。そしてそれぞれ別個の章で取り上げる。


 ……ってことです。ぜーぜー……。読むだけならなんとなーく分かった気になるのに、日本語にするのが大変……。

 

【その2】 2/28記載

 今日は168ページ。スートのシンボルについてと、スートが表すもの(領域)についての冒頭部分です。
 訳、というより私のトークでそのままダラダラと書いてみます


 4つのスートシンボルとされている物は、あちこちで見られる、ということが書かれています。たとえばアーサー王にも聖杯伝説があるし、ワンドはマジシャンが持っていたりもしますね。
 そんなスートの中で、イギリス型デッキのコインに描かれている五芒星は、時代が下って追加されたもの。マジカル〜な要素との結びつきを強めるために加えられたものですが、マルセイユ版のコインに描かれている4枚花弁のシンメトリーな花模様にも、魔術的な意味合いがある、と書いてあります。それがなにかは、また後の章で解説してくれるみたいです。
 なお、4スートは中世のヨーロッパやインドで、社会階級も示しているとか。ワンドは農業従事者、コインは商人や職人、ソードは騎士、カップは聖職者ですね。(騎士というのは私訳で、原著では「fighting nobility」、戦う貴族、となっています)

 で、続いてドメイン(象徴する領域)のトピックへ。
 4つのスートはそれぞれに表す領域があって、リーディング中では、その領域に関する問題が起こるとか、そういう特徴のある態度を示したりします。
 たとえばコインはお金とか物質的な財産ですが、これが、他のスートが示す領域内、たとえば恋愛関係の中に出てくると、現実的で欲深い態度を示すこともある、と。
 この本にあるスートの領域リストについては、ホドロフスキーの教えから得られたもので、従来のものよりそれほど難しくないよ、じゃあこの後でその説明をするね、という感じで、このページは終わりです。


 本当はカードの直接的な意味とか、描かれているものの読み解き方についてダイレクトに読みたいのですけど、ちらっと見てみると、どうもこういった前書きを踏まえた内容が出てきそうなので、素直に順番に読んでいくことにしました。
 ちなみにTTORの中にある「描かれているものの読み解き方」は、それほど長くありません。

 

【その3】 3/7記載

 本日の読書分から、なるほどと思ったことの抜き書きです。


 170ページから171ページにかけては、「スートにはソフトとハードがある」ということが書かれています。
 ソフトスートはカップとコイン。受動的で女性的、好ましい……というよりも受け入れやすい、付き合いやすいタイプですね。ワンドとソードがハードで、こちらは外交的で男性的。
 カップとコインについてはあまり詳しく書かれていないのですが、ワンドとソードについては、以下のようなくだりがあります。

 ワンドもソードも、二通りの形状のシンボルがある、ということです。
 ワンドの場合は、エースやコートカードのペイジに見られる、木の棒っぽいものと、ナンバーカードで使われており、またキングが持っている人工的に加工された直線的なもの。ナチュラルなほうは成長や創造を表し、人工的なほうは闘争や困難を表す、とあります。
 そしてソードの場合は、ストレートなのとカーブしてるのですね。ストレートなほうは貫通すること、突破すること、決断といった、なにか現状を打破するようなイメージ。そしてカーブしたほうは、セパレーション(分離、隔離など、分けておくこと)と、制限、限界を示しているとのこと。


 ほほほほほう?
 それだけ聞いただけでも、今までとちょっと違って見えます。ことに、マルセイユ使いさんからは「なに今更……」と言われそうですけど、ワンドのコートカードって、ペイジからキングに向かって、少しずつ棒が人工的な形状になっていくんですね!
 さあ、ここから先ますます面白くなっていきそうですぞ〜。

 

【その4】 3/13記載

 本日のTTOR読書。
 173ページから、いよいよ「マイナースートのリーディング」。うほ★
 しかも、小アルカナを用いたスリーカード・スプレッドの、一つのやり方が書かれております!!
 というわけで、この項目はざっと要約しつつ、下に概要、リーディングの方法を記しておきます。マルセイユ初心者さんは必見です!
(注:この方法は、「スプレッド」としてもう少しまとめた紹介ページがあります)


