性格設定の話:ディセプティコン2

 

 こちらを見る人なら必ず「1」を先に見ていると思いますので、共通する解説は省きます。
 こちらは出番の少ないキャラクターやリベンジからの参入組。そのため解説も全般的に短くなっています。
 SS中でもっとよく出てくるようになれば、追加されたり変更されたりするかもしれません。

ボーンクラッシャー

【IF世界】
 傍若無人で無神経、頭もよろしくなく短絡的。でも、細かいことにはこだわらず、楽観的で意外に面倒見も良ければ、懸命に生きても弱い者には優しく、ただ権威を振りかざすだけの強い者には反抗的という、典型的な(?)ガキ大将です。
 基本的にガサツで粗暴で口も悪いため敵を作りやすいのですが、本人全然気にしません。お人好しではないのですが、おおらかというか、大雑把というか、たとえ喧嘩した相手だろうと、少しすればケロッとして話しかけていきます。表面的な部分ではどれほど衝突しようと気にしません。根本的には仲間思いで優しい人なので、自分の仲間に取り返しがつかないようなダメージを与える相手には一切容赦せず、誰かを傷つけることそのものを喜んでいるような相手には徹底して敵対します。
 多少の損得にもこだわらず、自分が損していても、誰かがそれで助かっていたり救われていたりすれば、「別にいんじゃね?」くらいでスルー。ムカつく相手が自分を陥れて得をしたりすれば腹を立てますが。
 というわけで、ディセプティコンのトラブルメーカーであると同時に、非常に貴重なムードメーカーです。
 ただ、あまり自分の感情を殺したり誤魔化したりができないため、作戦行動中に勝手なことをすることも多く、そういった面では信頼を得られていません。そういうところを反省して少しでも修正しようという意思がないのも困りもの。
 それから、いくら悪気はないとはいえ気に障ることを無神経に言い放ったりする頻度は高く、自分勝手でもあるので、ある程度の器、それとも忍耐力とかがないと付き合っていられないのも確かです。真っ向から反論できるだけの論理性とか、あるいは事実と感情を切り離して受け止められる者、相手の個性を理解すれば表面上の暴言は許せる者、多少罵られたところで揺るがない自負や自信のある者。こういったタイプなら大丈夫ですが、その逆だと、とても一緒にはいられないかと。

 そんな感じなので、相性が「いい」と言える相手はいません。ブロウルはボーンクラッシャーの言動に傷つくものがないというだけで、ボーンクラッシャー自身も「だからこいつは俺といても平気なんだろうなぁ」くらいの自覚はしています。
 相性が悪いのは繊細なタイプで、ジャズ、ブラックアウト。ジャズは、根に持つというのではないけれど昔言われたこともきっちり覚えていそうですし、ブラックアウトはすぐ凹む。なのでボーンクラッシャーとしても付き合っているとイライラしたりしてそうです。オプティマスもボーンクラッシャーのことは苦手でしょうし、ボーンクラッシャーからしても、なんでアイツがプライムなんだ?と思ってそうです。

