おぶりびより 4

【寄り道】

 Hi、みなさんお元気ですか? シロディール突撃レポーター、キャシーです。
 今回はシロディールで帝都に次ぐ大都市、スキングラードをご紹介しようと思います。―――という前に。
 コロールからシロディールまでは、街道を行こうと思ったら、いったん帝都に引き返し、そこから今度は西へと進まなければなりません。うーん、これはものすごい遠回り。そりゃあもちろん、ファストトラベル(*1)してしまえば一瞬なんですけど、それじゃあちょっと面白くないし。
 というわけで、キャシー、やっちゃいました!
 地図で見ると、スキングラードはコロールの真南に位置しています。そこで、街道を無視して道なき道を、ええ、森の中、山の中をまっすぐ南下することにしたのです(*2)。
まだら馬ちゃん もちろん、夜の、しかも街道を外れたところはとっても危険です。しかし私は一人じゃありません。ウェイノン修道院で修道士のかたからいただいた、まだら馬ちゃんが一緒です(*3)。
 狼くらい出たって、まだら馬ちゃんで疾走すれば振り切ることができるでしょう。

 そんなわけで、岩や倒木を避けながら、夜の森を南へ南へと進んでいくと、なんだか怪しい祠を見つけました。
 「モラグ・バルの祠」(*4)っていうんですけど……なんだか怪しい人たちが集まっていて、リーダーっぽい人に話しかけたら、汚れしもののどうたらこうたら……。なんだかきちゃない感じなので、さっさと退散することにしました。
 まあ、もし今後なにか用事ができても、もうマップに位置はしっかり書きこみましたし、OKですね。

 というわけで、またもずーっと南へと進んでいくと、1時間ほどで(*5)スキンドラードにたどり着きました。
 まだ夜の11時……。こんな時間では街も真っ暗ですし、起きているのは衛兵さんくらいで、お店だってやってません。待機(*5)して時間をつぶしてもいいんですけど、それはちょっと、ファストトラベルと同じでもったいないかなって。
 そんなわけでキャシーは、ちょっと近くを散歩してみることにしました。

 スキングラード近郊はとても豊かな土地で、農家があり、畑や放牧場などもあります。
 でもこんな夜中に民家をうろうろしていては泥棒さんと間違われかねないので、手近な洞窟(*6)でも見に行ってみることにしました。
岩をくりぬいて作られた入口です そうして辿り着いたのがここ。
 「血殻の洞穴」ですって。
 ………………なんか、怖そうな名前だなぁ。
 でも、とりあえずちょっと探検してみることにしました。
 たいまつ(*7)を確認し、いざ、洞穴の中へ!
 こういった洞窟や遺跡、採掘鉱跡地には、たいていなにかが住んでいます。それはスキャンプなどの魔物であることもありますし、盗賊たちだったりもします。
 ここはさて、どんなものが出るのかなと思って進んでみたら、……えーっ!? 吸血鬼(*8)さんですか!?
 ひゃー。私の持つたいまつなんて、ここにいますって宣伝しているようなものです。でもこれがないと暗くてよく見えないし! 遠くから私を見つけた吸血鬼は、姿を消す魔法を使いました。
 仕方ないので、だいたいこのへんって感じで攻撃してたら、さすが難易度最低(*9)、撃退できました。
吸血鬼の死骸…… はー、やれやれ。
 せっかくですので装備品は身ぐるみ剥いでいくことにしましょう。お金、稼ぎたいですしね。

 それは犯罪じゃないのか?という他国のかたもいらっしゃるかもしれませんが、シロディールではこれはOKなんですよ。
 一般市民に攻撃したり、あるいは人のものを盗んだりしたら衛兵につかまって牢屋に入れられたり、罰金をとられたりしますけど、向こうから襲いかかって来たのを撃退する分には、罪になりません。それに、その人の所持品をどうしようと、それも関係ないのです。
 道端の草やキノコを摘んで、錬金術でお薬作って売り歩いたってあんまりいい金額になりませんし、お金がほしいなら、盗賊とか山賊退治に精を出すのもアリ(*10)ですね。
 もしシロディールでお金をなくしてしまったら―――そんなことはないと思いますが―――、決して強盗なんかせず、悪い人たちをやっつけて、その装備品で稼ぎましょうね。