 まずYoavさんは、小アルカナが消え去らず残っているのは、そこに大事な意味、存在理由があるからだとしています。さもなければ淘汰されていただろうというわけですね。
 で、大アルカナ、小アルカナの使い方はいろいろあって、大小に特に差をつけずにやるのがイギリス流。誤解を恐れず、私が思いきって表現するならば、「ウェイト版的なやり方」でしょう。
 それから、大小を完全に分けて使うやり方。そして、大小同時に使うけれど、読み方の比重というか、手法が少し違うやり方、といったものを挙げています。
 その後いよいよ、小アルカナも用いたマルセイユ版でのスリーカードの方法についてに入ります。
 これは、マルセイユ初心者さんが練習をするのにもとても向いていると思いますよ!

 やり方は簡単です。
 いつもどおりにシャッフルして用意を整えたら、表に返しながら1枚、左のポジションに置きます。このとき、そのカードがもしマイナースート(小アルカナ)だったら、更にもう1枚、その上に乗せます。こうして大アルカナが出るまで、左の山にカードを重ねていきます
 大アルカナが出たら次に真ん中。ここも同じように、小アルカナが出るかぎりにはカードを上へと重ねていき、大アルカナが出たら、右のポジションへ。3ヶ所で同じように繰り返します。
 ここから、リーディングは3つのレベルで行われます。

 まず最初のレベルは最も簡単なもので、一番上になっている大アルカナだけで読む、というものです。そして、もしこの大アルカナだけで十分な答えが得られたのであれば、下の小アルカナは見なくても構いません。ただし、対人で占いをするときには、下になっているカードにも少しでいいから触れておくことを、博士は勧めています。
 もし大アルカナだけではピンと来なかったら、下に重なっている小アルカナの出番です。

 第二のレベルは、小アルカナを1枚ずつ個別には読みません。チェックするのは、以下のポイント。
■何枚のカードがその山にあるか
 多いほど複雑で厄介、下に1枚しかないとか、大アルカナしかないならシンプル。
■4つのスートの出具合
 その山1つ、あるいは全体として、コインが多ければ問題は実際的だったり、お金が絡んでいたりするし、カップが多ければ人間関係とか、感情の問題が大きい。ちなみに、ハードスート(ワンドとソード)の大きな数字のカードは困難を意味し、ソフトスートの大きな数字は、ゆったりした好ましい雰囲気を示す。
■小アルカナの種類
 エースが含まれていれば、そのエネルギーが、一番上になってる大アルカナを通して表れる。(RAVEN注:イメージとしては、大アルカナの中の人物がそのスートのシンボルを持っているとか、活用していると考えると分かりやすいのかも) ナンバーカードであれば物事のディティールを示し、コートカードが多ければたくさんの人が関わっているとか、相談者の取るべき態度や行動を示す。
■同じ数字、同じランクについて
 たとえば2だとか、キングだとか、特定のカードが目立つようであれば、その数字の意味(数秘的な)とか、そのコートカードのランクが示す属性(ペイジだと経験不足とか自信のなさ、キングなら成熟とか責任ある態度とか)を表す。あるいは単純に、3人とか3ヶ月といった具体的な数字、「そういう人」とか。

 で、最後のレベルとして、個別に小アルカナも読む、という段階になります。レベル2が共通項目だけに着目し、その偏りとかだけを読んでいたのに対して、最終レベルはすべて含めたリーディングですね。
 ただ、ここに至るまでに博士は、大アルカナにエースカードだけを加えてやってみよう、次はコートカードも加えて、最後にナンバーカードも入れよう、と、段階的な練習を提案しています。
 大アルカナにエースカードだけを混ぜた場合、「大アルカナの下にエースカードがある」確率はあまり高くありませんね。だからというわけでもないでしょうが、エースが出ているところは、重要ポイントということになります。そこにインパクトがあるわけです。コートカードが入れば、人物的な傾向が見えるようになります。最後にナンバーカードで、詳細です。
 すべて加えて読むのであれば、一つの山の、大アルカナの下に重なっている小アルカナをずらーっと左から並べて(RAVEN注:下になっていたものが左。もちろん右からがしっくり来るならばそれでもいいでしょう)、ストーリー、あるいはプロセスとしてリーディングするとのこと。で、1山終えたら隣の山へと移ります。


