6

 

 翌日、僕はレジーナさんと一緒に雪山を登った。
 昨日僕が登ったのと同じルートだ。エリア1から洞窟に入り、エリア4、5を通ってエリア6へ出る。
 僕はまたここにドスファンゴがいるんじゃないかと思ったけど、幸い今日は静かなもので、ガウシカが何頭か跳ねているだけだった。
「こっちよ」
 とレジーナさんは僕を切り立った岩壁のほうへと手招く。
 ついていくと、レジーナさんは壁の傍に屈んで手で雪を掻き分けはじめた。
「たぶんね、この上にも、あたしたちが辿り着けないだけで、ちょっとした鉱床があるのよね。だから……ホラ」
 そう言って僕の目の前へ、雪の下から取り出したのは、黒光りする天然の砥石だった。

 一緒になって探すと、手頃な大きさの石ころと共に、砥石が二人合わせて5個、手に入った。レジーナさんは自分が拾った分も僕の手に乗せて笑う。
「砥石がないとか、回復薬がないとか、忘れちゃったとか、ハンターやってるとけっこうあるわ。あたしも昔、砂漠に狩りに出て、クーラードリンク忘れたことあるのよね。けどとても言い出せる感じじゃなくてさ。まあ体力消耗する前になんとかすればいいわ、なんて勢いでやっちゃったのよ。実際ホントにそれでなんとかなって、だからいいかと思って、実は忘れたのよって言ったら、一緒に行った二人も実は自分たちもだって。三人とも!? って大笑いしたわね」
「へえ。そんなとこあったんですか。忘れ物ってよく聞きますけど、三人が三人て、なかなかないですね。でもすごいな。それで倒しちゃうなんて」
「でしょ? まあ、他の二人がかなりすごいハンターだったのもあるわね。でも、実は話はこっからなのよ。一匹目はいいけど、そのクエストって、ダイミョウザザミの二頭狩りだったの」
「ええっ。じゃあ、二匹目も、そのままで?」
「ううん。冗談じゃないわ。そんな博打、あたしは打ちたくなかった。二人はなんとかなるって言ってたけど、あたしはなんとなく、ラッキーは二度続かない気がして。だから、この砂漠で暑さを誤魔化す方法はないかって考えたのね」
 そうしてレジーナさんが思いついたのは、まずは寒暖の差がない場所で戦うこと、それから、現地調達だった。

 僕は今までに仕入れた知識で、どうやってクーラードリンクを手に入れられるのかを考えた。
 クーラードリンクの素になる素材ってなんだったか、思い出そうとした。けれどやっぱり、ハンターをやって覚えたわけではないから思い出せなかったし、たぶん、そんな話は聞いたこともなかった。あんまり使わない調合なのかもしれない。
「現地調達って、どうしたんですか? クーラードリンクって、なにで作るんですか?」
「クーラードリンクなら、氷結晶とにが虫ね。でも目当てがモンスターの狩猟だけだったから、誰も虫あみやピッケルは持ってきてなかったわ」
「じゃあ、どうやって作ったんですか?」
「クーラードリンクは作らなかったの」
「え? じゃあ、どうやって」
「あのね、まあ順番に話すわ。砂漠にいる山菜組のおじいちゃんて、サボテンの花を持っていくと氷結晶をくれるの、知ってる?」
「山菜の……あ、山菜ジジイって呼ばれてる人たちですね」
「そう。ジジイって言い方、あたしは好きじゃないけど」
「あ、すみません。それに、なにとなに交換してくれるかなんて……。ほとんど話しかけたこともないし」
「いいのよ、通称は確かに山菜ジジイだし、本人たちも嫌がってないしね。まあ、それで、よ。氷結晶は採掘して採れないこともないけど、確率は低いし、採れるのは低温地帯でだけ。ピッケルは作れたとしても、そこに入るためのホットドリンクも用意してないんじゃ、ちょっとリスキーよね。無駄にスタミナ消耗したくはないしさ。でも、サボテンの花と熱帯イチゴならまず確実に採取できるし、スタミナに比べれば体力のほうが回復させやすいわ。で、サボテンの花を氷結晶に交換してもらえば、熱帯イチゴとの調合で氷結晶イチゴが作れるのよ。これでしばらくは暑さを緩和できる。だからあたしは、まずは熱帯イチゴとサボテンの花をちょっと拾って、おじいちゃんのトコ行って交換してもらって、氷結晶イチゴを作ってから狩ることにしたのよ」
 そこまで話して、レジーナさんは少し自慢げに、悪戯っぽく笑った。
「あたしより断然強いハンターが、二人してあたしに大感謝してくれたわ。よくこんなこと覚えてたなって。もちろん、狩りは余裕よ。氷イチゴの効果時間は短いけど、暑さが気にならなかったら、その間安心して全力を出せるし、多少無理をしても攻められるものね。それだけの時間があれば、あの二人にはホント余裕だったわ」
 僕もすごいと思った。
 調合の基本的なレシピなら僕も覚えてる。薬草とアオキノコとか、毒テングダケとにが虫とか。でも、熱帯イチゴと氷結晶なんて、まったく記憶になかった。レジーナさんが「強い」と言うハンターたちも覚えてなかったんだから、それを覚えていて、気付いたレジーナさんはやっぱりすごいんだと思った。

