年齢順にいってみましょー。
・ジェットファイア 彼はネイティブ、「その他大勢」「群衆の一人」として生まれ、当代屈指の探検家として知られるようになりました。ネイティブだからってやさぐれんな、という希望の星です。 知的好奇心、行動力といった性質がどんどん強くなって、そのために必要な能力として、他のいろんなスキルも磨いていったんでしょうね。特に苦手なことのない有能な人です。ただ、基本的に短気で落ち着きがなく、危険に鈍感。そういった意味では、高い危機管理能力を求められるリーダーには不向きです。彼はそのことを自覚していたので、自分の右腕として常に、冷静で警戒心の強いメンバーを入れていました。 あとは、好奇心旺盛に30万年も生きれば、いろんなことを知り、体験し、会得するのも自然な流れということです。 なお、ジェットファイアは地球で過ごした時間、粗悪なエネルギーを摂取していたため、ボディの金属結合が弱くなっています。老化が促進されてしまった感じ。そのため、彼はどう長くてもあと十万年もつかどうか。それで大往生です。よって、十数万年後の未来の世界には、もう存在していません。たぶん最期は冒険に出てるんだろうなぁと思ってます。
・メガトロン SSのあとがきにちらりと書いたとおりに設定することにしました。プライムだけに頼らずに星を繁栄させることはできないか、と考えたセンチネルたちによって願われ、生み出された至高のインセンツです。プライムにも劣らない者を、と願われているので超万能。いっそプライムとして作れば良かったのに、と言われても、オールスパークにはオールスパークの考え(?)があるようです。 ハイアー・インセンツはリトル・イノセンツと違い、『「成長途中で獲得すればいい」として与えられないもの』がありません。最初から必要なすべてを与えられます。よって、できないことはないというタイプですが、あらゆる面で異常なまでに能力が高くなったため、傲慢になるのは避けられませんでした。(リーダーになるだけなら、別に戦闘能力などは低くても良かったのに、オールスパークは全能力が高い者を作ったようです) センチネルが教育・指導に専心したのは、彼がこの計画の責任者だからでもあります。それに、自分が望んで生まれてきた存在なので、やはりどこかで「我が子」のように感じたのもあるのかもしれません。 その甲斐あって、若いオプティマスの立場がないほど(ぉぃ)良きリーダーになりました。 十数万年の未来において、最高齢と言われているメガトロンがそれほどじじくさくないのは、彼がイノセンツだからです。30万年以上生きて、地球にいた頃のジェットじぃじと同じくらいになっていますが、彼にはまだそこから20万年以上の未来があるのです。「じいさん」と言われていますけど、見た目はまだ50代くらいなのに、ただ実年齢を聞いて、「うわ、じいさんじゃねぇか」と思われている感じ? というか、スタースクリームはサクシーズなので30万年くらいしか生きられないなら、実は先に寿命が来るのはスタスクのほうだったり……。ブラックアウトらはネイティブなので、もう少し(10万年が少しかどうかはさておき)長く生きますが、それでもたぶん、彼等のほうが先。そう考えると激しく切ないなぁ……。
・ラチェット この時期になぜあえて「医師」を必要とし、生み出したのかに特別な理由はありません。たまたまそのとき、その願いを立てた者たちの周辺に医師・技師がおらず、不自由していたからです。オールスパークがその依頼に応えるとき、「田舎の寒村だから」とかは考え(?)ません。求められたとおり、医師として最高の能力者を送り出します。 が、そのためにかえって、「そんな優秀な医者ならもっと多くの患者がいる場所に来い」といきなり配置換え。実はこれがラチェットの屈託になり、本人は忘れているようですが、心の底に残っています。「救う命に差はない、多いも少ないもない」と。なので実は威張りかえった権力者が大嫌い。彼等の勝手な意見に反論するために、そして、「より多くを救うほうが正しいのか」という疑問に答えを出すために、名うての論客になったのでもあります。 冷静で論理的、記憶力、観察力が高く、客観的。その代わり、相手の心情に深く寄り添うこととかは苦手ですし、「遊び」を楽しむことをどうしても無駄と思ってしまったりするのが、彼の欠点、低いステータスです。 