洋書

 このページも洋書ですが、こちらは内容が限られていたり、ある程度占える人がより深い内容を求めて読むようなタイプ。"占い"という用途だけに限れば、実用的な内容です。
 コートカードに絞った解説書、逆位置の読み方についての本などもあります。
 入門書に比べると情報量が多く、文章も少しややこしいものが出てきますが、かろうじて私には「出てくる単語さえ分かれば、辞書なしでもなんかなる」レベルです。つまり、決して難しくはないと思います。
 国内には存在しない内容のものもあり、英語圏の人口の多さ、タロット愛好者の多さが羨ましくなりますね。

 

The New Tarot HANDBOOK

表紙画像【書籍情報】

著者 RACHEL POLLACK
税抜価格 1480円程度
初版刊行

2012.7

実ページ数 280

【書籍概要】

 夏に買って紹介を放置し冬に入ったら、日本語訳のものが発刊されてしまったといういわくつき(私にとってですが)の一冊……。
 それでも洋書で買うなんていうのは、英語本来のニュアンスで読みたい、という物好きな人だけだとは思いますが、一応紹介を。
 カードについて、単純に意味を解説するのではなく、そこに描かれたものを静かに観察し、そこから得られる発想を書き記しています。これが正解というのではなく、こういうやり方であなた自身がカードからガイダンス、意味を導きだしていってくださいね、というスタンスでしょうか。
 ただ、日本人が購入するのであれば、間違いなく『タロットバイブル』(別窓)のほうがオススメです。

 

LEARNING TAROT REVERSALS

表紙画像【書籍情報】

著者 JOAN BUNNING
税抜価格 1300円程度
初版刊行

2003.11

実ページ数 168

【書籍概要】

 7の学習用本格編で紹介している、「ラーニング・ザ・タロット」の中で見つけた、逆位置の解説に特化した書籍です。日本ではこういった、限定された内容の解説書はまだ見たことがありません。
 「よし、面白い本があるぞ」と思って手配しましたが……予想外に「ダメだなこれ」と思ったのが事実。なぜなら、正位置の意味に対してものすごく単純に「それがない」「それには早い、あるいはまだ十分ではない」「そうするにはもう遅い、もう終わりつつある」の3種類へと書き換えているだけなのです。たとえば女帝だと、「すぐには母親にはなれない」「間もなく母性が必要とされるときがくる(今はまだそのときではない)」「母としてあるべきときはもう終わった」といった感じ。一つの意味に対して、とにかくこうやって3種類並べているだけです。これなら、この3つの置き換えができる、とだけ説明すれば事足りるじゃん orz
 もちろん、全部が全部そうでもありませんが、大半がそんな感じ。英語がものすごく得意な人、かつ初心者さんで逆位置のリーディングに戸惑う人にならオススメしたいですけどね。

 

The Complete Book of TAROT REVERSALS

表紙画像【書籍情報】

著者 MARKY K.GRRER
税抜価格 1300円程度
初版刊行

2002.3

実ページ数 259

【書籍概要】

 上の逆位置本に軽く微妙な気持ちになった後で探し、これならと思ったのがこの本です。
 まず正位置についてきちんと説明した後、同程度の分量を使って逆位置について解説しています。大アルカナは1カードにつき2ページ半、小アルカナも2ページ割いていて、「小アルカナの解説がおざなり」ということもありません。正位置の意味するところについて書いた後、「伝統的な解釈」というキーワードをざっと並べ、逆位置についても、文章+キーワードで解説しています。
 ジョアン氏のものと比べると、「文章」になっている点で少し読みにくいかもしれません。しかし英文自体は分かりやすく、専門書であるからには繰り返し出てくる単語も多いので、読み進めるのは比較的容易です。もちろん、ある程度英語を読めるのであれば、ですが。
 最初の40ページくらいで、タロットの歴史などについてさらっと触れています。その中で読んでおくべきものがあるとすれば、「逆位置の解釈12通り」という25ページからの部分でしょうか。他は読み飛ばしてもいいと思います(笑)。また、最後の40ページくらいは、スプレッドとリーディング例も載っています。

 

Tarot in Reverse

表紙画像【書籍情報】

著者 Janet Bayer
税抜価格 1700円程度
初版刊行

2012.5

実ページ数 185

【書籍概要】

 トランスペアレント・タロットなど、実験的なタロットをいくつか出しているSchiffer社のロゴが入った逆位置本です。一般的な洋書に比べて紙質がいいため、その分重い上に高いのが難点。
 キーワードによる逆位置の意味の後、カードのイメージ解説や、カードが出てきた際に与えられるアドバイス、アファメーションが書いてあります。―――「アファメーション」ってナニ? というかたへ → これも一種の引き寄せの法則みたいなもので、「こうなるといいなぁ」ではなくて、実際にそうであるかのように肯定的な表現をすることで、気持ちをポジティブに切り替えていく感情ワークです。もっと大雑把に言えば、「言葉の贈り物」。
 海外サイトでのレビューはそれほど高評価ではないのですが、大アルカナも小アルカナも見開き2ページで解説していますし、内容もそう悪くありません。たとえば愚者のアドバイス欄には、「Childish(幼稚さ)とChildlike(純真さ)は違う。前者は成長することを拒み、後者は大人ぶった振る舞いを拒む」と書かれています。
 割高ではありますが、逆位置への理解やイメージを深めたい、広げたい人であれば、上記2冊と合わせて読んでも損ではないと思います。