「見てごらんなさいな」
 レジーナさんは雪山の風景を目で示す。
「テオくん、困るには早すぎるわよ? ここにはいろんなものがあるんだから。そこの少し高くなったところには忍耐の種があるわ。種のままじゃ効き目は弱いし、持続時間も短いけど、ないよりマシよね。あっちの岩壁の傍は、風が溜まるからかしらね、雪山草は採れないの。でもそのかわり、ネンチャク草がよく生えてるわ。石ころと合わせたら素材玉が作れるわね。ツタの葉も落葉草も生えてるところがあるから、煙玉や消臭玉ならすぐ作れるってことよ。まあ、消臭玉なんてここじゃ使わないし、煙玉もほとんど使わないかもしれないけどね。で、素材玉から閃光玉を作ろうとすると、光蟲が要るわね。これはでも、麓で捕まえられるっていっても、虫あみは持ち込みが必須。クモの巣さえあれば、ツタの葉は採れるし、ネットから虫あみを作れるんだけど、クモの巣は雪山じゃ採れないのよ。それから、その傍の石柱だけど、あそこも採掘のポイントよ。気付く人がいないせいか掘った跡がほとんどなくて、けっこう見過ごされてるけどね」
「へえ〜……!」
「アオキノコだって、少ないけど採れないわけじゃないから、本当に体力が心配なら、薬草と合わせて回復薬の1個や2個は作れるわ。もしピッケルを忘れても、石ころと棒状の骨、どっちも簡単に手に入るしね。砥石なら、ここじゃなくて東側、エリア7でも拾えるポイントがあるのよ。キャンプの跡地には携帯食料がそのまんま凍って残ってたりもするし、ペイントボールの置き忘れもまだあったりする。それから、エリア1で釣りミミズが採れるトコ、知ってる? そう。じゃあ後で教えてあげるわ。そしたらすぐ傍でキレアジだって釣れる。残念ながらサシミウオはほとんどいないけど、ミミズはかなり大量にいるから、根気よくやれば一匹も手に入らないってことはないわね。―――ねえ、それでも困る?」
 そんなふうに教えられると、真っ白で険しい雪山は、驚くほど彩り鮮やかな場所に変わった。

 なんでもかんでもあるわけじゃないけど、それでもここには、僕が気付いてないだけのものが、まだまだいっぱいあるのだ。
「こういう知識とか、アイテムをたくさん使いこなすこととか、そういうので狩猟を進めるハンターっていうのも、アリだと思うわよ。ここだけの話、偉そうなこと言って雪山に狩りに来て、砥石を忘れたから出直すって戻ってきたハンターがいたのよね。みんな表には出さなかったけど、思ってた。別に戻らなくても、砥石なんて山にたくさんあるじゃない、って。そんなんで威張られたって、ねぇ? 苦笑いしかできないわ」
 たしかに、それは可笑しい。
 偉そうな顔して、ここにこうやってある砥石に全然気付かなくて、それが当たり前みたいに戻ってきて。
 でもレジーナさんとかはこうやって砥石が採れる場所を知っていて。

 僕も、この場所にあるいろんなもののことを覚えたら、もう少しハンターらしくなれるだろうか。
 強くはないけど、いろんなものの力を借りて、なんとか狩りを進められるハンターくらいには。
 手に入れた、形の整わない砥石を見て、僕は思った。
 やっていけないとはまだ決めない。まだやめないと決めよう、と。
 この依頼にたとえ失敗しても、もう少しがんばってみたら、なにかできるようになるかもしれない。
 そういうのがもうホントにダメだったら、そのときにはもう一度考えればいい。

 


      7

 