医師に必要な能力は、他のことにも役立つのが彼の幸いだったところです。知性を要されるような仕事ならたいがいそつなくこなしてしまいます。逆に、センスとか芸術性を求められるとアウト。曖昧なものとか、個々で良し悪しが異なってしまうものとかには対応できません。 ボディの損傷ならネイティブやイノセンツの医者ではどう足掻いても治せないようなものを治せても、メンタル・ケアができないのもラチェットの特徴です。自分が、「すべき」とか「こうあるべき」に従い、明快な論理性に基づいて行動しているため、相手にもそれを求めてしまいがち。そしてこの性格は、優秀な医師であるために必要な要素であり、妥協はさせられても、変化させることが困難です。 彼も、十数万年先には、残念ながら寿命を遂げています。ラチェットの場合は、たくさんの弟子、若き医師を育てることに晩年を費やしたと思われます。
・サウンドウェーブ かなり特殊な「生まれ」のIF音波さん。情報処理特化のアドバンサーだと思われそうですが、実はプライムを親とするサクシーズです。しかし能力は確かに、最初から情報集積に特化しています。 親プライムも、感情によらない冷たい(超客観的・論理的な)考え方をするタイプでした。生まれて間もないころはそのプライムに師事して過ごしましたが、ほとんどすぐに軍に派遣され、情報管理局で働き始めます。能力は異常に高くても部下の指揮には向かない性格なので、情報の収集と管理そのものを任されることになりました。 彼もまたメガトロン並のエリートですが、メガ様のような汎用性は持ちません。 ちなみに彼が年齢よりもかなり若いイメージなのは、親がプライムだからです。サクシーズの寿命が30万年程度というのは、イノセンツが親の場合であって、実はプライムが親であるサウンドウェーブの場合、もっと長命です。(コアの強度が高いため) ただ、親がプライムだからサウンドウェーブにプライムの性質があるかと言えば、完全にノーです。 なお、何故サウンドウェーブがプライムから生まれたのかにも設定はありますが、そこはヒ・ミ・ツ★ ところで、サウンドウェーブ最初、感情の乏しい天然気味の変な人設定でした。しかしなんとなく、実はそれは、職務のためにすべてフィルターしているだけで、実はかなり怖い人、ということになりました。怒らせちゃダメだよ、絶対にドSだから。
・アイアンハイド・ボーンクラッシャー・ブラックアウト・デバステーター 「生まれ」に合わせて語るので、彼等は一括で。 それぞれにほとんど同時期に生み出された兄弟みたいなものです。その中で、初期に配属された場所、教育担当になった者、受けさせられた訓練によって性格が大きく分岐し、能力にも差が生まれました。 デバステーター以外の三人は「彼等によく似た指導教官に育てられた」と思ってください。アイアンハイドはちょっと不器用で乱暴なところもあり、すぐに怒ったり手が出たりするけれど、部下の面倒は最低限見るタイプの人に出会い、ボーンは脳筋……いやいや、あまり人の気持ちを考えず自己中心的なタイプに当たりました。ブラックアウトは優しい教官に当たりましたが、決断力の乏しさやここぞというときの弱気にも影響されました。 ただ、彼等の持つ変化の可能性は他の「生まれ」よりも圧倒的に高いため、なにか大きな出来事があれば、年齢に関わらず、大きく変化する可能性があります。 アイアンハイドは元々は一匹狼で実力主義(能力の低い者を役に立たないと断ずるような意味での)なところがありましたが、途中からオプティマスの護衛としてサイバトロン(政府)に出向し、異端者として居辛い思いをし、それを和らげてくれた存在に出会い、義理堅く律儀な性格に。 ボーンは、教官が自己中心的すぎて、反面教師にした節があります。基本的に自分勝手なところは変わりませんが、困っている者を見るとつい面倒を見てしまうように。それが空回りしたり余計なお世話なのはご愛嬌。 ブラックアウトは救護部隊に配属されて、助けられないつらさから、心身ともに強くなりたいと望み、「助けたい」という思いゆえに、頑として譲らないような頑固さも身につけました。 それぞれに、教官にはなかった個性を獲得しています。 デバステーターは可哀想な子で、生まれた直後からしばらく、事故で外界から隔絶されてしまいました。サルベージされたときには「なにも起こらない、なにもしない」で長く過ごしていたため、ほとんどすべての機能が「必要ないもの」として縮小された後。そのため、いろんなことを受容するのが難しくなってしまったのです。 ですが彼も、見捨てずに面倒を見てくれる仲間に囲まれて、少しずつですがちゃんと成長しています。なにもできない自分とずっと一緒にいてくれるみんなの役に立ちたい、という思いが、いまのデバたんの一番強い願いです。可愛い子なんだよ、出番少ないけど orz
