烏のお気に入り

私の好きな茶葉を気侭に紹介するコーナー

トワイニング:アールグレイ(TWINING,EARL GREY)
 案外、アールグレイはミルクティにしてもいけたりします。もともとがかなり強烈で個性的な香と味なので、ミルク負けしません。
 これは最もお手軽に手に入るアールグレイでもあると思います。……あ、アールグレイっちゅーのは、ベルガモットの香をつけたフレーバーティー。けっこう好みの分かれる紅茶です。
 これのおすすめは、砂糖もたっぷり入れてブランデーも一滴ほどたらした、心身ともにほっとあたたまる一杯。セイロン風に煮出してつくるのですが、かなり牛乳多めで。ブランデーは、完全にできあがってカップに入れてから、仕上げに入れます。


トワイニング:レディグレイ(TWINING,LADY GREY)

 同じくトワイニングから。
 アールグレイをベースに、オレンジやレモンの果皮、矢車草などを加えたもので、さわやかな香がとてもいい気分にしてくれます。しかも、アールグレイの特徴である独特のベルガモット臭と苦味がおさえられ、かなり一般向けに。
 濃い目につくると渋みが強くなるので、香をメインに楽しむ気持ちで、あっさりとストレートでいただくのがおすすめ。夏にはアイスティにもぴったり。
 真っ青な箱入りで、ティーバッグとリーフとが、私の部屋には常備されています。お手軽かつ安価で飲みやすいと、かなりお気に入り。


レピシエ・テイエ:ウバハイランド(L'EPICIER THEIER,UVA HIGHLANDS)

 ミルクティー用にベスト。うちにあるのはセイロン産、BOP。くっきりとした香と「ああ、紅茶!」というはっきりした味の、とてもスタンダードな茶葉かと思います。しかしストレートで飲むにはややパンチが強いので、私はミルクティ用として愛飲しています。
 ただ、煮出して作るセイロン風だと味が濃くなりすぎるので、もっぱら、普通にミルクを入れるタイプのミルクティ用。


アーサー・ブルック:ダージリン&ウバ(ARTHUR BROOKE,DARJELING.UVA)

 スタンダードなものを求めるならば、このメーカーで探すといいかと思います。あれこれややこしい名前をつけず、率直に「ダージリン」だの「ウバ」だのと名乗ってくれるので、とても買い求めやすいのです。
 どちらも癖のない「ああ、ダージリン」とか「おお、ウバ」な感じで、それぞれのTPOに合わせて使えます。
 なお、ここでは一気に二つ紹介しているだけで「ダージリン&ウバ」という缶があるわけではありません。


フォション:アップルティ(FAUCHON,APPLE)

 安くてメジャーで入れやすいという、三拍子揃った初心者向けフレーバーティ。缶を開けるとリンゴの香が漂い、それだけでなんだか洗練された気分? 濃い目に入れてしまってもあまり渋みがないので、失敗を気にせずに楽しめます。
 慣れてくるとアップル風味を充分に引き出すこともでき、上達具合も如実に分かるすぐれもの。
 オススメは甘めに作るアイスティ。甘味がクリームダウンをおさえ、香を引き立ててもくれます。


フォートナム&メイソン:ロイヤルプレンド(FORTNUM-MASON,ROYAL BLEND)

 ストレートでもミルクでも、どちらでもいけてしまいます。しかし若干濃い目なので、どちらかといえばミルクティ向き。
 紅茶らしい紅茶の味を簡単に引き出せるので、慣れない人はこれを、気持ち薄め(茶葉少なめ)・早め(蒸らし時間短め)で淹れてみてはどうでしょう。少しずつ適切な分量と時間に調節していけば、自然と、美味しい紅茶を淹れるコツみたいなのが分かるかも。
 このブランドのものは大きな百貨店やスーパーならば取り扱っていることも多いので、探しやすいのも特徴。


メルローズ:ロイヤルミルクティ(MELROSE'S,ROYAL MILK)

 陶器の入れ物に入ってることもある、変わったメーカーの一つ。
 名前どおり、これはミルクティ専用といっていい茶葉で、そのためにプレンドされています。これがまあ、まろやかでコクがあって……と評論家みたいな言い方しかできませんが、「ミルクチー!」って感じでとてもイケてます。
 普通にミルクを加えるミルクティー
向けかと。煮出すと味が大雑把かつ豪快になってしまう気がします。……どんなんやと思った方はお試しあれ。同じ感想を持つとは限りませんが。


日東:お徳用ティーバッグ

 どこのスーパーでも置いてそうなこれ。リプトンと並んで、日本の大衆の間ではもっとも有名な紅茶ですが、「なーんだ」とバカにしたもんでもありません。
 これ、いくつもの紅茶を自分で淹れて、その味をああだこうだとやった後だと分かるんですが、テケトーに入れてもなんとか紅茶の味を出してくれるという、はてしなく日本人向けの一流品なのです。
 これを、セオリーにのっとって丁寧に淹れてみてください。できれば、冷たいカップに適当に放り込んで適当に放置したものと飲み比べてみてください。「ティーバッグも淹れ方一つでずいぶん変わる」ことが実感できると思います。……実感できなかったら、紅茶の味には鈍感な人だということなので、諦めましょう。
 オフィスなんかでは茶葉から淹れる手間がかけられないかもしれませんし、大量に消費されて経費がかさむということもあるので、真面目にこれをおすすめします。カップをあたためること、蓋をして蒸らすことさえ忘れなければ、かなりマシになります。
 お客様にお出しするような場合でも、小さめのクリーマー(雑貨店とか100円ショップにある器でOK。金属製はやめたほうがいい)を添えれば途端、高級な気配です。その時にはミニクリーマー自体をあたためておき(もてないほど熱くするのは問題)、その中にミルクを入れます。すると、ミルクを入れようかな、と思ったお客様は、クリーマーがあたたかいことに気付き「お?」と思います。途端、単なるティーバッグなのに美味しく感じられるようになるから人の心は不思議です。