インタビュー・スプレッド

 新しいデッキに問いかける形で、そのデッキの性格や得意分野、自分との相性を占うスプレッドです。ちなみにこちらで紹介しているものの自己アレンジ版。
 紹介しているものに不備があるというわけではありません。単に、私個人にとって納まりのいい配置に換え、しっくり来るよう、やりやすいようにしたものです。
 ポジションの意味を変えていたりはしないので、配置やアレンジはさておき、サンプルリーディングとしてどうぞ。

 ただしこれは、デッキに人格を想定するスプレッドです。参考にするかどうかは、ユーザー次第ですね。
 軽い気持ちで試してみる、遊んでみるのもいいのですが、「貴方との相性は良くない、合わない」と出たとき、平気で、気にせずにいられますか? 前向きに考えられますか? 落ち込んだりしない?(←リアル友人が試して凹み相談された……

(ページ背景にスプレッド展開図が見えないかたはこちらをクリック→展開図


【使用するカード】

 78枚すべてを使ってもいいのですが、今回は大アルカナ22枚と、コートカード16枚、エースカード4枚のみを使用します。
 小アルカナは、具体的な日常の行動などこまかなことを示すものが多く、読みにくくなることもあります。
 また、小アルカナの枚数が多すぎると、「大アルカナの出現率」が極端に偏ってしまいます。そこで、22枚:20枚になる、この組み合わせが使いやすいかと思います。
 ただ、コートカードが出やすくなるため、それがかえって読みにくいという場合は、78枚フルデッキか、大アルカナだけでやるほうがいいでしょう。


【カードの意味】

@ デッキの性格・個性
A 得意分野
B 苦手分野
C 表現の傾向・態度・言葉遣い
D 相性のいい性格・効果を引き出すための姿勢
E 得られる成果・相性


【カードの読み方】

@ デッキの性格・個性
 明るいとか暗いとか、強気だとか弱気だとかいった、おおまかな性格です。
 このカード単独では、ほとんど意味がありません。Cと合わせて読みます。

A 得意分野
 このデッキが得意とする占いの分野です。
 恋愛問題に強い、仕事関係に強いといったことの他、決めた行動の指針を求めるような問いかけに対して答えやすい、どうしようかと迷っているときに有効、など。
 オールマイティのカード―――具体的には「世界」が来た場合、どんな分野でもそれなりに得意という感じで読みます。
 Bの「苦手分野」にオールマイティが出ている場合、Aにあるのは特に得意なジャンルということになります。

B 苦手分野
 逆に、苦手とする分野です。
 ここにオールマイティが来た場合、特に苦手とする分野はないと読みます。
 Aにオールマイティが出ている場合は、ここに出ている分野は中では比較的苦手なものということになります。

C 表現の傾向・態度・言葉遣い
 きっぱりと断定的に伝えてくる、具体的である、やんわりと遠回しに答える、俯瞰的な視点で回答する、といった、回答の伝え方です。
 たとえば或る占いについてリーディングするとき、厳しい態度をとるデッキか、柔らかい態度をとるデッキかで、同じカードでも伝えたいことは違ってくるということですね。

 ここまでがデッキの性質を問うものです。つまり、左の4枚でひとかたまり。

D 相性のいい性格・効果を引き出すための姿勢
 このデッキと相性のいい占者のタイプです。有効な答えを引き出しやすい接し方、こちらの姿勢とも言えます。
 下手に出ておうかがいを立てる、命令するように答えを要求する、素直に受け入れる、議論する、などなど。

E 得られる成果・相性
 このデッキをアドバイザーとしたとき、自分にどんな良い効果があるかです。「はっきりとした効果が得られるならば相性が良いということだろう」ということで、相性というキーワードも入れていますが、これ1枚で見るものではありません。
 大アルカナなど強いカードであれば効果・影響は大きく、役に立ってくれるでしょう。小アルカナの場合はそれほど大きくないことになります。

 また、以下の項目もチェックします。

※ 逆位置の比率
 現時点での相性というか、仲の良さ、フィット感みたいなものです。
 逆位置の割合が高いほど、現時点ではフィットしていません。様子見の間柄です。なついていない、馴染んでいない、打ち解けていない、とも言えます。その場合は、持っている個性・能力を十分に発揮できず、答えも不明瞭であったり、読み取りにくいものになりがちです。
 正位置が多いほど既に馴染んでおり、読みやすい、あるいは素直に読めば良いアドバイスが得られるということになります。