・スタースクリーム 作者の設定の中では、イノセンツが生み出したサクシーズ、ということが決まっていますが、スタスク本人はその親を知りません。サクシーズの場合、生まれたときには親がそこにいるのが当たり前なのに、何故か彼は誰にも会いませんでした。 自分を生み出した存在がいることはスパークが知っているのに、いるはずのその人がそこにいない。しかも子供で生まれているので生活能力がなく、集合養育施設に収容されています。 「親」が何故いなくなったのか。それを知りたいという思いと、探したいという思い、そして、生まれたのを見たらいらなくなって置いていったんじゃ……という猛烈な不安が、スタスクの根底にあります。 そのため「探しもの」名人のジェットファイアの船に潜り込みました。ジェットじぃが自分の家族になってくれたことでだいぶ落ち着きましたが、以後も、「自分の存在を認めてもらうこと」「必要としてもらうこと」が彼の行動の底にあります。能力の誇示などもこのためです。 そういう不安から解放されるほどに、「人を恋う」気持ちの強さだけが残って、イノセンツ譲りの能力の高さもあり、情の深い、優秀な指揮官になっていく、わけです。 将来的にはメガトロン以上の人望と能力を発揮する設定なのは、メガトロンよりもいろんな種類の挫折や苦しみ、弱さ、ままならなさを味わってきたからです。あと、落ち着き払ってしまったメガ様に比べて、たまに感情的になったりうっかりするところがかえって親しみやすいんでしょう(笑 あとはやっぱり、能力がメガ様みたいにバカ高くないがゆえに、「人に頼る」ことをうまくやってのけますね。それは旅の中で何度も助けられ、支えられてきたと自覚しているからこそでもあります。 弱く劣っているからこそ、より強く優れることもできる、というのはネイティブの可能性にも少し通じているかも。 ちなみに、スタスクの親が何故いなくなったのかも設定されていますが、それもまた裏設定……というか、「スタスクが知ることはない」という設定なので、伏せられたままになると思われます。知りたければ、オールスパークにでも聞いてください(謎
・オプティマス SS中では、メガ様の有能さの影に隠れて、ちっともプライムらしい威厳のないオプティマス。ゴメンヨ。でもメガ様よりずっと若いし、仕方ないのです。しかも100万年以上生きるプライムなので、成長速度が遅いのです。 年長者ばかりになったプライムの中に、そろそろ新しいプライムを、と待望されて生まれましたが、安定期に生み出され、性質がセンチネルのような優しく穏やかなタイプだったがために、「ゆっくり育てよう」と、プライムであることを知らされないまま、市井で育てられていました。 それが災いして、フォールン襲撃によっていきなり、たった一人のプライムになるしかなくなった可哀想な子です。 ポテンシャル的には、歴代プライムよりも確実に高いのですが、十分なプライム教育を受けられなかったため、これまでのプライムとはまったく違う発展の仕方をしています。 なお、プライムはオールスパークのデータをダウンロードされますが、それらすべてにいつでもアクセスできるわけではありません。個人の記憶領域にインストールするには膨大すぎるデータなので、超圧縮状態、曖昧模糊としたデータのモヤ状態なのです。それにアクセスするためには、キー、手掛かりのようなものが必要で、本当なら他のプライムから少しずつ、その方法を教わるはずでした。それができずに苦労し、なんとか自分でアクセスしようと努力していたこともあります。 プライムにしかできないことも多々あるのですが、オプティマスはそれすらもすべては知りません。がんばれ!