 ―――と、こんな感じです。
 これはけっこうシンプルだし、無理に全部のカードの意味読まなくていいのなら、チャレンジしやすくありませんか?
 まずはスリーカードのつもりで大アルカナだけでリーディングしてみて、「ここんとこ意味がよく分かんないな」とか、「下にエースが出てたからここに重点があるらしいぞ」と思ったら、その山を崩して読んだりとか。
 過去を掘り下げてそこから解決策を導き出したいなら、過去の山を崩す。現状をはっきりさせたいなら現在を、どうすればいいかをポイントにしたいなら未来を。
 ちなみにオープン・リーディングでは過去・現在・未来にこだわらないので、左が子供、真ん中が自分、右が学校、と大アルカナが示しているように感じたら、そう読めばいいわけですね?
 マルセイユ版の、絵のないナンバーカードなんてどうすりゃええねん、と思ってるかたでも、これならちょっと手を出せそうじゃありませんか?

 

【その5】 3/23記載

 前回のマイナーカードのリーディングの次は「Row Spread」
 「横列スプレッド? なんじゃらほ?」と思いつつ読んでみたら……あ、あかん。なんかここ、分かりづらい……。私の英語力だとするっと読めない文が多くてビミョーになってます。


 ものっそ大きく要約すると、タイトルどおり、「横一列にカードを並べる展開の仕方」についてです。
 ケルト十字とかいろんな形のスプレッドがありますけど、博士は、スリーカードみたいにただ横に並べるスタイルを提案しています。
 それは、そのほうが大アルカナ・小アルカナに、先入観的な優劣をつけずに読めるから……?
 うぉぉぉぉ、すみませんきちんと読み取れてないんですぅぅぅぅぅ! だったらそんなとこ飛ばして黙っていればいいんですが(笑)、半分ネタとしての、他愛ない読み物としての提供なので。

 話は戻って。
 で、使用枚数は3枚から、それでは深みが得られないというなら7枚くらいがいいとして、7枚でのリーディング例を出しています。
 枚数は、奇数のほうが「真ん中」がはっきりするからいい、のかな?
 リーディング例については、具体例をこまかく今ここで上げても「ふぅん、このカードをそう読むのか」というサンプルにしかならないので省略。
 ただ、やっぱりポジションの意味は決めないやり方です。出てきて並んだカードから、どれがなにを示しているかを判断する手法。
 視線をチェックするやり方はこの例にも含まれていて、例では左の3枚がコイン、真ん中にソードのキング、その右に月と星、右端にまたコイン、という並びです。
 コインがたくさん出てることをチェックし、そして、真ん中のキングが、右の月・星へと視線を向けていることもチェック。それらの醸し出す意味を取り込んだリーディングになっています。
 更には、右端が6で左の3枚が2・3・4。2+4=6、3が二重で6、というのも見てますね。
 って書いちゃったじゃん具体的な並び。


 「どう読むか」は、これより後のカード解説を読んでから戻ってきたほうがいい感じ。
 さて、次はいよいよエースの章に入ります。
 まだ冒頭の序文みたいな部分しか読んでませんが、エースは、トランプだと最弱の小さい数字であると同時に、最強の数字でもあるように、「数字の1」という側面と、「そのスートの髄」という側面を持っています。
 それに合わせて、それぞれのスート領域における「始まり」や「スタート」を意味することもあれば、性質そのもの、「ロマンチックだ」とかいったものを示すこともあります。
 また、エクササイズなどにおいて、対応する4方向にそれぞれのエースを置くとか、はたまたおまもりのようにして(コピーを)持ち歩いたりといった使い方も。そのスートのエネルギーを強く秘めた依代、形代、マジックアイテムの代替物みたいな使い方、かな。
 エースについての冒頭は、そんな感じ。

 次は、エースを一枚とりあげて、もう少しマシな(^^;)訳をアップします。

 

