突然このようにあらたまったお手紙を差し上げてしまい、貴方が驚かれないかが心配です。
 けれど、「特別に伝えたいこと」を伝えるには、やはり、いつもと同じやり方ではなく、少しでも「特別」にしたいと思い、このようなものになりました。

 きっと、お仕事に日々の楽しみに、お忙しいことでしょうから、回りくどい書き方はやめて、結論から先に書いてしまいます。それ以降のことは、読む必要がないと思ったら、そのまま捨ててくださっても構いません。

 私はどうやら、貴方のことが本当に、特別に好きになってしまったみたいです。

 出会った時から、貴方の話はとても楽しくて心地好くて、友達になりたい、という意味ではすぐに好きになりました。
 私の他愛ない戯れ言もちゃんと聞いてきれて、明るく答えてくれて、大袈裟ですが、貴方にどれくらい癒されてきたことでしょう。
 私はあまり楽天的でもありませんが、深刻に長々と塞ぎこむほど鬱症でもなく、貴方が私の言葉に笑って応えてくれることで、本当に心から、ほっとしてきました。ほっとする、というのは大したことではありませんけど、そういう時がないことには息苦しいものですよね。
 嫌なことがあった日でも、貴方に会うとなればとても楽しみで、話している間は嫌なことのことは思い出しもせず、時折真面目に語り合うこともありましたし、ものすごく有意義(固いですが)でした。
 それから、他の人には言うつもりはないけれど、と私に教えてくれたこと。貴方の、どんなに小さくても、「その中の一つ」でも、ほんの少しでも特別になれたようで、とても嬉しかった。

 私にとって心地好い人だから好き。これは誰だって当然で、これは特別ではないと思います。
 特別なのは、貴方が少し悩んでいると知った時、仕事中や趣味の合間、ふとそのことを思い出して心配になってしまう、ということで……。
 貴方に会える時が楽しみで仕方ないこと、会っていない時にも貴方のことを考えてしまうこと。
 たぶん、これが「特別」なんだろうと自信が持てたので、拙いうえに古臭い方法ですが、お伝えしたいと思いました。
 けれど、知ってくれるだけでいいと、今は思っています。恋人になってくれることなんかなくても、これからもずっと、これまでのように会うことができたら、貴方にとって心地好い隣人でいられたら、それがなによりです。