【その他の世界】
 擬人化世界では、IF世界とほととんど変わりません。舎弟も多いけど、彼を苦手にしていたり嫌っている者も多い感じで。職業はドカチン(笑)。ただ、建築技師の資格くらいは持ってるんですが、試験勉強だけでもう嫌になって、現場が一番だと思ってます。
 唯一異なるのは、IF世界では「こうるせぇ奴」「考えなし」という感じで、相性が悪いわけでもないけれどあまり接点のないスタースクリームと、一番仲がいいのが彼だということ。たぶん、ほとんどの人が知らないスタースクリームの事情を、唯一知っている相手です。無神経な言葉で傷つけて喧嘩になって、事情を知ったら、さすがに言っていいことじゃなかったと思い知り、最初は悪かったと思うから少しは気を使って接してました。以後は、自分に足りないところは頼り、スタースクリームに不足してるところは助けてやり、でいい友人関係に。たまに……というかしょっちゅう喧嘩もしてると思いますが。
 RUIN世界では基本的に出てきません。彼はハイウェイで頭部を刺し貫かれているので、死亡しているのではないかと思われます。セイバートロン星時代では、別にディセプティコンにいて楽しいわけでもないけれど、オートボット側は気に食わないのでこちらについただけ、という立場。協調性がなく、おためごかしやキレイゴトが嫌いで、「俺のためにこれをしろ」と言われるならまだ聞けても、「民のため」とか、そんな実感もないものを題目に掲げられる連中の気が知れない、という、極めてドライでクールで冷淡なキャラクターになってます。IF世界などとは大違い。
 あまり頭は良くないので指揮官向きではないものの、コンスタントに仕事はこなすので便利ではあります。ただ、自分でなにか求めるものがあるでもないので、忠誠心もないし熱意もないし渇望もなく、常にテンションが低めで一定に保たれていて、引き際の見極めがかなり早く、つまりはやる気があまりないというのが欠点。ただ、指示された分の成果を上げる必要があることは分かっているので、いい加減というのとは違います。
 攻撃力とスピードが高く、防御と精度が低め。そのためしょっちゅう大きな破損個所を作ります。

ブロウル

【IF世界】
 ほとんど登場しないのでさらっと。
 朴訥で単純……というか、いろんな意味で頭がよろしくない人。馬鹿にされてても気付かずにいるし、褒められるとそれが見え透いたお世辞でもすぐに喜ぶ。そんな彼ですが、やはりなにか、自分で感じるものはあって、「兄貴分」とか「仲間」と認めた相手にはそれこそ無心に尽くします。
 命令には極めて忠実で、命令以外のことができないという欠点はあるし、複雑なものは理解できないとしても、理解した範囲で、命令されたことを徹底して行います。それで自分が得するとか損するとかは一切考え(られ)ません。
 この知能低下は、生まれてから長期間、充分に活動できず半休眠状態でいたために生じた障害、ということになってます。生まれた瞬間にはもっと高い知能も持っていたし、自己主張したりするだけの自我もあったのに、それを使うことなく長い時間過ごしたため鈍化し麻痺し、その機能が死んでしまった感じに。

【その他の世界】
 擬人化世界でもそのまんま、ボーンクラッシャーの舎弟です。一緒な仕事して、同じアパートの隣に住んでるのかもなぁというくらいに。擬人化でもぼんやりさんですが、サヴァンなのかも。「あの鉄骨からここまでの距離は?」とか言われると、はかりもせずピタリとセンチ単位くらいまで言い当ててしまうし、3ミリの厚さにまで削れと言われると、まさに3ミリをはかりもせず作りだすような感じで。
 RUIN世界での個性は完全に異なり、敵味方お構いなしに、とにかくなにかを破壊し殺すことに快楽を覚えて暴れまわる狂気の塊です。メガトロンに叩き伏せられて言うことを聞いているだけ。常に躁的でやかましく耳障り、ちょっとしたことでブチキレて暴れ出し、手がつけられません。とはいえまあ……出てこないんですけどね。
 戦闘能力は攻撃力と防御力に特化し、スピードや精度はかなり低め。そのため射撃戦ではなく近距離での肉弾戦が得意で、砲撃はあくまでも牽制とか、花火代わりです。

