感想など

 

このページではコミックの内容などに触れています。
自分で読みたい人は、ネタバレになりますのでご覧にならないほうがよろしいかと。
せめておおまかなストーリーくらい知りたいという人は、解釈が間違っているかもしれないことはご了承のうえで、だいたいこんなものなのね、くらいの参考にしてみてください。

 

この表紙のヤツ「DIFIANCE」の話

 リベンジをふまえた上で、セイバートロン星でメガトロンが離反したときの話です。
 読み始めると面白くて止められなかったものの一つです。
 すべての台詞を理解できたわけではありませんが、イラストや前後の展開と合わせて、ほぼ問題なく読めました。単語や構文が比較的定型を守っていて易しいのもあります。
 ちなみにこれは、辞書なしでだいたい読めてます。分からない単語は前後から適当に推察するか、繰り返し出てくるものであれば、そのシチュエーションから推察できるものがほとんどでした。

 

 

 

 

【ストーリー展開とシーンピックアップ】
 物語は、スタースクリームが仲間のもとへ戻ってくるところからはじまります。彼は腕を怪我していて、迎えに現れたラチェットがそれを修理しつつ、なにがあったのかを問いかけています。どうやら、ちょっと離れた星雲のあたりに敵対的な宇宙人がいて、彼等に攻撃されたとか。会話を見ると、スタースクリームは「こちらから手を出してはいない。向こうが仕掛けてきた」と言っています。……スタスクのことなので本当かどうかと怪しんでしまいまのすが、とりあえずここは本当だと思っておきました。ちなみにスタスクの地位は「コマンダー」。すぐ後に出てくるアイアンハイドは「キャプテン」のようです。
 はて、この頃、セイバートロンの或る場所では、古代の遺物の発掘が行われていました。それに進展があったと知らせを受けて、現地に向かうメガトロン、オプティマスたち。この段階では、実はオプティマスは自分がプライムの末裔だとは知りません。というか誰も知りません。そして、メガトロンのほうが偉いようで、オプティマスはメガトロンを「Sir」と呼んでいます。ちなみに、この頃からメガトロンは横暴というか、逆らうことを許さないところは既にありますね。
 発掘されたのは三角形をしたプレート。オプティマスはそれを、ちゃんと調査するまでは動かさない方がいいと言うのですが、メガトロンはとっとと掘り起こして運べと言います。そのことで少し言い争う二人のもとへ、スタースクリームから通信が。なにかと思えば、都市が敵から攻撃されているというのです。冒頭でスタスクがエンカウントしている相手です。急いで迎撃に戻るメガトロン。そしてたぶん、オプティマスたちには遺物の発掘をさせていたと思われます。
 そのため、敵を撃退し終えて自分の部屋(私室ではなく執務室だと思いますが)に戻ったメガトロンの前には、発掘された遺物が。敵から受けた攻撃のダメージで、メガトロンはその遺物に触れて気を失ってしまいます。(ちなみに敵と戦うのにチェーンハンマーのようなものを使ってるのは、アニメのメガトロンへのオマージュでしょうねぇ)
 メガトロンはそこで、「人間」が現れる夢を見ます。そして目覚めたとき、プレートからは謎の声が!
 この遺物は、かつて反乱を起こしたフォールンの意識を封じ込めたものか、それとも彼が意図的に乗り移っているものか、ともあれ、ここでフォールンと接触したことで、メガトロンは完全に自分の道を歩み始めるのです。「おまえを支配者にしてやる」と言い、「その前に……」とつけてなにやら赤い怪光線を放ち、それがメガトロンに触れます。ここで、フォールンに会うまでは白かったメガトロンの目の色は、赤く変わってしまうので。って、もしかしてあの、洗脳されてますか?(汗 (なお、スタスクの目は最初から赤かったりします。これはスタスクがそもそも悪だというより、メガトロンの変化を表すためだけのものでしょう)

 本来彼の軍隊は、いわば自衛隊。防衛のためのもので、自分から攻撃をしかけるために使うものではありません。しかしメガトロンは、敵対異星人への報復として、こちらから攻撃を仕掛けようとします。オプティマスはやめさせようとしますが、「我々は変わらねばならんときに来ている」とか言われ、止められず……。オプティマスはトランスフォーマーたちを集め、その前で、「メガトロンには従わないでほしい」と演説します。「我々は守護者(プロテクター)であって兵士(ソルジャー)ではない」とかいう台詞が印象に残ってますね。そもそもメガトロンは軍人で、彼の配下もそう―――アイアンハイドも含めて、彼等は戦闘を想定して生まれてきているのですが、オプティマスたちの配下はそうではない、という違いがあったりもします。
 一方ではメガトロンも演説を行い、飛べる者はついてこいと言って、敵の母艦目がけて攻撃を仕掛けました。徹底した殲滅と殺戮を命じ、スタースクリームやサンダークラッカー、ブラックアウトといった連中がそれに従って攻撃を仕掛けます。
 この戦いを終えて帰還したメガトロンに、フォールンが命じたのは「私の帰還の準備を整えろ」ということ。そのためにまずは独自の軍隊を整えることを指示し、そして巨大な宇宙船を建造させます。ちなみに、メガトロンが敵と戦っている間にオプティマスたちはこっそりと彼の執務室を訪れているのですが、フォールンはメガトロンにそのことを話し、「彼等も力を求めているからだ」みたいなことを言ってるような……。それでメガトロンの敵対心というか、「オールスパークの力は私のものだ」みたいな感情をあおってますね。なんだかメガトロン様、いい操り人形です。ちょっとショック。ガーン。