【その6】 5/30記載

 本日はソードのエースを取り上げて、具体的な解説部分をご紹介します。
 しかし本題に入る前に、「どのマルセイユ版でも同じように使える内容であるかどうか」、というか、「どれでもOKというわけではなく、デッキによっては異なる」ということを過不足なく判断していただけるように、いくつか他のデッキからもソードのエースを並べてお目にかけておきます。

【エース比較】

ヘロン社コンヴェル版 カモワン mamanmiyuki kris fadar

ヘロン社版

カモワン版

mamanmiyuki版

Kris Hadar版


 上にある4つは、今回の記述部分に特に問題がないデッキたちです。CBDタロットと同じコンヴェル版ベースのもの2種と、マドニエ板ベースのもの、グリモー版ベース??と思われるもの。
 どれもマルセイユ版としてはメジャーなもの、使いやすいものなので、グリモー版やこのあたりのものを使っているかたが多いのではないかと思います。
ロ・スカラベオのバーデル板 一方で、「記述が異なってしまうため、流用できない」というデッキもあります。
 それがたとえば左の、ロ・スカラベオから発売されているもの。バーデル版ベースとおぼしきものですね。
 大枠ではよく似ていたとしても、冠から垂れ下がる植物の、種類は同じだと思いますが、形状が完全に異なっています。剣を握る手の袖口も大きく異なり、TTORの記述とは合致しません。

 ということで、コンヴェル版につながるタイプのデッキであれば大きな差異はなく、全部ではないとしてもまず参考になり、役立てられるだろう、と言えます。
 しかしベースが異なるデッキには該当しないため、記述の内容そのものではなく、「どう解釈しているか?」というもっと根っこの部分を汲み取って活用する必要があるでしょう。 


【いい加減に本題】

CBD版 というわけで、ここから先はソードのエースの解説です。
 ただし直訳や全訳ではなく、書かれていることをざっと記してみます。私の言葉で細くしている部分もありますが、大きな省略はしていません。……まあ、訳しづらいけど大意は取れた、というとことか、はい、誤魔化しがちに(笑

 カードの中央にまっすぐ立てられたソード。これを飾る冠と、そこに添えられた2枝の植物(ヤシと月桂樹)が描かれています。
 そもそもこの、真ん中にまっすぐ立てられているソードというもの自体は、明確な判断などをイメージさせます。
 冠は知性。頭にかぶるものなので、冠そのものを知性や理性といったものとつなげてイメージするこは容易ですね。
 ヤシと月桂樹は古くから、勝利のシンボルとされています。
 さて、その2枝ですが、この切り口は真っ赤なティアドロップ型をしています。(上にある似たタイプのデッキでもすべてそう) これは血の雫を思わせるもので、この勝利が犠牲や苦闘を伴うものであることを感じさせます。
カップの2 なお、「冠と2種の植物」というモチーフは、カップの2の下部にも描かれている、と言及されています。
 というわけで、右にそのカップの2のカードを出してみました。
 下の黄色い部分に描かれているものですね。

 ところで、この「突き出た手に握られているシンボル」という描かれ方、ワンドのエースでも同じようになっています。
ワンドのA というわけで今度はワンドのエースもどん。
 似てはいるのですが描かれ方は異なっており、ワンドの手は袖の中央から出ています。
 一方、ソードの手は端から出ているし(袖口=中央部が描かれていない)、黄色のギザギザも、ソードのほうがトゲトゲしています。
 これらは、ワンドが象徴する衝動とか欲求、情熱というものは心の深いレベルから沸き起こる直観的なものであり、ソードが象徴する合理性や知性はそうでないということを示しているのかもしれません、とのこと。
 ワンドの示すものは、学んだり覚えたりするたぐいのものではなく、自然と発してしまう内的なもの。ソードの示すものは経験から身につけたりもできる外的なもの、ということですね。
 なお、この袖のなみなみした形。これは、現代であれば「脳」のように見立てることもできます。
 その場合も、ワンド的なものは脳の中央部に発し、ソード的なものは外縁を経て発現するようになっています。当時タロットを作った人がこんな現代科学的なことを知るよしはなかったとしても、直観的にそれを感じていたのかもしれない、としています。
 また、ワンドの自然物としての描かれ方、ソードの人工物としての描かれ方も、情熱などと合理性との間にある違いを表しています。

