偶然、貴方が私の言葉を見つけた。
偶然、その夜貴方には時間があった。
偶然、指定されたその場所へ行ってみようという気になった。
偶然、定員にはまだ間があった。

いくつもの偶然が味方して、出会えた。
その一日を楽しくすごせたことで、次の日の約束をしたけれど、そこで数回会って、終わりになる可能性だって小さくはなかった。
それが、毎日のように会うようになって、あの場所で貴方が見つからないと、物足りないようにさえ思うようになって。

けれど刺激を介していた楽しみは、その刺激に飽きることでつまらなくなり、いつしかお互い、そう頻繁に会うことはなくなった。
けれど、そこでも終わりにはならなかった。
それはたぶん、貴方と私に共通している物事のせいなのだろうけれど、そこに用意されていた刺激だけが、貴方との楽しみの全てではなかったことの証。

そして今は、楽しみだけではなく、苦しみも、共有していきたいと思う。

私のものはいいから、貴方が一人悩むようなことがあれば、その重荷のために肩を貸してあげたい、と。
もちろん、そんな重荷そのものが存在しないことが、なによりなのだけれど。