ある日の小話 4
  
Karma 「レイ、そういうとな」
RAVEN 「はい、なんですか?」
Karma 「あれから、どうなったんだ?」
RAVEN 「何がですか?」
Karma 「だから、ほら、あれだ、あれ」
RAVEN 「『あれ』じゃ分かりませんよ」
Karma 「だから、その……、その、だな……シノワビートに弟子入りするとか言ってただろうが」
RAVEN 「ああ、あれですか」
Karma 「もらってきた武器はともかく、あれからべつに、分身するでもなし、消えるでもなし……」
RAVEN 「…………ふっ」
Karma 「うおっ(汗) な、なんなんだ、その曖昧な笑ってるみたいな諦めたみたなのはっ。駆動炉に悪いぞっ」
RAVEN 「ねえ、兄さん(にこり)」
Karma 「なっ、な、なん、だ……?」
RAVEN 「変わらないはずのアンドロイドの表情を、付き合いの長さや深さで読めるようになる以上、通じないはずの言語も、気合でなんとかなるものなんですねぇ、実際」
Karma 「そ、そうかもしれんな」(←本当はものすごく逃げ出したい)
RAVEN 「ところで兄さん、バベルの塔の話、知ってます?」
Karma 「い、いいや」(←今すぐにでも逃げ出したい)
RAVEN 「天に届く塔を作ろうとした人間が、神の怒りに触れて、その塔は打ち壊され、それまでは一つの共通言語で話していた人間たちは、互いに違う言葉を話すようになり、お互いの言うことが通じなくなったそうです。それで、一致団結して塔を作るということはできなくなった、とかいう話なんですけどね、言葉さえ通じれば理解し合えるなんて、ただの妄想だと思いませんか?」
Karma 「そ、それは……いや、その、そうかもしれんが、そうじゃないかもしれんと思うが……」
RAVEN 「言葉さえ通じていなければ、知らずに済んだこと、知られずに済んだこと……。兄さん。分身とか陰形の術とかって、やはりステルス機能や映像投射機能がなければ無理なんだそうです。だったら最初っからそう言えばいいものを……。教えてもらおうと思って出かけたんですけど、そんな話、ちょっと陰から聞いてしまいましてね」
Karma 「う……っ。す、すまん、用事を思い出したっ」
RAVEN 「おや、そうですか。それじゃあ、どうぞいってらっしゃい。気をつけてくださいね(にっこり)」
Karma 「(そのせいかっ、そのせいなのかっ!? 最近坑道でシノワ一族見ないのはそのせいなのかぁ〜〜〜〜ッ)」
  
  
Karma 「……という夢を見たんだ」
Tyrant 「シャレになってないぞ、それは(汗)」
Karma 「あいつに対マシン属性60%もついてるバルディッシュやったのは誰なんだ、まったく」
Tyrant 「45%ついたソウルバニッシュですら危険だってのにな。鬼に金棒というか、気○がいに刃物というヤツか?」
Karma 「まあ、そんなところもあるかもしれんな(苦笑)」
Tyrant 「あるかもしれん、じゃなくてそうだろう。なんだってああも凶暴になったのか。会った頃はおとなしい奴だったのに」
Karma 「たしかになぁ。いつの間にかうちの実権しっかり握ってるしな。で、そのレイは?」
Tyrant 「今朝出掛けたっきりだ。あいつ、あれでかなり地獄耳だからな。うちにいたらこんな話はできんだろう」
Karma 「それもそうか。……シノワ一族全滅も怖いが、しっかり教えてもらってきて、姿消してそこにいたら恐ろしいな」
Tyrant 「!? ……そ、そんな恐ろしいこと言うなよ(汗)」
Karma 「うっ(滝汗)」
Tyrant 「……や、やめるか、こういう話は」
Karma 「そ、そうだな」
RAVEN 「もう遅いと思いますけどね、兄さんがた?」
兄s 「!!!!!!!!」
RAVEN 「言いつけておいたうちの掃除、ちゃんとやるのかどうかと思ってこうして戻ってきてみたんですが、掃除する気配もないどころか、よくもまあ言いたい放題……」
Karma 「レイ!? 何処だ!? って、まさかホントに消えてるのかッ!?(@@;)」
Tyrant 「カルマッ、逃げるぞ!!」
RAVEN 「二手に分かれようったってそうはいきませんよ。まだ五つ身分身はできませんけど、二つ身までは習得したんですから」
Karma 「わっ!?」(←捕まった模様)
Tyrant 「うおっ!? っておまえ、なんで消えたまま分身してるんだ!? シノワビートでさえそんなこと……」
RAVEN 応用したまでです。で、お二人とも、覚悟はいいですね?(にこし)」(←ステレオ)
Karma 「〜〜〜〜〜〜ッ(T0T)」
Tyrant 「まっ、待てっ! ちょっと待てそれはバルディ……〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」(←声にならない悲鳴)
  
  
Karma 「レイ、たまには掃除くらい俺がするから、今日はゆっくり休んだらどうだ?」
RAVEN 「え? ……どうしたんですか、急に?」
Tyrant 「……買出しくらいなら、仕事の帰りにしてきてやる」
RAVEN 「タイ兄さんまで。何かあったんですか?」
Karma 「少し嫌な夢を見てな」
Tyrant 「なんだ、おまえもか」
Karma 「まさか……同じ夢か……?(汗)」
Tyrant 「もしそうだとすると、これはもはや予知夢というか、夢のお告げというヤツか?(汗)」
RAVEN 「夢? 嫌な夢って、どんな夢なんですか?」
Karma 「い、いや、なんでもない。まあ、言うほどのことはないんだが、いや、それでそのいろいろと考えてだな。おまえばかりにあれこれ雑事を押し付けているのは悪いし、かといって俺ではうまくできないから、たまに手伝うくらい、せめて、と」
Tyrant 「右に同じだ。いいから、今日はゆっくりしてろ」
RAVEN 「そう言ってくれるなら、お言葉に甘えて。んー、それなら武器の手入れでもしておこうかな……。この間坑道のF2フロア殲滅作戦に参加したら、バルディッシュもけっこう傷んでしまって……」
Karma 「!! う、いや、ま、まあ、そうだな。大事なことだしな、うんうん(滝汗)」
RAVEN 「???」
Tyrant 「行ってくる。……そういえば、な」
RAVEN 「はい?」
Tyrant 「前にシ……い、いや、なんでもない。じゃあな」
Karma 「さぁて、窓でも拭くか(いそいそ)」
RAVEN 「は、はあ……? なんなんだろ、二人とも……??」