現在書いてある中で生活が見えるのはブラックアウトとバリケードなので、彼等の一日を想像してみるわけです。モノガタリはその中から切り取って人前に出すものですのでも。
まず、おはようと起きるとき、そこにあるベッド。 これ、バリケードのところにあるのは大きい人用です。ここに引っ越してきた時点でもう付き合ってたということでもあります(笑)。もちろん、シーツや毛布といったものも、それぞれのサイズに合わせて存在していることでしょう。なので、ブランケット一枚では目の毒になるバリケードのためにきっと、ブラックアウトは大きい人用のを買って押し付けたことと思われます。そうすると自分が「小さい人」であることが突きつけられるのでバリケードは不機嫌でしょうが、嫌だったらちゃんと着なさい、と言われて渋々受け取る。って、デカいブランケット使うより服着て寝るのが嫌なのかおまえ。いやいや、たぶん面倒なんです。風呂からあがったらそのまま寝るから。 さて、ベッドが大きい人用ということは、たぶん……微妙に高さも高い。「大きい人」から見たら「自分と同じ種族の5才児くらい」の大きさしかない「小さい人」なので、……腰かけると足届かないとか、あるんだろうなぁ。見てるだけで萌えてるかもしれないブラックアウトさん。この人、バリケードと一日一緒にいたら、一日にいったい何度「かーわーいーいー」と思うんでしょうね。
歯ブラシとか食器類も大きい人用と小さい人用があります。タオルはどっちでも使える中間サイズで問題なさげですね。 包丁とかの調理器具も、大小ありそうです。 ご出勤、あるいはお出かけとなると、車。自家用車は確実に大小ありますね。シートとかの距離や高さを調節できたとしても、体格差が違いすぎます。5才の子供が運転しようとしてると想像すればいいのです。どうしたって手も足も不自然になります。ちなみに腕力には必然的に差があるでしょうから、ハンドルの重さもそれぞれに合わせてあるはず。 バイクとかは言うまでもないですね。大きい人用の大型バイクなんて、小さい人ではシートの位置が自分の頭より高い位置です。逆に小さい人用のバイクなんて、大きい人から見たら小型の自転車くらいに小さいのではないかと。
そういう世界ですが、道路や住宅まで大小あるというのは無理。なので道路などはすべて、大型の人用に合わせてあるはずです。稀に専用道路とか専用住宅もあるでしょうが、小さい人の専用道路・住宅って、大きい人がまったく使えないので、大きい人にとっては存在しないも同然の道路であり、「そこに住んでたら俺遊びに行けないじゃん」。なので、住宅は小さい人専用ってのはほとんどないはず。 とすると、小さい人にとっては広い部屋も、大きい人には少し狭く感じられたりもするし、アパートの場合、広さと借りる人のサイズによってお金の問題も変化しそうです。大きい人が狭い部屋に住むのは苦痛だとしたら、小さい人が大きい部屋を借りる場合、優先的に契約したがってる大きい人がいないかがチェックされたり、あるいは少し高くなったりするのかもしれません。一度契約してしまえば、「大きい人が入りたがってるから」と追い出されたりはしませんけど。
個人の住宅は、いいでしょう。その人のサイズに合わせて家具も揃えますから。 でも外食の場合、テーブルや椅子はどうなっているのか? まさか、人間世界のお子様用椅子みたいなのが?(笑 いちいちメンバーを見て、高低差のあるテーブルへ、とかやってたらまともに経営できませんし、とするとやはり、高さを補う仕掛けがあるはずです。油圧式の椅子みたいな感じで、大きい人は下げるし、小さい人は上げる。そんなふうに調整しているのではないでしょうか。 髪を切りたいと思ったら美容院、理容店へ行きますが、体格に差がある美容師・理容師さんだと少し大変かもしれません。もちろんそれほど問題はありませんけど、たとえば、大きい理容師さんしかいないところへ、小さい種族の小さい子供がきたりしたら? これはさすがに、相当に難しそうです。とすると、やはりどこの店も最低一人ずつは大小入れてるんじゃないかと思えます。
そういえば、この世界の食物のサイズってどうなんでしょうね。たぶん人間世界と同じで、「少し大きい」「少し小さい」と思われている程度でしょう。 むしろ問題は、経済面です。 大きい人はたくさん食べるし、小さい人は小食です。もちろん大食いだとかいった個人差はありますが、体格からしてどうしても差はあると思われます。 とすると、大きい人のほうがエンゲル係数が高くなってしまいますね。食費だけでなく、シャンプーとか、洗剤とか、そういったものもやや多く消費するはず。 しかしそれでは不公平なので、たぶん、税金とか給与とかにも差があるんじゃないかと予想されます。それか、他のもろもろで大きい人のほうが得してることがあるなら、その差も考えて「全体では差がないので、個別に金額差は設けません」というのもあるかも。