 これと同じ頃、遺物などの分析をしていたアーシーやラチェットたちは、プライム王朝が実在したことを確信し、オプティマスの側頭部にある同じマークが「関係がある」と言います。そこでやっとこオプティマスは、「関係ある? つまり、……私がプライムかもしれないってことか?」と。にわかには信じがたい話で、「なにかの間違いだろう」みたいなこと言ってますけどね。
 はて、メガトロンはフォールンに操られるまま、邪魔をする者は殺すという発想になります。そこでオプティマスたちを罠にかけます。このときオプティマスを反逆者として確保しに行かされた中にバンブルビーやジャズがいたりします。メガトロンが自分を探しているというなら、むしろ私のほうから会って聞きたいことがある、と素直に同行するオプティマス。そこに、バンブルビーたちにも知らせず潜伏していたスタースクリームたちが攻撃を仕掛けます。フレンジーに、クランクケース、バリケードもいますね。ブロウル(頭文字Bの戦車さんのほうです。ちなみにオプティマス側にはプロウル、頭文字Pの子がいます)が砲撃し、クランクケースが「砲撃の煙が晴れたら攻撃を仕掛けよう」みたいなことを言ってるのに対して、バリケードが「待てん」と答えてたり。あんたホントに短気ね。ともあれ、オプティマスたちはなんとか撤退に成功します。

 メガトロンは、オプティマスたちと袂をわかち、彼等とは違うということをはっきりさせるため、自分の新しい軍団に「ディセプティコン」という名前とシンボルを与えます。これに大半の者は賛同するのですが、一人、アイアンハイドは出ていきます。途中でジャズたちに見つかり、同意のうえでの連行みたいな形でオプティマスのところへ。そして、「あんたには俺の力が必要だろう」みたいなことを言います。「俺は兵士だ。戦いのために作られた。だがあんたたち一族(KINDですが、種族ではちょっと意味が違うような)はそうじゃない」とか。答えてオプティマスは、「我々(アイアンハイドも、たぶんメガトロンたちすら含めて)一族は、だな。我々は皆オールスパークから生まれた兄弟だ。私はそう信じている」。相変わらずクサい台詞ですね、この人は……。
 一方、メガトロンはフォールンの指示に従って巨大宇宙船の建造を進め、それが完成すると、フォールンのプレートと、ディセプティコンの大半を乗せて旅立たせます。彼等がフォールンの本体のところへ辿り着くなりなんなりして、復活させる役割を担わされたようです。
 メガトロン本人はセイバートロンに残り、オプティマスにくみする者を殲滅すべく戦いを始めます。スタスクたちはメガトロンとともに星に残ってます。
 で、その戦いが長く続き、セイバートロン星を破壊しかねないところまできたとき、オプティマスはひそかに、陽動として自分たちが戦う裏側で、バンブルビーたちを使ってキューブの放逐を計画します。これがタイガーパックスの戦いで、メガトロンに見つかったバンブルビーは重傷を負い、声を失うことに。
 メガトロンはキュープを追ってすぐさま飛び立ち、その果てでネメシス号(ディセプの宇宙船)から発信されているフォールンの信号をキャッチ。立ち寄って「愚か者」とか罵られつつもキュープの追跡を続行した挙げ句、地球に不時着して氷に閉じ込められ……。
 このあたりで物語は終わりになっています。

 

【感想的な話】
 もともとメガトロンが強引で横暴だったのは間違いありませんが、フォールンとの出会いでそれがより強くなったというより、なにやら洗脳されて言いなりになってるっぽいのがちょっと気になります。なんか……ねえ。力を与えるとか、支配者にしてやるとか言われて素直に信じるようなタマかなと。
 よく言われていることですが、一番最初のメガトロンはずる賢くて卑怯で、それでいてパワーもあって発明すらするというオールマイティぶりでしたが、一度死んで復活して、ガルパトロンになると単純な破壊者になってしまったそうですね。映画のメガトロンもガルパトロンに近い、力にものを言わせて暴れるだけ、という印象があります。
 映画版にそったコミックである以上、あまり頭はよろしくないというか、けっこう素直なメガトロンというのもアリっちゃアリですが……。ハイハイと従うふりして出し抜こうとするくらいのほうが良かったなぁ。なんかもう「走狗」という言葉しか出てこないんですもぬ……。

 あと、気になるコマが一つ。スタスク(とサンダークラッカーたち)がメガトロンからの指示を受けているシーンで、彼等の足元に小柄なディセプティコンがいます。これが、目の色が青いし、頭部の形状や腕にマウントされている大口径の砲身といい、アイアンハイドなんだろうなと思いますが、それにしては小さすぎ。アイアンハイドは8mくらいあるはずですよ!? 一瞬、バリケードかと思ったじゃないですか。ちなみにバリの目は赤ですし、頭部は地球版とほぼ同じです。
 このコミックに限ったこっちゃありませんが、大型ロボの足元にちっこいのがいると、無性に可愛くてたまりません。1作目の前日譚(PREQUEL)でも、火星で探査機を破壊した後のスタスク、ブラックアウトとともにバリケードとおぼしき小型ロボが立ってるんですが、スタスクたちの脚に比べるとめちゃくちゃ小さくて可愛らしいのです。
 フレンジーとかほど小さくなると比較しても仕方ない感じですが(しかも形状が人型というよりもさらに細いし)、5mサイズはヤヴァいですね。
 サイバトロン側はバンブルビーにジャズ、と2人いたり、リベンジではジョルトやスキッズたちがいたりしますが、ディセテプティコン側は1作目ではバリケードだけが小さいので、妙に目立つんですよ……。