「さ、そろそろ来るわよ」
 レジーナさんに言われ、手招かれて、僕は気を引き締めた。
 レジーナさんは忍耐の種が採れるという高いところへ登った。僕もそれに続く。
 ゴッ、ゴッという荒い息が聞こえて間もなく、岩山の陰からドスファンゴが姿を見せた。
 レジーナさんがいるせいか、僕は昨日よりは落ち着いていて、ポポほど大きいというのはたしかにちょっと言い過ぎに見えた。

 ドスファンゴはすぐに僕たちに気付いた。
 そして後足で雪を何度か掻き上げると、巨体を揺らして突進してきた。
 僕は思わずレジーナさんの陰に隠れてしまったけれど、当たり前と言えば当たり前で、ドスファンゴはほんの少しの高さを飛び上がることはできず、その牙は僕たちの乗っている足場を削って滑るだけだった。
「ガンナーなら、このまま攻撃できるわね。でも、とりあえずテオくんは片手剣ね。武器はまあ、慣れてきたら自分に合うのを探せばいいわ」
「はい」
「まずは、よく見てごらんなさい。ドスファンゴはほとんどまっすぐしか走れないし、こっちを追いかけて方向を修正するにしたって、突進の勢いがありすぎて小回りはきかないの。それに、突進する前にはだいたい、ああやって後足で地面を蹴るでしょ」
 無駄な突進を繰り返すドスファンゴをよく見ていると、確かに、体を揺らし地面を二度ほど蹴ってから走り始めた。
「たぶん、最初のスタートダッシュのため、足場を確認するのね。でも必ずってわけじゃないから、過信は禁物。それに、ちょっと見てなさいね」
 そう言ってレジーナさんは高いところから跳び降りると、ドスファンゴの脇に立った。
 ドスファンゴは降りてきた獲物を狙おうとするけれど、向きをかえた頃にはレジーナさんはもう別のところにいる。ちょっと突進して立ち止まって、またレジーナさんを狙うのだけど、横へ横へと動くレジーナさんをどうすることもできないようだった。

 ドスファンゴが見当違いの方向へ突進した隙に、レジーナさんは僕のいるところへ戻ってきた。
「今みたいに、正面に立たないようにして、とにかく横に張り付くのよ。それで、こっちを向きそうなら早めに移動する。相手の動きのリズムが分からないうちは、無理しなくていいわ。一回斬って様子を見る。大丈夫そうなら二回斬ってみる。そんなふうに、少しずつやってごらんなさい。倒すのは、少しずつでも攻撃していれば、日が暮れるまでにはできるから焦らなくていいわ。大丈夫よ。危ないときには必ず助けてあげる」
 ウインクされたのにはどうリアクションしようか迷ったけれど、僕は一つ頷くと、思いきって飛び降りて、ドスファンゴの横に立った。

 


      8

 

 僕は、なんとか一人でドスファンゴを狩ることができた。

 油断して牙で突き上げられたりもしたけれど、それはやっぱり痛かったけれど、耐えられないほどのことはなくて。
 調子に乗って攻撃するより、こっち向かれないうちに横や背後に行くほうが大事だと自分に言い聞かせて、なんとか回復薬を使うこともなく、僕はドスファンゴを倒すことができたのだ。
 たかがドスファンゴだということは分かっていたけれど、倒れて動かなくなったモンスターを目の前にして、こんな僕でも、たかがドスファンゴでも、こうやってちゃんとハンターらしく狩ることができたことが、無性に嬉しかった。

 こんなふうに少しずつ、……少しずつでもいいなら、僕もハンターらしくなっていけるのかもしれない。
 強くはなれなくても、もう少しマシな、まあ三流ハンターくらいには。
 それなら、こんな僕でも、無理じゃない気がした。

 素材を少し剥ぎとって、僕たちは山を降りた。
 その帰り道、あちこちに寄り道して、レジーナさんは雪山の採取ポイントをいくつも教えてくれた。
 帰りついた村でオババ様は、よくがんばったねと言ってくれた。
 僕は、そうやって褒められたとき、もう少し恥ずかしくない相手が狩れるようになれたらなと思った。

