The Lost Code of TAROT

パッケージデザイン【デッキ概要】

ウェイト版準拠 ☆☆☆☆☆
8、11

正義、力

汎用性 ☆☆☆☆☆
サイズ 12cm x 6.6cm
紙質 良い

 Andrea Asteさんというアーティストのイラストで送る不思議なタロット。マルチメディア展開ということで、このタロットが出てくるショートフィルムみたいなものも作られてたんじゃなかったっけ? このへんあまり理解していないのですが、このデッキに付属している「The Book of Shadows」(ガイドブックではない)も含めて、「謎を秘めた不思議ななにか」が発見されたぞ、みたいな……。
 まあそんな背景はさておき、私がこれを買ったのは、その摩訶不思議な雰囲気に惹かれたからです。
 マルセイユ系ベースなのは確かですが、その絵柄の独自性ともども、"新しい"ものだと思います。その代わり、占いに使おうとすると既存の概念や解釈には頼れないため、独自の馴染み方が必要にはなるでしょう。
 頑丈な外箱入りの「影の本」つきで、紙質は良く、大きさも手頃です。


大アルカナ・裏面 小アルカナ

【カード紹介】

 描かれているものがどうの、とか言っても仕方のない、摩訶不思議な世界観。
 ベースにあるのがマルセイユ版であることは、大アルカナを見ていただければ分かると思います。
 これらのイラストはダ・ヴィンチの草稿とかヴォイニッチ手稿なんかのイラストを参考にしてるとかで……そりゃ摩訶不思議なわけだw と納得。
 どこかコミカルでもあり、繊細でもあり……。
 それにしてもペインクル(コイン)は、尾を加えた蛇型ドラゴンで、最初に見たときは「えーって……このスートはなんだ??」になりましたw


ややファンタジー的な印象

【その他のカード】

 塔、ワンドのキング、ペンタクルのペイジ、そしておまけカード2枚のうちの1枚です。
 実際解説のしづらいデッキなのは、「見れば分かるよね?」だから。その魅力というか不思議さは、イラストそのものがこれでもかというほど発散していて、「ここに描かれているこれが……」とかいうこまかい部分を後回しにしてくれます。
 ただ、このデッキで一番困るのは、個人的にはペイジとキングの見分けが非常につきにくいこと!! せめてキングが座っていてくれればよかったのですが全員立っていて、ペイジにも髭があるし、この絵柄では若いかどうかもよく分からないし……。
 確実な手がかりは、カードに書かれた文字みたいなシンボルです。これが2つならペイジ(◯に+みたいなのがペイジのマーク)、3つあったらキングです。
 おまけカードは一番最初と最後に一枚ずつついていて、ここに出しているのは最後のほう。なにか意味があるのかどうかは……「影の本」を細部まで読んだらなにか手がかりらしきことでも書かれているのかもしれませんが、さすがに英語かつ謎の本とあっては……。

 ちなみに「影の本」は、架空の考古学者であるアボット博士による、古代の本とタロットカードの発見がどうとかこうとかです。彼があれこれ研究して書いたのが「影の本」なのかな。中身は余談に一部画像を出しておきますが、研究みたいな部分もあれば、スプレッドが載っているところもあって、全部きっちり読んだらすごく面白そうなのですが……えいごりょく……ぷりーず……(´・ω・`)

 ちなみにこれ、ボックス入りの豪華版は限定品だそうですが、今でも普通に5000円くらいであちこちに置いてあります。
 とはいえ、いつなくなってもおかしくはないので、この絵が気に入ったら、お早めにどうぞ。


 【烏のザレゴト】 ★★★★☆

 まあこの絵ですよね。こういうシュールでコミカルな絵が好きなので、実用性とかどうでもいい感じです。しかも、この出付きと本自体が、「こんなものが発見されたぜ!!」というフィクションでもあります。下手の横好きのモノカキとはいえ、物語ることが好きな私にとっては、そういう遊びはとても魅力的。
 カードとしては古びたもののような彩色ですが、物としては極めて頑丈で上質、保管にも向いているので、コレクターとしては大変ありがたいですね。
 発売は2年前(2016年)で、それを今更(2018年)出すのもどうなんだって感じです。なので「ああこれなら知ってる」というタロットファンのかたも少なくないと思います^^;

本の中身

 ちなみにこちらがほんの中身1ヶ所です。
 大きなイラストのある部分に、家系図みたいなのが書かれているところ、それからスプレッドっぽいもの。
 しかし決して、「タロットデッキの解説書」ではありません。スプレッドを使ってみるのは面白そうですけど、カードの解説とかいったものは一切なし! この本はあくまでも、この不思議なデッキを発見した、アボット博士の研究ノートなのです。