※ 大アルカナの比率
 大アルカナの割合が高いほど、馴染んだときに発揮するパワーが強い、と読みます。現時点では逆位置で出ていても、それは気にしません。これも一種の相性です。
 ただし、性格(@とD)が合わないのにパワーを発揮されると、かえって扱いづらいことになるかもしれません。
 なお、大アルカナだけの場合、逆位置の割合がこの要素も含みます。


【リーディングのポイント】

 まず、このスプレッドでは、正・逆で意味を変えません。基本的に「良い意味」で取ります。
 逆位置で出た場合は、「その力が弱い」とか、「マイナス面も出やすい」と読みます。

 それから、すべて「現時点では」の話です。
 良い結果のときには永久にそのまま続いてほしいものですが、悪い結果でショックだったときには、この言葉を心のなかで唱えましょう(笑

 @とCは合わせて読みます。
 たとえば、「明るくてやんわりしている」「明るくてきっぱりしている」「思慮深く大局をふまえた俯瞰的な意見」「思慮深く直接的・具体的な指示」「厳しいが親身」「厳しい上に突き放す」「俺様で命令調」「俺様で優しい」などなど。……最後のはツンデレ?

 Dはデッキと相性のいい性格、と見ると分かりやすいかもしれません。そういった振る舞い、接し方をすると、デッキは調子よく答えてくれる、打ち解けてくれるという感じです。
 場合によっては、自分とはまったく違う性格が出てくることもあって、「そうしろと言われても無理!」なこともありますが……。
 読みにくいときは、@とDのカードを見て、そのカードになにか共通点、親和するものがあるかどうかを見ます。まるで違うカードで出ている場合、あまり合わない性格同士だと言えます。

 Eは、アドバイザーとして活用したときに得られる成果の大きさを示します。
 大アルカナが出ていれば、どんなカードであれそれなりの成果があります。つまり、占いの結果を利用して、現実に自分の望みを叶えたり、逆境を乗り越えたりしやすいということです。
 逆位置では少し弱まりますが、それでもなかなかの成果を期待できます。
 小アルカナの中でも力の弱いほうに位置するカード、つまり、ペイジ、ナイトが出ている場合には、占いの結果を活かしにくいことになります。

 カードの正逆を比較したとき、逆位置が多いなら、貴方かデッキか、あるいはその両方が人見知りで、おずおずとそこにいる感じです。腹の探り合い、様子見、警戒中、社交辞令(笑
 正位置が多い場合は、初対面でも人懐っこいタイプ同士や、もともとなにか"合う"要素を持っているのか。長い付き合いだと、すっかり気心が知れているのかもしれませんね。

 最終的な相性は、自分がDのように接せるかどうかと、Eの得られる成果の大きさ、そして大アルカナの比率で見ます。
 大アルカナが多いほど良いパートナーであると言えますが、性格的には合わない・苦手な場合や、Dのように振る舞うのが難しい場合、パワーは発揮するけれど振り回される感じで非常に疲れる、芳しい結果が出にくい、ということもあるでしょう。

 

【占うスパンについて】

 どんな占いでも言えることですが、結果が気に入らないからといって、短期間で繰り返すのはよしましょう
 このスプレッドは、デッキの使用頻度によると思いますが、短くても数ヶ月に一度。あまり使わないデッキであれば半年とか一年に一回。
 あるいは、自分になにか大きな変化が訪れたとき、占いに使っていてなにか今までと違うものを感じたときにしておくのが良いかと思います。

 

占例

 実際に私がやってみた結果と、サンプルにするために意図的に作った結果の、合計3つをアップします。よろしければリーディングの参考にどうぞ。

【サンプル1】

@ 性格・個性 :ワンドのキング(逆)
A 得意分野 :悪魔(逆)
B 苦手分野 :ペンタクルのキング
C 表現傾向・態度 :運命の輪
D 効果的な接し方 :隠者(逆)
E 得られる成果

:死神(逆)

