YBD 3カード・プラクティス

 ここで紹介するのは、Yoav Ben-Dov博士の『TAROT - The Open Reading -』の中に記されていたものです。
 「スプレッド」として紹介されていたわけではないのですが、拝読し、「これはマルセイユ版初心者にうってつけじゃね!?」と私が個人的に勝手にものすごくぐっと来たので、ここでも紹介しておきます。
 絵のないマルセイユ版のナンバーカードに手こずりつつも、なんとか使えるようになりたいと思っているかたは、丁度良いプラクティスではないかと思います。
 実際に私が試してみたサンプルも出しておきますが、解釈のしょっぱさは、ご勘弁ください。

 もちろんウェイト版など他のデッキでも使える手法です。
 タロットを始めたはいいけれど小アルカナに苦労し、つい大アルカナ22枚だけで占ってしまうけれど、78枚使えたらいいなぁと思っている人は、こんな具合にして少しずつ慣れていくと良いのではないでしょうか。

 

オープン・リーディングについて

 本題に入る前に、博士の提唱する「オープン・リーディング」について触れておきます。
 これは、カードの並べ方は前もって決めておいても、ポジションごとの意味は固定しない、というやり方です。
 そして並べ方も、ごくシンプルに左から右へ、3〜7枚くらい並べるだけです。
 出てきたカード自体から、それぞれがなにを意味しているかを読み取ります。

 そのため、3枚のカードを並べた場合、過去・現在・未来という時の流れを表しているように見えることもあれば、自分の求めるものを2つ見つめているように見えることもあるでしょう。
 ポジションの意味を定めなければ、リーディングの難易度としては高くなると思います。上級者向きかもしれません。
 そこで、この紹介ページでは「過去・現在・未来」の基本的なスリーカードをベースに解説しました。ご了承ください。

 

STEP BY STEP

【Fist Step】

 ベースは、「スリーカード」です。
 カードをシャッフル、カットするなどして整えたら、左から並べます。
 普通のスリーカードと異なるのは、「大アルカナが出るまで、上へ重ねていく」という点です。
 つまり、まずは左端、「過去」のポジションにカードを置きますが、それが大アルカナでなければ、そのままま上にまた一枚重ねます。そして、大アルカナが出るまで、その山に重ねていきます。
 その後中央の「現在」に移り、同じことを。「未来」でも同じようにします。
 こうすると、通常のスリーカード同様に、3枚の大アルカナが並びますね。

 最も初歩的な段階では、この3枚を読みます
 ただし、これでは大アルカナだけを用いたスリーカードと、結果的にはなにも変わりません。カードを並べるために、ちょっと変わった方法をとっているだけになります。
 「大アルカナ・スリーカードを、ちょっと変わった並べ方をする」だけでは、この手法を取る意味はありません。
 次のステップへ進みましょう。


【Second Step】

 この段階では、山の下にあるカードもリーディングに取り込みます。
 しかし、一枚一枚を個別には見ません。これがこの練習法の中心、私がおすすめしたい理由です。
 大アルカナの下になっている小アルカナたちを、次の点でチェックしましょう!

■何枚のカードがその山にあるか
 多いほど複雑であったり、厄介であると見ます。
 下に1枚しかないとか、大アルカナしかないならシンプルですね。
■4つのスートの出具合
 その山1つ、あるいは全体として、どのスートが多く出ているでしょうか。まったく出ていないスートはあるでしょうか。
 ここでは、スートそのものの扱っているものをチェックします。つまり、コインであればお金の問題だとか、実際的な行動や環境。カップは人間関係や愛情の問題。ワンドであれば情熱とかエネルギー、ソードは考え方であったり、障害であったりするでしょう。
■小アルカナの種類
 エース、2〜10のナンバー、そしてコートカード。この3種類にだけ分類します。
 エースはそれぞれのスートの最も純粋なエッセンス。ナンバーカードがこまごましたいろんなことで、コートカードは単純に他者、あるいは相談者の態度という括りで見てしまいます。
 個別の意味はさておき、ここでは種類と、それがそれぞれ何枚くらいあるのかだけをチェックします。
■同じ数字、同じランクについて
 たとえば「5」だとか、「ペイジ」だとかいったカードが複数出ていないかを見ます。
 同じ数字がよく出ているなら、その数の持つエッセンスがなにかを示しているかもしれませんし、3人とか5ヶ月といった、数によって表されるものを示している可能性もあります。
 キングが多ければ自信があり、成熟し、責任ある態度でしょう。


【Third Step】

 ここでは出てきたカードをすべて読みます。
 しかし、こうなるとナンバーカードへの理解も必要になり、「初心者はこれが難しくて難儀してんだよ!」って話。
 よって、2ステップめまでを繰り返しながら慣れていこう、というのが、この紹介の意図です。

