「大変だったんだなあ」 この一言と、 「それでもやり通したんだなあ」 この一言に尽きました。 正直、楽しい裏話ではなく苦労話がメインの本だと思います。
裏側を覗いてみれば、諍いもあったし不満もあった。それは、CDやバンドを「商品」として売る側と、「作品」として作る側との軋轢であることもあるし、構成員同士のちょっとした不満が積もり積もってしまったこともあった。 私が思うのは、本当に上の二つです。 そしてまた、人と人とが関わり合って一つのものを作り上げ、世間へと出していくという行為の難しさをあらためて思いました。 何人もの人が集まって、一つのものを作っていく。 しかも、本気でいいものを作ろうとして作っていく。 それがどんなに大変で、どんなに衝突するか。 人ってのはほんとにいろんな考え方があって、しかもそれらがそれぞれに正解であることもあって、……つまりは状況に応じたベストはあってもそれをうまく見つけ出して選ぶことがどんなに難しいか。
一ファンとして、勇気づけられます。 ちょっとしたトラブルでがたがた言うなんて、おまえただ甘えてるだけだろと自分に言える。本気で乗り越えようとしたらできるだろと言える。
悩んだり間違ったり我が儘になったり慢心したり倦怠期になったり、自分たちじゃどうしようもない大きな渦の中でどん底まで落ちたり。別にそれって当たり前なことなんだよねと安心もできる。要は、それでやめたり投げ出してしまうのか、それでもなんとか立ち直ったり這い上がったりしてやり遂げるのか。 完璧なものなんかなくて、だから間違いもトラブルも衝突も当たり前のことで、それでもやり通したことが凄い。 パワーをもらえます。 |