 たとえばこの場合、基本的な性格は、行動的、情熱的、野心がある、といった熱血体育会系リーダータイプ。でも逆位置なので、私の場合は、時にそれが過剰になって、乱暴にもなりそうだと読みました。
 得意なのは、遊び・欲望・恋愛(しかもちょっと人に言いがたいような内容)関係。人には言えないような本音でも、ズバッとぶつけて我が儘を叶えたいと駄々こねたほうがいい感じです。逆位置は、少しはその気質が抑制されるのか、それともモラル欠如で危険なのか……。
 苦手なのは堅実な話。仕事、金銭関係。
 表現傾向は運命の輪なので、あまり具体的なこまかいこととか、短いスパンでのこと、あるいは対処療法的なことではなく、大局的な視点、長いスパンでの答えを出してきそうです。とんでもない性格のわりに、意外にクレバー?
 こちらとしては、かなりクセのあるこの相手には、じっくりと、探求しつつ付き合っていくといい、という感じ。逆位置で出ているので、それでもなかなか馴染んではくれない感じです。
 得られるものはかなり大きいでしょうね。逆位置でいくらかは弱まるとしても、がらりと価値観や生活が変わるようなこともやってのけそうです。

 全体的に逆位置が多いので、今はまだ馴染んでいません。初見で意気投合できるようなタイプではなく、隠者が示すように、時間をかけて付き合っていかないといけないようです。
 しかし、力を発揮できるようになれば、大アルカナが優勢で、小アルカナもキングなので、なかなか強力なパートナーとなってくれそうです。
 見事に将来の悪友候補。ツルんだら絶対ろくなことしないよこいつら(笑
 ちなみにこれは、見た目優しいヘロン社のニコラ・コンヴェル版との結果です。


【サンプル2】

@ 性格・個性 :ワンドのエース(逆)
A 得意分野 :審判(逆)
B 苦手分野 :ソードのエース(逆)
C 表現傾向・態度 :塔
D 効果的な接し方 :星(逆)
E 得られる成果

:ペンタクルのナイト(逆)

 性格はワンドのエース、エネルギッシュで創造的、そして表現傾向は塔。ピシャッと来そう。遠回しでなく結論だけをはっきりと出してきそうですねぇ。エースが逆位置なので、ムラっけがあって波が激しそうでもあります。
 得意分野の審判は、復縁、因果、報いといったところから、「つながるもの、続くもの」として解釈しました。しがらみや、断ち切れないもの、今までしてきたことのツケ、人間関係。そういうものに悩んだり困ったりしたときに良いようです。
 苦手なのはソードのエース。訴訟とか、離縁とか、なにかを切り分けて断定したり、断ち切ったりするような内容は苦手なのかな。あと、理屈であれこれ考えないといけないような話も苦手?
 なんとなく、義理人情型かもなと思います。理屈ではなく情で動くタイプ。でもあまり相手を気遣わない、言いたいことははっきり言う性格。軽く暑苦しいかも(笑
 こういう相手なので、こちらは素直に、オープンマインドで「はい、はい」と受け入れていくのが良いらしいのですが……私には無理! ヤだ!
 そのせいか得られる成果は芳しくありません。しかも逆位置で更に弱まってます。怠け癖があり極端な私には、厳しいコーチがいいんでしょう。そうすれば真面目にコツコツ動くんでしょう。でも嫌なものは嫌!! という頑固な私と合うべくもないのか、6枚中5枚が逆位置です。

 ただ、ペンタクルのナイト以外は大アルカナと、小アルカナの中では強いカードになるエースなので、コラボしたときのパワーはそう低くない模様。付き合っていく内に私が納得して少しは引くようになるのか、それとも喧嘩していても親密度は上がるのか(笑
 なかなか面白い結果になりました。
 暑苦しくああだこうだと言ってくるとしても、「や・か・ま・し・い・わ!」と言い返しながら、喧嘩しながら、小突き合っていこうかと思います。
 ちなみにこれは、一番長い付き合いのはずの、ウェイト・スミス・パックとの結果です(^^;


【サンプル3】

@ 性格・個性 :カップのクイーン
A 得意分野 :恋人
B 苦手分野 :ペンタクルのナイト
C 表現傾向・態度 :カップのエース
D 効果的な接し方 :ペンタクルのペイジ
E 得られる成果

:ソードのペイジ(逆)

 最後はこんなサンプルです。これは「読みにくいパターン」の一つとして意図的にカードを配したものになりますので、こまかい部分は簡単に、さっといきます。
 性格は優しい母親・姉のような感じで、恋愛関係に強く、仕事とかスキルといったものは苦手。優しく励ましたり、勇気づけたり、慰めたりしてくれるタイプなので、こちらは素直に、クイーンに甘えるペイジのようにアドバイスを聞き、その中から自分で、なにか小さくてもいいからできることを探していくような態度で接するのがいい。正位置が多いのでとても馴染みやすいか、既に馴染んでいる。―――ここまでは、非常に良い結果のようです。特に占者が妹・弟属性の甘えんぼで、恋愛関係で悩んだりすることが多いなら尚更です。