そしてここで、こんなことを書こうと思ったキーポイントに至ります。 それは、トイレ。 トイレです。 どうなってると思いますか? まず、大きい人と小さい人で教養できる範囲ってものはあります。でもそうすると、大きい人にとってはいささか小さいものを使うことになるし、小さい人には、仕えてもどうにも幅が広くて、あるいは高さがあって使いづらい。そういうことになりますね。 では、専用になってるのか。 これは、専用になってるんじゃないかと思うのです。 じゃあ、男女と大小で4種類? ではありません。 大小だけではないかと思われます。 何故かと言えば、この世界では性別は恋愛や繁殖に関係がない、ということは、性的な羞恥心が性別の中には存在しないからです。男女に分けたところで、同性を恋愛対象にする人も当たり前にいる世界では意味がないのではないかと。 ただ、覗きや悪戯防止のため、セキュリティというか、個室の密閉度は確実に人間世界よりも高く、それに応じて衛生のための仕組みもより高度になっていると予想されます。
おなか壊したりしたら病院へ行くしかないですね。 医療器具は大小あると思われますし、医療従事者は小さい人のほうが多いと思われます。比較的、の話ですけど。小さい人のほうが「より大きく見ることができる」ので、こまかい作業もしやすいんじゃないでしょうか。 とはいえ大した差ではないので、大きい人でも優れた医師はいます。 逆に、腕力を要する仕事は圧倒的に大きい人の確率が高いでしょう。運送屋とか。土建だと図面なんかもあるので一概に言えませんが、現場は大きい人のほうが比較的多いんじゃないでしょうか。 帰りはタクシーにしようとしたら、これもちょっと問題。大きい人の車に小さい人が乗るのはともかく、逆はけっこうキツいんじゃないかと思うのですね。すると、小さい人は大小どっちのタクシーもつかまえられるけど、大きい人は小さいのには乗りにくい……乗れないことはなくても、急ぎでないなら見送ることになってしまうのでは? だって、小さい人から見た大きい人って、どう見えているかというと、私たちの世界で170cmある人が、270cmある人を見てるようなものなんです。270cmもある人が、普通の車に……乗れてもかなり苦しい。それでもなんとか乗ることはできるので、もし街でそういうのを見かけたら「あの人遅刻しかけてるのかな」とか思われますね(笑
別に朝でもいいのですが、着替え、つまり服。 これは当然ながら大小ありますが、フィットしなくてもいいなら、小さい人が大きい人のを着ることはできます。逆は無理ですね。 ―――ブカブカのシャツ一枚、なんて姿に萌えるなら、ブラットさんのシャツ羽織ってぼけーっとしてるバリケートさんでも想像してください。あ、バリケードは着ませんね、そんなわざわざ大きい人の服。でもなにかあって羽織ることになったら……不機嫌だろうなぁ。 たとえば、犯人を追って川に突き落とされたとか、そういう事情で上着を借りることがあるとして、ブラックアウトがバリケードのは絶対に借りられないと、ぬれ鼠か……。
バスルームは、完全に個人宅であればそれぞれに応じて作られるでしょうが、アパートだと、中間サイズが一般的でしょう。大きい人には少し手狭なワンルームアパートのユニットバスみたいな感じでも、小さい人にはくつろげるし少し深くもある。そんな感じで。 ただ、バスタブとか洗い場のスペースはいろいろあって、物件探しにはそこも重要なポイントになっていると思われます。小さい人は「広いのが嫌」というのでないならけっこう選択肢ありますが、大きい人の場合は「狭いのは嫌」というのがけっこうあるかもですね。 ちなみにバリケードさん宅は、元が貸事務所なのでバスルームは後付けです。なので大きい人がちゃんと入れるサイズです。どうでもいいですか、そうですか、そうですね。
寝る前に音楽でも、と思うと、ステレオはともかく、もしヘッドホンにしたら。 これは―――大小あると思います。イヤホンは耳の大きさがけっこう違うので、パーツで補うにしてもけっこう難しそう。それくらいなら単純に、大きめ小さめあればいいわけで。骨伝導タイプのものとか、私は使ったことないのでどれくらいの音で聞こえるのか知りませんが、これがもし非常にいいものなら、この世界では骨伝導が一気にシェアを広げた可能性もあります。 |