 そんな僕の隣のレジーナさんに、オババ様が言った。
「それで、どうするね?」
 と。
 レジーナさんは僕を見下ろして答える。
「あたしはOKよ」
 そしてオババ様は僕を見る。
「どうだね、テオ。しばらくはレジーナについて、ハンターの狩りについて学んでみるかい?」
 僕はレジーナさんを見上げた。
 レジーナさんは笑ってる。
 こんな僕でも、これからも教えてくれるんだろうか、今日みたいに。
「いいんですか?」
「いいわよ。それも、先輩ハンターの仕事の一つね」
「じゃ、じゃあお願いします! 僕、覚えも悪くて、なかなか役に立たないかもしれないけど、がんばりますから、よろしくお願いします!」
「なにかしこまってるのよ。いいのよ、もっと気楽にいきましょうよ。それに、物覚え、悪いかしらね。ねえテオくん。エリア6、7、8で砥石のとれる場所は?」
 突然問われて僕は思い返す。6は西側の岩壁の傍。最初に連れて行ってもらったところ。7はエリア6へ通じる道の近くの大きな石の陰。エリア8は、上にある採掘場所から落ちてきたのが溜まるらしい場所。でもここは、よく見つかることもあれば、ほとんど出ないことあるのでちょっと博打。でも、可能性がゼロなわけじゃないし、時々朽ちた龍鱗が出て高く買い取ってもらえるから要チェック。実際僕も今日、一個だけ手に入れて精算した。
「覚えてるじゃない、ちゃんと」
「あ」
「ドスファンゴだって、ちゃんと教えたとおりに狩れたでしょ? 悲観するほど物覚え悪いかしらねぇ」
 そう言えば、そうだった。
 でも僕は今まで本当に、教えてもらっても全然できなくて、何度も呆れられてきたのに……。

 でもまあいいや。今日の僕は、覚えることができたし、狩ることもできた。
 これが今日のだけのことで明日にはもうダメだ、なんて気はしない。
 明日も、がんばりたいと思う。がんばれると思う。絶対に。
 ハンターになって初めて、今日僕は、明日の自分にちょっとだけ自信が持てた。

 


      結

 

 街にいた僕にとって、ハンターはものすごくヒーローだった。
 僕がまだ見たこともないモンスターを彼等は狩り、その武勇伝を語っていた。
 僕はただただその話に圧倒され、感動して、彼等に憧れ、すごい人なんだと思っていた。

 でも最近は思う。
 僕では絶対に手が届かない、手を伸ばしたら叩き払われるようなハンターなんか、夢見ても追いかけても仕方ないって。
 少なくとも今の僕にとっては、なにかと気にかけて心配してくれるハンターさん(前任のポッケ村付きハンターのおじさんなんだけど、名前が「ハンター」さんでちょっと紛らわしい)とか、僕にいろいろ教えてくれるレジーナさんのほうが、もっとリアルに、ちゃんとすごい気がするのだ。

 だから、僕はもう、ものすごいハンターにきらきら夢見て憧れたりはしていない。
 僕は、僕がなれるハンターになろうと思う。
 僕なりに、ちゃんと村の役に立てるハンターになりたいと思う。
 なりたくてなったハンターじゃなかったけど、今は、ハンターっていいなと思う。
 ポッケ村のハンターって、いいなと。
 だから僕は、この村でがんばってみる。
 ヒーローには程遠くても、こんな僕でもハンターはハンターで、それを重宝がってくれる人もいるから。

 だから今日も、僕は狩りに出る。
 相手は砂漠の水竜、ガノトトス。
 街で聞いていた話では、モンスターの中でもひときわ大きくて、その巨体から繰り出される体当たりは強烈。体を回転させて周囲をなぎ払う範囲も広くて、ガンナーか、ガードのしやすいランスなんかが戦いやすいってことだった。
 じゃあどう戦えばいいのかは、船の中でレジーナさんにいろいろ聞いて、僕の考えを話してみようと思う。片手剣の僕と太刀のレジーナさんでも、戦い方さえ工夫すればちゃんと狩れるはずだし、僕はともかく、レジーナさんは上位ハンターだから。
 初めてのモンスターは怖いけど、最近、やっと思うようになった。それをなんとか乗り越えるのがたまらないって。

「テオくん、行くわよ〜。もう竜車出ちゃうわよ〜!」
「はい! 今行きます!」
 僕はもう一度持ち物をざっとチェックして、ポーチをとると外へと駆け出した。

 

(おわり)


 