 カードが正位置である場合には、この剣は自分の手に握られている、と見ます。その場合は、率直で明確な行動、クリアな思考、効率的な計画、的確な判断を示します。
 しかし逆位置の場合には、この剣が我々を突き刺している、と見ます。ネガティブなアイディアや固定観念が、相談者の決断や行動を阻害している、ということ。あるいは誰かから傷つけられたり邪魔をされること。
 ただしこの逆位置は、「カードを正位置にしよう!」という励ましと受け取ることもできます。そして、今の状況を変えたいのであれば、慎重に、しかし断固とした行動を起こすようにと伝えています。


【という感じでした】

 どこまで正確に読み取っているかはハテナですが、だいたいこんな感じの内容です。
 ソードは自然には存在しないもの。だから、ほっといても生えてくる、生えているってものではない。けれど一方で、「ハートにないんだからしょーがねぇ」なワンドと違い、頭を使って作ることが可能。意識的に身に付けたり、上達させることが可能。
 エースは、そういうものを活用して手に入れる勝利。ただしそれはラクなものではない。
 正位置であれば、己の道具は己の手の中にあり、それを活用できる状態。
 でも逆位置では、使うものであるはずの道具に縛られていてままならなかったり、傷つけられていたりする―――と、そんなイメージで覚えると、リーディングにそのままつなげられそうでしょうか。

 

【その7】 7/5記載

 今回は小アルカナの中でも、エース、コートを除いたナンバーカードの話
 以下、つまみ食いの部分訳です。他にもいろいろ書いてある中から、面白いとおもったところだけを(すべてではありません)抜き出しました。


 ナンバーカードの序文においては、まず、「カードの方向が示すもの」が大変興味深いものでした。
 大アルカナと異なり、ナンバーカードは左右・上下対称のものが多いため、同じアプローチは使えません。
 そこで、ナンバーカードにおいては、下が過去・初期段階、上が未来・展開後、という時間軸として読めるといいます。
 また、ソフトスート(カップとコイン)においては更に別の意味合いもあり、上のものが下を支配する、あるいは強く影響する、という要素もあるとのこと。(ハードスートでは、こういう方向の示すものは重視されない。基本的に「上か下にだけあってバランスが異なっている」のではなく、「中央に1本、奇数分がある」ため)

 また、博士はマルセイユ版のナンバーカードについて、「上下が非常に見分けにくいものがある」ことにも触れています。
 そしてリーデイングに際しては、「上下がはっきりしているものは逆位置をとり、見分けづらいものは正逆なしで読む。ただし、見分けづらいものの中でも、リーディング時にその差異が気になれば、正逆を取る」という感じ。
 正位置・逆位置の使用についてはそれぞれにスタイルもあると思いますが、「マルセイユ版のナンバーカードは上下分からないのが多いけどどうすればいいのよ!?」と思ってる人にとっては、こういうやり方もあるという一つの面白いアイディアになると思います。

 さて、次は「カードのデザイン」について。
 ソフトカードでは、1対になっているものは「組み」として見ます。特に、シングル・ペア(「2」に顕著だが、他のペアとはちょっと比重の違うペアもこれも含めていいと思われる)は、協力関係であったり対立関係であったりはしても、「相手ありき」の関係です。複数の「組み」たちは、環境を示します。そして、一つだけ半端になっているもの(奇数)は、その環境・状況下における個人や、単一の要素を示します。
 ハードスートにおいては、異なる見方をしています。
 奇数カードであぶれているワンドは、試練・困難を示してクロスしている対のワンドたちの中にある、その人の道。同じくソードの場合は、弧を描いて封鎖しているソードたちを突き破っていくことです。