 さてさて、吸血鬼の住処らしいこの洞穴をそろそろと進んでいくと、簡素なベッドが設えられた一角で、珍しい書物を見つけました。「正当なるリスラヴ」ってタイトルの本です。読んでみると、ほーほー、なるほど、へー、そうなんだー、って感じで、私の軽装スキルもちょっぴり上がっちゃいました(*11)。
えー!? それにしても便利なのは、進んだところが自動的に記されていくというマップです。これがあれば、引き返す道を忘れてしまうこともありません。
 この便利マップを見ながら奥へと進んでいくと、一番最後の部屋にあったのは、これです。
 かなり見づらいと思いますけど、写真の右下。この本のタイトルが出ています。
 「スキングラード案内書」です。
 ここにいた吸血鬼たちは、よそから流れてきたんでしょうか。それで、こんなもの読んでこのあたりのことを知ろうと?
 そりゃあ吸血鬼だって元は私たちと同じ人間ですけど、なんかこう、迫力ないっていうか、さびしいっていうか……。
 吸血鬼さんがこの机の前でこれを読み、スキングラードの知識を手に入れようとしてるところを想像すると、ちょっぴりおかしくなってしまったキャシーでした。

 

 

*1「ファストトラベル」
 一度行ったことのある場所と、各大都市はマップ上で一気にワープすることができます。これをファストトラベルといいます。時間は経過しますが、便利です。
*2「街道を無視して〜〜」
 今たまたまX箱で「eM」をプレイしていて、あらためて思いました。マップの端という限界はあるにせよ、マップ内なら道を無視してどこでも行けるという壮大さはすごいなと。「eM」もさすが次世代機というきれいな映像ですが、移動は道とか、決められたところしか進めません。
*3「修道士のかたからいただいた、まだら馬」
 ゲーム上、ジョフリー氏にアミュレットを渡すと皇子探しに協力することになり、それを前提に手助けを求めることで馬がもらえます。が、もちろん皇子探しなどしなくても構いません。
 それでもアミュレットを届けるのは、なにより「箱」の確保のため。家を手に入れるまでは、所持品を保管しておける場所がありません。唯一、ジョフリー氏の宝箱だけが安全かつ自由に使えます。
 そのへんのタルとかに入れておくこともできますが、その場合は勝手になくなったりするのですよ。
*4「モラグ・バルの祠」
 オブリビオンには、普通のファンタジーRPGでいう「上級魔物」に相当する、デイドラという存在がいます。これはその「デイドラの祠」のひとつです。デイドラを信仰する異端の人たちが、こうして人里離れた場所に集っていたりします。デイドラの祠は条件を満たして訪れることでクエストが発生し、達成すると魔法効果のかかったアイテムなどがもらえます。
*5「1時間」「待機」
 リアルの時間ではなく、ゲーム中の時間です。世界には夜明けから日没、真夜中に真昼まで、ちゃんと時間が存在します。もちろん、現実の時間よりは圧倒的に早く流れます。
 それでも、ただなにもせずに朝を待つのは苦痛です。そのため、待機というシステムがあります。待機を選択すると、その場で何時間待機するかを設定し、その時間までを飛ばすことができます。
*6「手近な洞窟」
 広大なマップを自由に動けるとなると、探検できる場所を見つけるのも一苦労に思えるかもしれませんが、そんな心配はありません。通常の画面に出ているコンパスに、この近くにある遺跡などの方向が記されています。これは未発見のものでも表示されるので、このコンパスを頼りに進めばなにかに巡り合えます。
*7「たいまつ」
 これがないと、洞窟の中はかなり暗くて探索がしにくくなります。そのへんから手に入るので買う必要はなく、耐久力もかなりあるので、ひとつの洞窟内で何度も灯さないとならないことはありません。これがあれば、暗い場所でも明るく照らせますが、当然、敵にも見つかりやすくなります。
*8「吸血鬼」
 この世界での吸血鬼は、種族ではなく、病気の結果なってしまう存在です。初期状態では神殿で祈りを捧げることで浄化してもらえますが、ある程度進行して吸血鬼化すると、元に戻るためには浄化クエストを行うことになります。
 なお、吸血鬼にはステータスや魔法特典があり、それは吸血鬼化が進行するほど強力になります。そのかわりに日に当たるだけで継続的にダメージを受ける、そのダメージ量も大きくなってしまいます。そんな吸血鬼プレイも楽しみたいのですが(リアルな私と変わらないし!)、キャラクターの顔が老けてしまうのがイヤで、実践していません。
*9「難易度最低」
 プレイ開始時は真ん中です。最低にするとろくにダメージも受けなくなり、楽チンにストーリーやクエストを楽しめます。逆に最高にすると、ありえないほどのマゾプレイになります。
*10「盗賊とか山賊退治に精を出す」
 ちなみに、出てくる敵やその強さ、装備品は、プレイヤーのレベルに左右されます。よって、どんなプレイをしていても、入ったところにいきなりとんでもなく強い敵がいるとか、いきなり性能のいい武具が手に入ることはまずありません。
*11「私の軽装スキルも〜〜」
 たまにこういう本があります。その本を最初に開いたときのみ、なんらかのスキルがアップするのです。内容は、そのスキルに関わるものですが、ゲームシステムのヒントとか解説ではなく、普通の読み物になっています。