フレンジー

【IF世界】
 思ったことは言わずにいられない、頭の回転も早ければ口も速い諜報員。仕事においては軽口を叩きながらも素早く的確に遂行し、非常に役立つのですが、実績を必要以上に主張したり、認められたがったりもします。小さいからって馬鹿にするな、という気分なんだと思います。馬鹿にされたくない、ナメられたくない、という気持ちから、足元をすくわれたり手柄をとられたりしないで済むように猜疑心も強く、誰にも心を開きません。
 彼も大概トラブルメーカーで、他人の失敗や失態に容赦ない言葉を浴びせて傷つけたりするので、あまり好かれてはいません。それが実際は、自分を大きく見せるため、偉く見せるため、価値を誇示するために、相手を貶めるという手段をとるという心理であることに気付いている者は、「はいはい」という感じで流してます。
 要するに、頭だけ発達してしまった子供なのです。
 そういう自我と個性を作り上げたのは周囲。もともと彼はA級ドローンであってオートボットではない、という設定だったりします。スコルポノックが知能はあっても感情や自我のないB級ドローンであるのに対し、A級ドローンは知性も理性も感情もありますが、オートボットによって製造された疑似生命で、扱いは「準道具」。命は命なので尊厳は認められているものの、あくまでも使役するために作られているので、対等ではなく。
 使い捨てにされかねないし、自分より頭の悪いオートボットもいるのに、ドローンだというだけで、手柄は自分を使役する者のものにされるし、なにかやっても「ドローンのくせに」とか言われてたら、それはもちろんヒネもスネもするわけです。
 で、現行のディセプティコンメンバーはフレンジーの有能さを認め、ドローンというよりオートボットの一員として扱っているのですが、それはそれで、「やっぱりオレは優秀なんだ」という、認められた満足感や快感のようなものからはまだ抜け出せていません。

 ボーンクラッシャー以上にクセのある個性なので、相性がいいのは、頭がよろしくない上に細かいことにこだわらないボーンクラッシャーと、皮肉も嫌みも通じないブロウル、それから、なにを言っても動じないバリケードにサウンドウェーブと、かなり曲者ぞろい。
 相性が悪いのはサイバトロンメンバー全員とブラックアウト。ものすごく両極端ですね。

【その他の世界】
 IF世界ではスラム街のようなところに暮らす孤児で情報屋。財産は拾って直したノートパソコン。ハッカーです(ハッキングに拾ったノーパソは使いませんが。ハッカーチーム所属です)。ハッキングしたり、あるいはあちこちで聞き集めた噂など、情報を売って生活してます。そのためバリケードとは面識があり、たまに彼に情報を流していたり。バリケードが差別とか偏見なしに接してくれるので(馬鹿にされるのも嫌だけど同情されたり理解されるのも嫌)、勝手に兄貴分として慕っていて、たまには自分から情報を持ってきます。ホントは少し優しくしてもらいたいのかも。……すごく報われない気がしてきたなぁ……。
 RUIN世界では登場しません。なにせ「現在」は死亡済みですし。個性としては仕事を面白がってやってる感じなので、IF世界とは大きく違います。自己顕示欲が強いところとかは同じでも、もっと陽気です。
 戦闘力といったものは存在しません。あくまでも情報収集に特化しています。分析力なども高いわけではなく、機能としてハッキング能力が高い作りになっているだけ。なので、パッチを当てられると途端に役立たずに。そのかわり、潜入能力などは高く評価されているため、常にバージョンアップされてもいます。

サウンドウェーブ

【IF世界】
 人生の大半を宇宙空間で過ごし、そこからあらゆる情報を収集、分析し記録するという役割を担ってきたため、時間の感覚が派手に狂っています。対人能力もある意味非常に低く、変なマイペース。できるだけ詳細で的確な表現をしようとするため、回りくどいとかややこしいとか言われたりも。
 感情の起伏が相当に乏しく、他人の感情にもかなり無頓着で事実のみをやりとりしようとします。そのため、仕事の面では非常に頼りにもなるし無駄がなくて便利なのですが、それ意外で付き合うと、空気を読むとか気持ちを察するなんてことは絶対にしてくれません。
 そんなわけで、あまりジタバタして物語に関わったりもしないので、出番も乏しく、設定もまだこんなところで止まってます。

 相性については問うだけ無駄。サウンドウェーブを起点に考えると、彼はどんな相手に対しても、「相手はこのことに対してこういう反応をした」という事実しか受け止めません。