 問題は、ほとんどが小アルカナであり、最終結果とも言えるEが、かなり弱いカードだということ。
 相性はすごく良さそうで好きなタイプのデッキなのになんで? となるパターンです。
 こういう場合、「無理なく合う性格で、占者が求めるものに答えてくれる。だからこそ、大きい成果は得られない」と読めます。
 時には、ケツ叩いてでも頬を張ってでも、本人が苦手とすることに挑ませたり、あるいは間違いに気づかせるべきなのに、そういった厳しさのないデッキのため、結局"なあなあ"の、甘えの関係になってしまう、ということですね。

 

たぶん大事な話

【先入観に注意】

 面白いスプレッドですが、気をつけたいなと思うことが2つ。
 その内の1つが、先入観です。
 「このデッキはこうだ」という結果が、この後に行う占いの結果を狭めてしまう可能性があります。

 もちろん、「そういう性質」なのがコワイほど完璧に当たっていて、この占いの結果に応じて意味や答えを取捨選択すれば、更に当たるのかもしれません。
 ですが、もしこの占いが当たっていなかったら?
 当たっていたとしても、貴方自身やタロット自身になにか変化があったら? 性格や得意分野が変化し、相性も変化しているのに、それに気づかずにいたら?

 このスプレッドの結果はあくまでも「現時点での参考」、あるいは一種の「擬人化ごっこ」的な楽しみにとどめておくのが、程よいさじ加減です。

 

【合わないデッキ】

 占いの結果、「合わない」「相性が芳しくない」「使いづらい」と出たら、どうしますか?

 たぶん、このスプレッドでなにより大事なのは、そこです。そしてこれが、気をつけたいことの2つめ。
 それきり使わない? 捨ててしまう? 封印して観賞用?
 でもこれも同じで、相性や関係は変わるかもしれません。「今」の結果だけで疎遠になり、使わなくなってしまうのは、ちょっと勿体無いですね。
 合わないと出たデッキは、それでも気にせず使ってしまうか、どうしても気になって手にとれなくなってしまうとしても、数年に一度でもいいので、適正なスパンで様子を見てはどうでしょうか。

 

【私がなにより嫌なこと】

 これは一般論的なものをなくした、私の我が儘の話です。

 良い結果が出ると、なんだか嬉しくて、「そうか、じゃあこいつとはよく付き合ってみよう」と可愛く思えたりします。
 しかし「合わない」と出ると、なんだかしょんぼり。そしてもし、その結果をそのまま飲み込んで、「じゃあこいつはそんなに使わなくてもいいや」と、そっと脇にどけてしまうとしたら……。

 これって、楽しくないことです。

 クールに構えて、「使える道具」を見極めたり、今は今と割り切れる人、こっちが気に入ってるんだから知ったことかと言えるタフな人は、大丈夫。
 でも、素っ気ない結果だったらしょんぼりしてしまいそうなら、このスプレッドをやるときには、「どんな結果になっても、それはそれで面白い相手だよ。これからも付き合っていこう」という気持ちで試すのがいいかなと思います。

 少なくとも、カードは人間と違って、貴方の愛情を迷惑がって拒絶する心配はありません。
 好きなものは好きと、とことん思い倒してやればいいのです!


【なので実際には】

 私が実際にいろいろ遊んでみた結果、こうしている、というスタイルがあります。

 まず、使うのは大アルカナとエースのみ。コートカード、小アルカナが出てくると読みにくいという私のワガママです(笑)。よって、大アルカナの比率による相性といったもの見ません。
 そして、正逆のバランスで「今の相性度」をはかり、リーディングはすべて正位置で行います。
 死神や悪魔、塔といったカードも、通常のリーディングにおける良し悪しの価値観は忘れます。

 せっかくのデッキを、「相性が悪い」「私には合わない」という印象で読まないようにするためです。
 すべてを正位置として読むことで、かなり前向きで希望のあるリーディングになります。
 正逆のバランスは、あくまでも「今、現在」。自分のバイオリズムや使用度合いなどでも変化する要素ですので、逆位置が多かったら「少しほっときすぎたかな。メンテしてあげなきゃ」とか「もっと使おう」、あるいは「ちょっと今バイオリズム的に食い違いやすいのかも」とでも思えばいいのです。