【余談】

 かなり前から書きかけてあったシロモノです。
 最初「テオ」の設定は、狩ったこともないモンスターを狩ったとホラを吹いて自慢していたというイタい少年ハンターだったのですが、あまりにもイタすぎて扱いづらいので、自信のない臆病なハンターくらいにとどめました。
 続きを書くかどうか分からないので呟いておきますと、テオくんがビビリなのは、お話の中で「伯父」とかが出てきて「両親」が出てこないことに関係します。
 砂漠を渡る小型の砂上船で、ロックラックあたりへ家族旅行に向かったとき、その船をディアブロスに襲われてその場で両親を亡くしているのです。そのときに船をぶち壊し、目の前で母親を踏みつぶしたモンスターがトラウマになって、モンスターを見ると怖くてパニクってしまう、というのがへっぽこの理由です。
 ハンターになんかなりたくなかったのに、何故かやめられないでいるのはたぶん、親の仇でもあるモンスターを乗り越えたいからかなぁと思ってます。こういうところは設定というより感覚なのは相変わらずです。

 レジーナはちょっとカッコよすぎですね(笑
 自分のキャラクターなので、あまり強くするのは気が引けてはづかしいので、できるだけ「ありのまま」を心がけています。
 このSSも、実際のゲームでそのまま役立つ豆知識です。「あっ、砥石忘れた!」ってときも、雪山なら道具がなくても拾える場所たくさんあるから安心しなよ、とかね。
 いや、持ち込みいっさいナシで上位を遊ぶとか、楽しいですよ。それに、訓練所の現地訓練も、どこになにがあるかを知り、調合でなにが作れるかを知っていれば、ガチより断然ラクになります。
 なお、作中で上位防具、すなわちフルフルUなのは回復薬でのサポートのためで、実は一応G級ハンター。だからこっそり、武器のほうはティガ柄、すなわちG級です。ただし、ソロでバリバリ狩るほど強くはなく、G級ではもっぱらサポートに回ったりするのもリアルどおり。
 ただまあ、一緒に行ったハンターさんたちに感激されたことはありませんし(笑)、クーラードリンクがない場合、これがこの世界での話なら調合しますが、ゲームなら、あっさりみんなでリタイアしたり、「まあ死んだら死んだで!」と突っ込みますね。でも「本当に死ぬ可能性がある」世界の場合、そんな乱暴なことはできませんし、リタイアには当然デメリットもあるはず。

 私の好きじゃないハンターたち、というのも表現しています。
 いくら強くても、あまり上手くない人をバッサリと「ゆとりは去れ」とか言うハンター。
 人にあれこれ教えてあげるかどうかはお節介……いやいや、世話好きかどうかくらいの問題なので、教えてほしいと言われたら私は嬉々として、採取場所から立ち回りまで、自分の知ってることならなんでも教えてあげたくなりますが、そういうのが苦手な人もいます。自分では強く戦えるけど、それを言葉にして表現するのが苦手な人ですね。教えてあげたいんだけどうまく言えない、とか。
 でもたぶん、足手まといは失せろ、という発言をするハンターも、この「世界」の中なら、目の前で死なれたらイヤだとか、いろいろと事情もあって、単に性格が悪いとか器が小さいだけではないと思います。本当に命のかかった狩猟に、人様におんぶにだっこで武具だけ強いゆとりくんが混じっていたら、それはたしかに不安にもなるし(自分が巻き込まれる可能性もあるわけですから)、腹も立つかもしれないなと。
 もちろん、単なるイヤな奴もたくさんいると思います(笑
 そういうキャラクターも絡ませたら面白いかなぁ。

 なお、この話の「続き」は、ちょっと考えていません。
 レジーナをメインで出しつづけるのは微妙なので、奴はあくまでもサポートに回して、テオと切磋琢磨できる「仲間」を出したいところです。それと、自キャラではない、「強いハンター」キャラ(笑
 ネタ的に、昔のレジーナの仲間で、名実ともに優れたハンターってあたりが登場させやすいですね。なんでレジーナと組んでたのか分からないくらい強いのです。たぶん、強いヤツと組むより面白いヤツと組んだほうがいい、狩りは自分一人でもできるけど、もし切羽詰まったら、そのときに慌てず精神的に支えてくれるヤツがいい、とかで。
 この話をきちんと続けて書いていくなら、テオの最初の到達点は、やっぱりティガですかね。そこに到るまでにもう二匹くらいは別のモンスターを狩らせたいです。そのうちの一匹は、因縁のディアブロスになるかなぁ。村クエと順番は狂いますけど。
 それか、この話自体をもっと丁寧に、時間経過をあまり飛ばさずに書くとか。

 楽しみだと言ってくださるかたがいたら、書きます(笑
 そういう燃料でもないと、テオくんはけっこうネガティブになりやすいし、レジーナは自キャラだしで、けっこう操りづらいんですよ〜。