【その他の世界】
 擬人化世界では……「人間」という感じがしないので、自我を持つほどの超コンピューターとかいうイメージでもありますが、それでは面白くないので、ここはスタンダードに、メガトロンの秘書ということでいかがでしょうか。有能で真面目ですが、冗談とかはさっぱり通じず、「メガトロン様、それはオヤジギャグです」とニコリともせず一刀両断するような(笑
 でもそういう設定にすると、彼もやっぱりSSに登場しなくなるんですよねぇ。というわけで、目下考え中。および面白そうなネタ募集中です。ハッカー兼シリアルキラーとかいう危険なものなら思いついていますが、それだと全然別の話に……。
 RUIN世界での登場は予定されていませんが、こちらでは、メガトロン個人にではなく、彼の求めるもの、作りだそうとしているもの、すなわち「(独裁によって生まれる)安定した世界」が自分の期待するものでもあるので協力しているだけです。メガトロンの考え方や反応がかなりの安定したものであることを確認し、エネルギー問題などに対する施策が、たとえ乱暴で他種族を圧するものだろうとも現実的で効率的であることを認め、その上で、彼の専制による統治であれば世界は今よりも安定するだろう、と。
 ちなみにそれは、「できるかぎり安定した世界というものがどんなものかをこの目で確認したい」というだけのことで、確認後にどうするかはまた別の話。メガトロンも、サウンドウェーブが自分にどんな畏怖も感じておらず彼個人の判断で動いていることには気付いているので、能力は高く評価して利用しつつも、いつか始末しようと思ってます。
 戦闘力として大したものは持ちませんが、情報戦と、電子戦では圧倒的な能力を誇ります。ただ、彼の得意とする情報戦はあくまでも「事実」に起因するものだけであり、心理的な駆け引きなどはそれほど得意でもありません。

ジェットファイア

【IF世界】
 エネルゴン・マテリアル(エネルギーへと精製できる物質)を探して宇宙を旅する探索者として、かなり名の知れた探検家であり冒険家。そして研究者であり、優れたサバイバル能力を身に付けた戦士でもあります。ちなみに研究は趣味で行っているもので、成果を出さねばならないわけでもないため、精度とか社会貢献度とかは大したことありません。探索に必要な研究は、ちゃんと専門家に任せています。ちなみにスタースクリームの探検家としての師匠。弟子でありつつ、孫のようにも思って見てます。
 伊達に長生きはしていない、おちゃめで図太いじいさんです。今はもう若いモンに任せたと、地球でものほほんと過ごしています。「ワシの若い頃は」とかつい言ってしまうこともあるものの、新しいことには今でも興味があり、若者の文化にもとりあえず挑戦くらいはしようとしてます。なので実は、街中に出にくい、大型のフライトタイプボディがちょっと邪魔。車になれたら良かったのになぁなんて思っていたりも。
 地球へは、Eマテリアルの探索の途中で漂着し、宇宙を渡るための船もないので、そのまま住みついていました。地球産のエネルギーは精製レベルも低く質が悪いため(精製するためのシステムがなかったせいもあります)、それを長期間摂取してきたことによる機能低下が生じています。

 相性がいいのは、やはり成熟した大人であり安定しているメガトロン。オプティマスはまだ若いですね。メガトロンくらいになってないと、ワシが面倒見ねばと思ったり、変な気負いが生じてしまいます。スタースクリームのことは可愛がっているし信頼もしているけれど、相性の良し悪しとはまた違う話。
 年を重ねてちっとやそっとでは動じなくなっているので、相性の悪い相手はいません。

【その他の世界】
 擬人化世界では、エベレストとかに登るような冒険家。今はもういい加減に年なのでそういう危険度が高く非常な体力を要する冒険はしてませんが、それでも世界中をバイクで一人旅とか、極端な負荷のかからない冒険は常にしています。性格はIF世界と変わりません。
 RUIN世界での登場予定はまったくなく、特に個性を変更する理由もないので、映画に出てきた彼と変わらず、あんな感じで。