 ここで面白かったのは、スートによる違いです。
 ソフトスートも含めて、「奇数カードで余ってる1個」は、「対になっているシンボルたちが作っている環境、それに対する自分(など)」みたいなイメージです。
 しかしハードスートは、その環境に抵抗します。
 更に、まっすぐな棒がクロスすることで環境を作っているワンドでは、それを「試練」とか「困難」という、立ちはだかるものとしてイメージします。「ここは通っちゃならん!」と、門番の人たちがゲートの前でクロスさせた槍みたいなものです。
 一方のソードは、湾曲したカーブによって閉じ込められているイメージなのです。ワンドでは「進もうとしなければ障害はない」というか、引き返すなら困難に遭わずに済むイメージがありますが、ソードでは後ろもダメ。檻の中、牢獄、八方ふさがり。
 面白いなと思うのは、「見たまんま」だから。
 言われてみればたしかにそのとおりで、見た目としてワンドは目の前のバッテン、ソードは上下で重なりあって閉ざされている囲いになっています

 

【その8】 7/19記載

 部分訳ではないのですが、内容に触れているので、一応この日のザレゴトも転記しておきます。

 マルセイユ初心者、あるいはリタイア組にとっての難関、あるいは敬遠する最たる理由であるナンバーカード。TTORにおいては、エースは特別扱いするため、2〜10のことになりますが、ここは私にとっても最も関心の高いパートでもあります。だって私も、ウェイト版やデザイン系のみを長らく使用していたため、絵のないカードをどう読めばいいのか、途方に暮れた仲間ですから!!
 そんな私にとってTTORの素晴らしいところは、そこに、「数秘術における数の意味と合わせて読む」というだけでなく、「いやいや、それだってちゃんと"絵"として読めるよ」と、具体的な読み取り方、絵解きをしてくれているところに(にも)あります。
 改めて読み進めてみると、たしかに、その後に続くカード個別の部分は、あっさりしています。
 しかし、その前に挟まれている部分が、それを補完する形になっています。

 今読み進めているのは、前項部分、絵解きのノウハウ部分です。
 たとえばコインの2については、「二つのコインは、帯状のものによってつながれてもいるし、隔てられてもいる」と書かれています。
 ぶっちゃけこれだけみたいなものなんですけど、「どう描かれているか」=「どういう絵か」の説明がされ、それを読むと、「二つの要素がひとまとめにホールドされているけれど、決して一つにはならない」という、もっと一般的なイメージとして浮かんできます。
 これが、"コア"のイメージになります。「片方捨てたりはできないし、一緒くたにもできないよ」という感じ。ともすると、「相容れないのに別にもできない」というイメージもあるかもしれません。

 ともするとこれが、ウェイト版のほうが苦手、絵が邪魔、という人の感覚かもしれないなとも思います。ジャグラーのような男がコインをお手玉している、あるいは持ち比べているように見える。すると、その絵にはその人なりに、かなり固定したイメージが生まれてしまう。なんかこう、軽妙な感じ、とか。
 しかしマルセイユ版であれば、そういった装飾はないため、コアイメージだけが抽出できる。それに軽さ、重さ、明るさ、暗さなど、なにを感じるかは固定されていない―――。
 いや、私はそういうマルセイユ・ユーザーではないので、実際のところ分かりませんけど。

 ともあれ、それぞれのカードについて2〜3行くらいで端的に、ごくシンプルな絵解きをしてくれています。
 そして、それを踏まえた上で、後段のカード別解説を読むと、より理解しやすい仕様になっています。
 で、読んでいてつくづく思うのは、現物のカード、あるいはカード画像を隣に置いて読んだほうが格段にいい!ということ。イントロダクション的なざっとした解説、カード個別の解説、そしてカラーのカードの絵、これをひとまとめに見るのがベストでしょうか。

 

【その9】 8/30記載

 直訳というか、きちんと訳そうとすると、日本語かえって意味が分からない気がしたので、「こういうことかな」という私の解釈・見解を入れ込んでいます。
 翻訳+意訳というか解釈という、我ながら非常になんだかな。「翻訳」としては最低の部類ですが、購入のために参考文書ということでご勘弁を……。また、「訳」を離れすぎた個人的な見解は入れていません。あくまでも「こういうことが書かれているのかな」という範疇にはとどめてあります。


