ある日の小話 6

 

RAVEN

 

「ただいま帰りました」

Karma 「ああ、おか……うっ」
RAVEN 「どうしました?」
Karma 「い、いや、なんでもない」
Tyrant 「なんだ帰っ……、………………」
RAVEN

「? なんなんですか、二人とも……。あ、先にお風呂使わせてもらいますね。疲れちゃって……」

Karma

「あ、ああ、好きにしろ」

 

Tyrant 「……カルマ」
Karma 「……なんだ」
Tyrant 「ここは長兄として、一つ厳しく言ってやれ」
Karma 「な、なにを」
Tyrant 「そうコロコロとカラーチェンジするな、とだ。赤よりはマシだが、緑は個人的に好かん」
Karma 「そういう理由なら、おまえが言えばいいだろうが。だいたい、俺が言うよりおまえが言ったほうが効果的だぞ」
Tyrant 「たまには年長者としてそれらしいことをしてくれ」
Karma 「……単にレイが怖いだけなんじゃないのか?」
Tyrant 「そんなわけないだろう!」
Karma 「ないなら怒鳴ることもないだろうけどなぁ」
Tyrant 「うるさいっ。だいたい、この間はおまえがショートするから、俺が言ったんだ。今度はおまえだ」
Karma 「それを言われると……。分かった。黒に戻すように言い聞かせればいいんだな」
Tyrant 「それから、もうカラーチェンジはするなとな」
Karma 「そこまで言うと、さすがに反論してきそうだが……」
Tyrant 「伝家の宝刀がある。『黒くない弟なんかいらん』と」
Karma 「そうまで言うのは可哀相な気もするぞ」
Tyrant 「じゃあおまえは、あいつがコロコロコロコロ色変えてきてもいいわけか?」
Karma 「それは……。分かった。風呂から出たら、言っておこう」
RAVEN

「なにを言う相談してるんですか?」

 

Tyrant

「よし、言ってやれ……って、え?」

Karma 「お、おまえ、なんで黒に戻って……?」
RAVEN 「え? なんですか?」
Tyrant 「いや、おまえ今日は緑にカラーチェンジしてきたんじゃ……」
RAVEN 「なに言ってるんですか。赤で怒られましたから、もう諦めましたよ。第一、私はあんまり緑は好きじゃないんです」
Tyrant 「だったらなんで……」
Karma 「はっ!? ……レイ。お兄ちゃん、一つ質問していいかな?」
RAVEN 「はい? なんですか?」
Karma 「今日のお仕事先は、どこだったのかな?」
RAVEN 「洞窟ですよ。シャークの大群が現れたっていうんで、その殲滅作戦に参加してきたんですけど」
Karma 「ってことはアレは返り血ッ!? お、お兄ちゃん、もう疲れたヨ……(T▽T)」(パタリ/←ショート)
RAVEN

「あっ、兄さん!? どうしたんですかっ!? ってタイ兄さんまで止まってるしっ!?」