 

THE TAROT COURT CARDS

表紙画像【書籍情報】

著者 KATE WARWICK-SMITH
税抜価格 1200円程度
初版刊行

2003.6

実ページ数 183

【書籍概要】

 こちらはコートカードのリーディングに特化した書籍です。
 かなり詳細です。解釈の比較、時代による変化など、情報をしっかりと詰め込み、解釈も系統別に丁寧に書いています。
 面白いのは「ソードのキングの言葉」という感じで、「私は」から始まる台詞が入っていること。解釈、イメージの一部としてなかなか雄弁です。
 16枚しかないカードの解説に180ページを費やしているわけですから、その内容の充実度はかなりのものと言えます。内訳は、最初の50ページくらいでスートの示すものとか、カバラの観点から見たコートカードのキーワードなど、様々な角度からの解説を行なっています。次の80ページがメインと言っていい部分で、コートカード一枚ずつについて、「援助者」「中傷者」「資質」「チャレンジ」「リーディングのガイド」について書かれています。そのカードが出たとき、援助してくれる人であるならばどういった援助をしてくれるタイプなのか、中傷する人(ありていに言えば敵や障害になる人)であればどういったタイプなのか、このカードが示す、その人の内面に強く存在するものはなんなのか、このカードが示す課題や取り組むべきことはなんなのか。それから、このカードが出てきたときには、どう解釈すればいいのかを「貴方にとって○○なのは?」といった質問で導くようになっています。
 コートカードは慣れないと非常に読みづらいカードなので、本気の学習者であれば、気合で読みこなしてものにしたい一冊です。

 

The SECRET LANGUAGE of TAROT

表紙画像【書籍情報】

著者 RUSH ANN,& WALD AMBERSTONE
税抜価格 1500円程度
初版刊行

2008.4

実ページ数 269

【書籍概要】

 洋書版、ライダー・ウェイト・パックのシンボル解説書です。「単なる読み物として、カードに描かれたものの意味をより深く掘り下げるためのものとして、イメージや閃きをよりクリアにするものとして」など、いろんな読み方ができる、と書いてありますね。
 冒頭は"王冠"からですが、すべてのカードの中の19枚に描かれていて、それがどのカードかにも言及した上で、王冠が意味する一般的なイメージや意味、そして、各カードそれぞれにおいて、王冠の意味するものについて、と流れていきます。第一章は王冠、柱、薔薇と百合。
 必然的に、英語長文での解説ですので、英語を読み慣れないとなかなか大変かもしれませんが、使われている単語や文の構造は易しめです。特に、他のタロット洋書を読んでいる人であれば、今までに何度も見かけた単語が多いのではないでしょうか。
 シンボルについては、日本語でもかなり専門的な良書もありますが、逆に専門的・学術的すぎて、この本のように読み物とするには難しく、お固い感じもしますね。この本のいいところは、最後まできっちりと、実践的なタロット・リーディングに根ざした(役立つ)範囲での書かれ方をしていることでしょうか。

 

TAROT TIPS

表紙画像【書籍情報】

著者 RUSH ANN,& WALD AMBERSTONE
税抜価格 930円程度(USA)
初版刊行

2003.11

実ページ数 183

【書籍概要】

 これもちょっと変わったスタンスの本です。「タロットに触れるときに発生する、様々な質問に答える」という、FAQ。
 たとえば、「私はタロット初心者で、今、ジョアン・バニングの『ラーニング・タロット』を使って勉強している最中です。この本の中で取り上げられているのはライダー版ですが、実は、私がいいなと思ったのはコノリー・タロットでした。どうしたら、『ラーニング・タロット』を、コノリーに置き換えることができますか?」みたいな質問。
 占いそのものではなくて、とにかくタロットを手にとったら発生しそうな、いろんな質問に答えています。初心者ではないんだけど、ある程度のコースをマスターしたら、次はどうしていいか分からなくなった、とか、ざっと拾い読みしただけでも、"タロット・ユーザーがぶち当たる悩みいろいろ"が書かれていました。
 一番面白いのは表紙ですね。ペンタクルの8。タロットを学ぼうとする学徒に見立てているのでしょう(笑