 

占例

【サンプル】

 このサンプルを視覚的に見せようとすると、どうしても縦長になってしまい、一望しづらくなります。そのため、ここではあくまでも便宜的に、上から下へ「過去・現在・未来」と並べました。
 カードは、右にあるものほど下になったものです。なのでこの画像の場合、「右が過去」とか「ベース」でもあり、ちょっとややこしくなりましたゴメンナサイ。
 カード画像は、博士のサイトにあるDLサービスからいただいたものを縮小しています。

過去


節制


カップのA(逆)、カップの9(逆)
現在


魔術師


コインのP、コインの6、ソードの9(逆)、ワンドのP
未来


運命の輪


カップのKt


 最初のステップでは大アルカナだけを見ることになりますが、これはさすがに省略(笑

【Second Step】

 個別ではなく、グループや共通要素に着目して、ざっくりと見てみましょう。ここではこの、「ざっくり感」が大切です。こまかく見てたら混乱して手に負えなくなります。

 一目瞭然なのは、過去にあるカップですね。しかも節制までカップを持っているので、過去の段階では気持ちの問題、あるいは人間関係が重要だったと言えます。しかもエースと9という、けっこう極まったものが出ています。
 正逆を採用し、正位置である節制と、逆位置であるサポートカードを合わせると、本人はバランスを取ろうとし、ある程度成功もしていたけれど、けっこう大変だった、なんて読むことができるかもしれません。その程度の大雑把〜な読み方で、とっとと次へいきましょう。

 現在が最も枚数が多いので、大変なのは今ってことです。
 出ているカードはけっこうバラバラ。ペンタクルが2枚ありますが、それよりも、ペイジが2枚来ていることのほうが確率的には小さいので、重要な気がします。また、過去には存在していたカップが見えないのも気になります。
 特にこれが欠如してるとか、これが強いといった印象はありません。が、若いペイジや魔術師、中庸の6に対して、ソードの9ってちょっとヘビーで、扱いかねる気がします。
 幸い、そのソード以外はすべて正位置ですので、実際的な環境(コイン)は負担がなく、まだ未熟な相談者でも、うまく切り抜けてる感?

 未来は極めてシンプルに、サポートは1枚のみでした。ただ、ここで再びカップが戻ってきますね。

 全体としてよく出ているのはカップ。それからたった7枚のサポートの中にコートカードが3枚も出ているのは、少ないとは言えません。カップにせよコートカードにせよ、"人"、特に"気持ちの問題やつながり"を表すカードですから、本人の態度、あるいは関係者との間にある感情的ななにかが鍵のようです。
 また、現在におけるカップ要素の欠如が、問題(ソード)を作っているような気もします。過去のカップが逆位置なので、これにうんざりして「うりゃーっ」と投げ出したのかな(笑)。でもそれって、ちょっと子供っぽい(ペイジ)やりよう。
 メインとなる大アルカナがすべて正位置で来ているので、問題は順調に解決し、特に困ることはありませんが、最終的に再びカップが出ているように、ちょっとだけ大人の態度になって、柔らかな気持ちでこちらから人に接することで、解決は早まる、のかも?


【Third Step】

 ……えー……これがさくっとできたらですね、私はこのページ書いてないのです(笑
 というわけで、ここも省略!!

 

つまり小アルカナの半活用

 最終的には、私がうっちゃったように(笑)、小アルカナの解釈そのものは、きちんと勉強したり、経験を積んで慣れないとどうしようもありません。これはマルセイユ版でもウェイト版でもトート版でも同じことです。
 が、「78枚を使って占いたい」というのであれば、セカンド・ステップの時点で半分足は突っ込んでいます。
 そっと仕舞ったまま頭だけで勉強しようとするよりは、半活用でしかなくとも実際に触りながら学んでいったほうが、きっと学びやすいのではないかなと思います。

 実際に私がやってみると、呆れるほど単純な要素だけから、リーディングが進みます。
 「数が大きい=たくさんあって、大変だったり(ソード・ワンド)、豊かだったりする(カップ・コイン)」とか、「偶数だからバランス取れてる、奇数だからバランスが崩れてなにか発生してる」とかです。
 正逆を採用するかどうかは人それぞれですが、上下が分かりづらいカードについては、博士は「見て分かるものなら逆位置をとって、分からないものはどっちでも一緒ってのもアリ」という考え方を紹介してくれています。
 セカンドステップで済ませる場合には、カード個別の要素は深く追わないのですから、正逆は採用しないというのもいいかもしれません。
 なお、私は今回、サンプルにはせっかくですので博士の制作されたCBDタロットを用いましたが、実際のスプレッドにはヘロン社のものを使用しました。(下部のスタンプで上下がはっきり分かるので)