・バリケード SS中にいろいろ出てきているので、今更ここで語る必要もないような気がしますが、一応。 フォールンがセイバートロンを襲撃した際、圧倒的な破壊を前にしてパニックになった者たちの多くが「助けて」とか「守って」ではなく、「あいつらを消し去って」と願い、初めて生まれてきたタイプの凶悪な戦闘兵です。彼等は敵を破壊することを最優先にします。誰かを助けるという発想はなく、今後の戦局に有利に働くのであれば利用するために確保するけれど、不要と判断したら平気で無視します。というか、我が身を守るために女子供だろうと盾にすることさえ……。 同時期に生まれた大半は、フォールンとの戦争が終わって少しした時点で停止し、その後も百年ほどのごく短い間でどんどん数を減らしました。もう必要ない、というより、こんな危険な存在はいらない、と思われて急速に消えていったのです。 残った数人がそういった「特異な生まれ」であることを知って心を痛めたメガトロンが、戦う理由を常に与えておけば消えずに済むと考えて、自分の直轄に招聘しました。長く生きていれば、たとえアドバンサーでも変化はできるかもしれない、と軍に在籍させたのです。で、基本的にはとても優しいメガトロンが、あえて彼等だけは常に戦闘のあるところへ送り出していたのも、このためです。で、生き残ったのはバリケードだけ。他の何人かは戦闘中に死亡しています。 SS中にあるとおり、破壊するためだけに存在するわけではない、と呪縛からは解き放たれますが、それでも平和には馴染めず、常にイライラしがちで最前線な性格は変わりません。 個体としての戦闘能力の高さは群を抜いており、手段を問わずに殺しあったらメガトロンでもかなり危ない相手。戦術とか戦略といったもので勝てはしますが、少しでもためらったりしたらそこでアウトでしょうね。それが特化型であるアドバンサーです。
・サイドスワイプ フォールンの襲撃によって大激減した人口の増強のために生まれたネイティブたちの一人です。サイドスワイプは、軍部の指導によって政府が組織した警備部隊に配属されました。(政府の機関ですが、軍部から派遣された者が最高責任者、という変わった体制です) 職務に忠実で淡々とした性格は、所属部隊の指揮官譲り。比較的自由な雰囲気、実力主義で個性重視のディセプティコンに比べて、サイバトロン側はお固い人……形式とか規律にうるさい人が多いので……。 アイアンハイドは銃火器のトレーニングコーチとして、彼等の指導に当たりました。そこで、能力は非常に高いのに杓子定規な判断しかできないサイドスワイプたちを見て、「それじゃあ実戦の中では生き残れないぞ」と言っていました。 星の崩壊の直接的な原因となった外宇宙からの侵略種族との戦争で、柔軟な判断のできない兵士はほとんど死に、サイドスワイプはアイアンハイドに助けられて生き延びます。それ以来、恩人として、戦闘スキルの師として、尊敬し師事しています。 変化の可能性は高いのですが、本人のもともとの性分……成分が真面目で堅物だったのか、白か黒のきっぱりした結論を求めるところや、短絡的な結論(壊せばいい、とか)に走りがちなところはアイアンハイドから影響されましたが、相変わらず真面目で堅物です。まあ、アイたんも真面目で律儀ですからね。すべきことはちゃんとすべき、すべきでないことはすべきでない、という感じです。
・ジャズ・バンブルビー オプティマスの従者候補として生まれたリトル・イノセンツたちの中で、能力の高さから実際に近習に選ばれた子供たち。他の子もそれぞれに、未来の高官候補として相応の人物に師事させられています。……まあ、全員今頃どうしているのか。生きているのか、死んでしまったのか、それすらも不明ですが。 束の間ですが平和な時代に生まれて、悲惨な出来事はコリゴリだ、という気持ちもあって、子供らしい無邪気さをそのまま許されて子供らしく育てられたので、同年代でも大人として生まれたバリケード・サイドスワイプより圧倒的に子供です。しかもイノセンツなので寿命が長く、ますます子供っぽさに拍車がかかってます。 ジャズは思考力、分析力、理解力といった知性ステータスを望まれて生まれたタイプ。なので最初からそれらの能力が高く、実務面でのサポートにするのにいいと思われ、教育もそれ寄りに行われました。騒々しいのは、性格です(笑)。あと、できたことを褒められて喜び、調子にのってもっとやって褒められて喜び、という育てられ方なので、とにかくアピールするのが好きな性分に。それで、能力の高さゆえになにをやってもそれなりにこなしてきたため、挫折の影がチラつくと弱いのです。 バンブルビーは共感能力、傾聴力といった、人と人とのつながり、和、あるいは絆をつなぐ者……ぶっちゃけ、オプティマスの癒しとして生まれています。無邪気で素直、人見知りしない甘えっ子で、いつもにこにこ笑ってそこにいるような感じ。しゃべれたときにはいろいろと一所懸命お話ししていました。宇宙の旅の途中で立ち寄った星の原生生物に襲われ、喉を負傷。瀕死の重傷だったことと、にも関わらずすぐに治療ができなかったことで自己修復機能が十分に働かず、しかも死の恐怖もあって、今もしゃべることがほとんどできません。彼にとって、喉を意識することは殺されかけた恐怖を思い出すことなのです。損傷そのものは、さすがにもう治っているのですが……。 |