それぞれの淹れ方

1.ストレートティー
・まずはお湯を沸騰させます。水は今水道からくんだばかりのものを使いましょう。ゴポゴポと、大きな泡が出てくるくらいまでしっかりと沸騰させてください
・カップとポットにお湯を注ぎ、やかんや鍋のお湯はそのまま更に数分間、沸騰させます。
・数分後にはポットも充分あたたまっていますから、中のお湯を捨て、茶葉を入れましょう。キャディスプーン一杯が、丁度一人分です。
・いよいよポットにお湯を注ぎます。そろそろと入れないで、ざばーっと勢い良くお願いします。これで茶葉がくるくると動くことで、紅茶はより美味しくなります。
・ポットには必ず蓋をしてください。そうして、茶葉の等級にあった時間だけ、蒸らします。
・時間になったら、底に溜まっている茶葉を、スプーンで軽く浮かします。紅茶の濃度を均一にするためですが、ぐるぐるかき混ぜたりすると、茶葉の中の苦味まで出てしまいますので、ここはそっと浮かしてやる程度にしてください。
・あとはカップのお湯を捨て、ティーストレーナーを使ってカップに注ぐだけ。

2.レモンティー

・淹れ方はストレートティーと同じです。
・気をつけたいのはレモンの入れ方と使い方。まず、丁寧に荒い、皮ごとスライスします。見かけにこだわらないのであれば、皮を剥いて実だけで使うのも構いません。そのほうが、皮の渋みが出ないのですっきりと飲みやすくなります。
・レモンを入れるのは飲む直前。入れたら、軽くスプーンで2、3回回す程度にし、すぐに引き上げてください。それ以上漬け込んでまでレモン味を出させると、それは最早レモンティーではなくなります。


3.ミルクティー

・基本はストレートティーと同じです。
・注意したいことは、やや濃い目(茶葉多め)に入れることと、牛乳を使うこと、その牛乳は室温に戻しておくこと、の三点。
・牛乳の味が加わるので、もともと味のすっきりした茶葉は向きません。そして、ストレートティよりも濃くしましょう。だからといって、長い時間蒸らすのは厳禁。茶葉を多めに使うのが大切です。
・コーヒー用のフレッシュミルクなどは邪道です。そういう味が好きならばどれを使おうと構わないのですが、伝統的なミルクティには、新鮮な牛乳を使うものです。
・熱い紅茶に冷たい牛乳。半端な温度の紅茶になります。急に冷やされて、紅茶の味もぎすぎすしてしまいますので、牛乳は室温がベスト。真冬だとか、冷蔵庫から今出したばっかりだわよ、という時には、クリーマーの出番。とはいえ、わざわざ買い整えるのも大変でしょう。そういう場合は、適当な器にお湯を注いであたためて、そのお湯を捨てた後に牛乳を入れておきましょう。直接牛乳を火にかけてあたためると、別の味になってしまいます。
・なお、カップに入れるのは紅茶が先か、ミルクが先か、という議論があったりするそうですが、そんなものはどちらでも構いません。


4.セイロン風ミルクティー

・使う茶葉は、OPなど、大き目のもののほうが向いています。
・カップ四分の一ほどの水と茶葉を、お鍋に入れます。鍋は鉄の味が染み付かないホーロー製が一番。それから、直径が小さくて深めのもののほうが良いでしょう。
・牛乳はあらかじめ室温程度に戻しておきたいところですが、無理ならば、お湯を注いであたためた器に注いでおきましょう。
・水と茶葉を火にかけてあたためます。くしゃくしゃに乾燥していた茶葉が、たっぷりのお湯を含んで大きくなったら(茶葉が開く、と表現したりします)、牛乳を入れましょう。
・沸騰する前に火を止めます。鍋の縁に小さな泡がぶつぶつと出てきているくらいでOKです。
・このままカップに注ぐならば、ストレーナーを使って入れましょう。一度ポットに移すなら、中の茶葉ごとポットに入れて、カップに注ぐときにストレーナーを使います。何故か? 冷めるからです。大量の紅茶をストレーナーを使ってポットに移していたら、目一杯冷めます。だからです。
・また、冷たい牛乳なんかを注ごうものならば、煮出す時間が無駄に長くなり、かなり渋くなってしまいます。火は強火、短時間でささっと仕上げてください。


5.アイスティー

・淹れ方は、濃い目につくること以外はストレートティと同じ。問題は、クリームダウンといって、紅茶が濁ってしまい見栄えが悪くなるのをいかに回避するかです。
・向いているのはBOPやF(ファニングス)など、小さ目の茶葉。クリームダウンの原因になるタンニンが少ないとか。
・それから、簡単なのはポットに砂糖を入れておくこと。実はこれでいくらか防げてしまいます。
・まず、ポットは二つほしいところ。茶葉を入れるポットは、セオリーどおりしっかりあたためておいてください。そして、沸騰したお湯を注ぎます。
・もう一方のポットも、あたためておくか、コンロの傍などに置いておくといいでしょう。そこには砂糖を少し入れておき、この中へ、ストレーナーを使って紅茶を注ぎかえます。甘味を少しもつけたくない時は、砂糖は入れなくても構いません。
・いよいよグラスに注ぐときには、グラスの中にあらかじめ砕いた氷を一杯入れておいて、そこに一気に注ぎます。一気です。のろのろ冷やすとクリームダウンが起こりやすくなります。
・クリームダウンが起こってしまったら、少しお湯を注いでみましょう。解消されることがあります。また、ストレートでなくても構わないのであれば、牛乳を注いで誤魔化してしまうのも、立派な手です。
・なお、クリームダウンしたところで味は悪くならないので、見栄えを気にするのでないならば考えなくてOKです。


6.ティーバッグ

・たかがティーバッグとあなどるなかれ。セオリーを守ることで、ちゃんと美味しく入れられます。
・まず、使うカップはよくあたためておくこと。そうして、蓋になるものを用意してください。ソーサー(皿)なんかがいいでしょう。カップと対になってなくても、その辺の小皿でいいのです。
・カップで直接淹れるならば、沸騰したお湯を注いだところへ、そーっとティーバッグを入れます。ポットで何人か分いっぺんに入れるなら、ティーバッグを入れておいたところへ、勢いよくお湯を入れましょう。
・香が飛ばないよう、蓋をして蒸らします時間は1分程度。これ以上長いと渋くなるだけです。
・ティーバッグを引き上げる時には、ちょっとだけ揺らして、すぐにあげてしまいます。何度もばちゃばちゃやったり、スプーンで押さえつけたりして搾り出さないこと。出てくるのは渋みと苦味だけです。


7.アイスミントティー

・個人的におすすめしたい、私の夏の定番アイスティ。
・茶葉はやっぱり、小さ目のものを選びます。
・生のミントの葉っぱを数枚(大きさにもよるが、3枚程度)、用意してください。スーパーでも売ってますし、ベランダで自分で育てるのもアリでしょう。
・ミントの葉っぱと茶葉とを一緒にポットに入れて、紅茶を淹れます。
・氷を入れたグラスに注いだら、あとは好みで飾りとして、きれいなミントの葉っぱを乗っけるだけ。
・ミントの味が強すぎるようならば、一緒に入れておく葉っぱの枚数を減らしてネ。
・茶葉との相性があるので、いろいろと試してみましよう。個人的には、味が濃い目のウバなどを使い、蒸らし時間を少し短くしています。小技として、一緒に入れるミントの葉を、少し叩いて傷つけておくのもアリ。短い時間でしっかりと風味が出るようになります。失敗すると苦くなるケド。