【コインについて、各カードの概要】 P216〜217

 コインの項目の冒頭では、「ナンバーを示す数字が書かれていない」ことに触れられています。
 他のスートでは、カードナンバーがローマ数字で左右に記されているのですが、コインのカードには書かれていません。それが何故かは、博士も言及しておらず、ローマ数字がないため、「カードはそこに描かれているコインの数でのみ判別できる」ということのみ、触れてあります。

 さて、コインのカードに描かれている、その「コイン」は、「2」以外は同じデザインになつています。「2」のみが大きく描かれ、こまかな細部を持っていますね。
 そして、ほとんどのカードにおいて、コインは整然と、対称的に並んでいます。この描かれ方そのものが非常に安定した構造であり、堅牢さや信頼性、保守性を示しています。
 コインを彩るメインカラー、黄色は、明るさと楽観的な性格を与えています。また、当然ながら「おかね」にも見えますし、数が多ければ多いほどリッチであるとか、実用面・経済面でのより広範な関わりを示していると見ることもできます。

 コインの「2」に描かれた2つの大きなコインは、2つの大きな要素と見るのが妥当でしょう。その2つは互いに結びついている一方で、リボン(スネークバンド)によって隔てられてもいます。
 次の「3」で増えるコインは、下にあるペアから新しく生まれてきたものと見ていいでしょう。
 こんな具合に、数字が大きくなるにつれて我々はそこに、段階を経て発展していく様々なシステムや環境を見ることができます。

 ローヤルな盾を中心にしっかりとした四角形を形作る「4」は、馴染みの基盤の上に立脚した、安定した構造を示唆しています。
 コインの「5」において、中央に新たな要素が生まれてきます。それは安定性を乱して、自分のためのスペースを作っています。
 コインの「6」は、「重ねられたペア」というデザインから離れて、配列も調和的で洗練され、より柔軟でダイナミックな組織を象徴するようになります。(RAVEN注:単純に考えれば、2ペアを3つ縦に並べても良かったわけですが、ここでは△▽を重ねた配列になっているということです)
7のカード コインの「7」(左に画像)ではまた一つ新しいコインが追加されます。いい具合に配置されてはいますが中央ではなく、植物の飾りに囲まれており、調和的な統合・協力・支援を示しています。
 コインの「8」はパターンどおりの階層的な配列ですが、これまでのものよりは複雑な構造になっています。それは非個人的な、あるいは機械的な、堅牢さの別の形を象徴しています。
 コインの「9」で再び、あぶれもののコイン(奇数分)が出てきますが、きちんと構築された中、限られた狭いスペースに押し込められています。

 ここでちょっと、他のスートも含めて、奇数のカードに見られる、「個vs組織」の衝突構造に着目。あぶれてる奇数の1枚が個で、組織されている他の偶数たちが組織と見るわけですね。
 5の段階では、単独の要素は他に相対して、その独自性がエッジ(鋭さ)を持ち、他の4つに勝つだけの力を持っています。
 7では力はまだ拮抗しているのですが、9に至るとさすがにもう1対8ではさすがに相手のほうが強くなります。

10 さて、最後の「10」……訳が自分の頭の中ですらハテナになるので(汗)、訳というより大雑把な解釈で orz
 ここでコインの配列は、上に5個、下に5個の対になります。で、上下のセットの、それぞれ中央にある1枚。これがある種の「縦軸」を作っています。この、それぞれの1枚が、「組織の中で新しく息を吹き返した個」と見ることもできる……のかな。4枚のコインに囲まれて、安定している1枚です。
 で、別の見方として、カードの中央にある6枚、調和を持った配列が、四隅にある4枚、非常に安定した構造の中に納められている、というものもあります。


 以上、コインの概要でした。
 そして私の部分訳はここまでです。

 いかがでしょうか。
 訳が拙いのは差し引いても、非常に魅力的な内容だとは思いませんか?
 なので、英語に抵抗がなければ、ペーパーバックでも電子書籍(Kindle以外であるのかどうかは知りませんが)でも、ぜひ手にしてみてください。
 しかし現在、有志の方が博士と正式にコンタクトを取り、日本語訳を進めてくださっています。出版にまでこぎつけたわけではないため、まだどう転がるか、安易な告知はできない状態だと思いますが、英語は無理!ってかたは、その実現を待つのも良いかもしれません。