【このゲームのキモとツボ】 1.15世紀のイタリア観光 2.フリーランの快感 3.暗殺成功の快感 4.パズル&アクション 5.やりこみ要素 6.ストーリー
1.15世紀のイタリア観光 現在の街と当時の資料から再現した、15世紀中〜後期のイタリアの都市を気ままに散策できるのは、世界史やイタリアの都市に興味があれば、それだけで楽しめます。円を描くように連なる建物とか、移動中にはなんでこんなややこしい……と思ったりもしますが、いざとなったらその壁も建物もフリーランで乗り越えられるので、ゆっくり迂回するか強引に直進するかはプレイヤー次第。 現代でも観光地としては見どころの多いイタリアの各地。ゲーム上での再現とはいえ、名所史跡をきままに見て回ることができ、しかもその上に登ることさえできるという! ヴェネツィアではゴンドラを漕ぐこともできますし、泳ぐこともできます。
2.フリーランの快感 ほんの少しの手がかりがあれば、そこを掴んでひょいひょいとどこへでも登っていく主人公。信じられないほど不安定な足場もとことこと駆けていき、屋根と屋根の合間も一っ飛びに飛び越えれば、目が眩むほどの高所から地上へのだいぶすらやってのける……。 アクションなら人外の動きをするゲームはいくらでもありますが、移動そのものが遊びどころになっていることについては、アサシンクリードがずば抜けています。もちろん、飛び移るにも登るにも限界はあり、無制限ではありませんが、だからこそ、「あそこへはどうやって行けばいいんだ?」と試行錯誤する楽しみもあります。 ただし、屋根の上を走るとか、壁をよじ登るなんてのは普通の人のすることではないので、人目に触れると呆れられたり怖がられたり、あるいは屋根の上の弓兵には不審者扱いされた挙げ句、敵として攻撃されたりもします。 なので、なるべく人目につかないところから登るとか、弓兵に見つからないように進む、いっそのこと引きずり落としてしまう、見つかっても問答無用で走って隠れて振り切る―――どうするかはプレイヤー次第です。 暗殺した後も、全員と戦うか逃げるかを選べます。逃げるというと、普通は面白くない要素なのですが、アサシンはフリーランやソーシャルステルスのおかげで、どうやって逃げ切り、どうやってやり過ごすか、そこが楽しみどころでもあります。 重装兵や索敵兵は屋根や塀の上には来ないので高いところへ行けばいいけれど、モタモタしてると石ぶつけられて落とされたりするし。軽装兵は屋根の上にも登ってくるし足も速いので、どうやって引き離してどこに隠れるか……。 また、常人では絶対に無理なクライミングには、若干のパズル要素もあります。隣の建物から飛び移るとか、南面で少し登ったら東面に移動するとか、あるいは壁を蹴ってのジャンプで少し高く遠いところまでいくとか。 万一落ちても、ある程度の高さまでならダメージだけで済みますし、死亡してしまっても、少し前のセーブポイント(オートセーブですがかなりこまめにセーブが発声します)からやり直しになるだけで、特にペナルティはありません。高所恐怖症の人には、高所からの風景と、イーグルダイブ(そこから一気に地上の藁山や海・川へ飛び降りる)はかなり心臓に悪いかも。 移動そのものが楽しむ要素になっていることは、アサシンクリードを語る上でははずせない要素です。
3.暗殺成功の快感 大立ち回りの末に標的を殺害。こういう結果でも別に悪くはありません。ペナルティもありません。 しかしアサシンとしては、見つからないように邪魔な番兵を排除しつつ、ターゲットには常人の思いもよらないような場所から一気に接近して一撃必殺! が快感です。 その最終目的に行き付くまでのミッション(コアメモリー)でも、いかに余計な敵と戦闘せずに目的を達成するかを考え、傭兵や盗賊、娼婦といった面々を雇い入れたりしながら進めていくのが、このゲームの王道です。もちろん、正面突破でOKなこともありますが、「見つからないように」という条件がついているミッションもありますので、いつもガチンコでは進めません。 そのためにどういうルートで進むか、どの番兵をどう誤魔化すか、そういったパズル要素も含まれてきます。 余計な相手に見つからずターゲットをサクッとしたときの「してやったり」感は、快感です。
4.パズル&アクション 正面突破ができないときには、味方をうまく使ったり、進むルートを探したりといったことが必要になります。 また、「アサシンの墓所」というサブクエスト(サブメモリー)は特にパズル要素が大きく、ざっと見せてもらえるルートを参考に、時には時間制限内にどうやって次のエリアまで進むかを試行錯誤したりします。 ビューポイントという、マップを表示させるために登る高所も同じで、ただ上へと進もうとしてもダメなところは、隣の建物から飛び移ってから進むとか、途中で横へ移動するとか、多少の探索を要します。 進めるルートさえ見つければ、普通の人間には無理なことをエツィオくんは平気でやってくれるので、ひょいひょいとおサルさんのように登ったり走っていったりするのです。 こういったパズル要素ありのフリーランは、何度か失敗してルートを見つけ出し、どう進めばいいかが分かった後には、できるだけ立ち止まらずに進む、といったチャレンジもできます。うまくいくと気持ちいいんですよ、これが。
5.やりこみ要素 やらなくても先には進めるしクリアもできるけど、どうせならつい、と集めてしまうもの。 武器、防具、絵画の収集や、町中に散らばる宝箱、マップでは見ることのできない「羽根」探し。アサシンの墓所も、1作目の主人公・アルタイルの防具がほしくないなら無視してもOKですが、高性能なのでやはりほしい! テンプル騎士団の基地もクリアしたいし、サブメモリーもこなしたい。謎のシンボルを見つけることで埋まっていく「隠された真実」も気になる……。 やろうと思えばやることはかなり膨大で、クリアするだけなら20時間程度の私も、宝箱などは半分も開けていません。羽根なんか100枚もあるし。 買えるものはすべて買ってしまったので、今はせっせと宝箱開けて、サブメモリーこなしつつ、ついでに羽根を見つけたら拾い集めてます。 なお、手に入れた絵と武器防具はヴィラ(屋敷)に飾られていきます。ゲーム中では青年として、主人公エツィオの友人として出てくるダ・ヴィンチの絵もありますし、ボッテチェリもあったりします。値段は様々で、100fくらいしかしないものもあれば、10000fを超えるものも。すべて揃えた後の絵画室はちょっとした画廊の趣になりました。
6.ストーリー 正直、分かりやすくはありません。 縦軸は「父と兄、弟を殺されたエツィオの復讐物語」ですが、横軸として加わるアサシンvsテンプル騎士団の部分は、オカルトも入ればなにやら深遠な権謀術数もあって、「だからなに??」になることも……。 でもまあ、あまり深く考えずともアクション部分そのものが楽しいので、私的にはなんとなく分かればOKで。 プレイ中は、はっきりとは分からなくても次々と消すべき相手が出てきて、そのたびにエツィオが協力者とともに立ち向かっていく、というのが明確なので、つまらなくなることはありませんでした。 一周クリアした後は、そのままやり込み要素へと走ってもいいのですが、セーブデータは3つまで作れるので、また最初からストーリーを見てみたい気になったのも確かです。特定のパートだけを繰り返しやることはできないので、「あのときのあのシーンをもう一度見たい」と思ったら最初からになるんですよねぇ。これも不満といえば少し不満かも、クリアデータでは特定シナリオをいつでも繰り返しプレイできたら良かったのに。 |