はぐれケビン旅情編

 ある日、ウォーズマンがテレビを見ながら溜め息をついていた。
 後ろからこっそり見てみたら、モスクワの光景が映し出されていた。

 そこでケビンは考えた。
 これはきっとホームシックに違いない。
 またまたケビンは考えた。
 どうしたら寂しくなくなるだろうかと。
 そしてケビンは気がついた。
 昔ダディの引出しで見つけた、小さな手帳が一冊。
 そこには「弱点」として、仲間の好きなものが書かれていた。

 なんでそんなメモを作っていたのか、疑問の余地がある父親の趣味はさておき、ケビンは一生懸命考えた。
 ウォーズマンの好きなものってなんだっただろう?
 たしかみんな、祖国に関係があったりした気がしたが。
 うんうん首を傾げ頭を痛め、唸りつづけること一時間。
 たしかロシア名産の楽器だったと閃いた。

 そうしてケビンはお買い物。
 民族楽器のお店に行って、目当てのものを買ってきた。
 きっと喜んでくれるだろうと、うきうきしながらおうちに帰り、さっそく渡したプレゼント。
 訝るウォーズマンが開けたらば。
 中から出たのは。

 

 

 

 

 ウクレレだった。

 

 そこから三日、ケビンは口をきいてもらえなかったとさ。

 

(がんばれケビン!)

 

言うまでもないとは思いますが、ウクレレはハワイの楽器です。