紅玉物語は、レイア狩りにはじまりました。 レイア嬢のくれた紅玉は本当にとても嬉しかったのですが、作りたい武具に優先順位を作ればちょっと後回しで良くて、だから1個持っていても、「ほかに使いたいのができるかもしれないしは」と保留してくらいです。だから、レウスの紅玉でないことにへにゃへにゃとしょんぼりした後から、怒涛の連発がはじまったのです。 しかしここにひとつの謎があります。 ほしいものほど出ないという、カプコムの企業秘密、トップシークレット、例のあのセンサーは、何故働かなかったのか? ……まあ、レウスが同情して慰めてくれたとかいう話に並べれば、よっぽどこのセンサーのほうが現実的に可能な話ですから(現実的に可能?:可能です。少し前に書いていますが、最近見た武具とか、あとレア素材一つで完成する武器をシステム的にチェックし、ヒットしたら普段とは違うドロップテーブルに固定する、ということは不可能ではありませんし、そうすれば「ほしいものほど出ない」ようにできます。容量とか、そんなことしてどうするといった問題があるので、本当にこんなプログラムが組まれているかはまた別の話ですが)、「そんなセンサーないって!」とは言わないでください。
結論からいえば、心の片隅には常に「ほしいなぁ」という思いがあったかもしれませんが、少なくとも戦ってる最中は、そんなことはどうでも良くなっていたからです。 紅玉のことなど微塵にも考えず、ひたすら戦うことに集中していました。 何故か。 タイムアタックなどというものがはじまっていたからです。
これは、ディアソルテからはじまる物語です。 「作ったから、見せに行こう」と、本当にもうかなりワケの分からん理由で銀レウスを狩りに行きました。ディアソルテがレウス狩りに効果的だからとかそういうことではまったくなく、「体術−1」の効果は弓ならそれほど気にしなくていいという仮説が成り立つかどうかを雑魚相手に試した後、本当にただ、「見てもらおう」と塔へ出かけたのです。 水属性の強力な貫通矢が撃て、とりあえず溜め2に連射3もついてるカーマインボウを持ち込みました。 そして、今更ながらにやっと、属性的な弱点だけでなく部位弱点も考えて、「レウス稀少種は、斬・打なら翼、撃なら脚だから」と、頭から貫通させるか、あるいは脚に連射矢を当てるかで、できるだけ効率的に戦いました。 この間、Yさんは水太刀「アクアガーディアン」で果敢に前衛を勤め、防御力の弱いガンナーのため、いざとなれば粉塵も飲んでくれました。 結果、なんだかいつもより早く狩猟できた気がしたのです。 そしてなにげなく「クエスト確認」から残り時間を見てみると、36:00くらいの残りタイムでした。
これはただ、それだけだったのです。 だからこの後私が、「ヘビーボウガンってものすごく強いって聞くし、今みたいに弱点を狙って立ち回れば……うん、ナルガXで回避+2と回避距離出てれば、レウスなら動きもだいたい分かるし、突進とかブレスもほとんど走って避けられるようになったし、なんとかなりそうだ」と。 ごく単純な理由で、「ガノスプレッシャーG」に水冷弾と電撃弾、念のために通常弾LV2を持って出かけました。 正直、使用回数ではガンランスと最下位争いしてる武器ですし、ガンナーでは防御が心もとないのもあり、さらには「丁寧に脚を狙う」というのが楽しくて、無心にプレイしていたのです。 そして思ったよりスムーズに戦って、クリア時の残タイムは36:20くらい。 おお、使い慣れてるはずの弓より早いのは、やはり威力なんだろうか? なにせ一応G突破武器だしなぁとか考えていました。 だから、そこで逆鱗が出たところで「また逆鱗かぁ」くらいで、紅玉紅玉出ない出ないとはまったく思いませんでした。
ここからなんとなく、他の武器だとどうなんだろうと、タイムを気にしつつ狩りだしたのです。 ハンマー、双剣、大剣と、クリアするたびにタイムを見ては、「これは早い」とか「もっと時間かかったと思ったんだけどなぁ」とか言ってました。 そしてその間なのです、紅玉連発は。 ある意味、「もう2つはもらったし、これ以上はもう出ないだろうし」と諦めたことで物欲が弱まり、それをタイムを気にして戦うというオブラートがくるんでしまったのでしょう。 そして、我々の本領である太刀を使ったときのタイム―――タイム以前に、飛行旋回するかどうかといった運もからみますが、ともあれその結果に愕然とするあまり、捕獲したレウスの顔の前でアクションの「落ち込む」をやって、「兄貴ぃ、これどうよ? なんかいろんなものがガラガラと崩れていく音がするんだけど……」とかバカなことをやっては笑こけていたのでした。
とまあ、ここまでは紅玉や逆鱗が双方で連発したのは何故だろうか、という話です。 そしてこの項目はここからが本題です。
Yさんは常に同じ装備、フルフルZで高級耳栓と、装飾品で砥石や捕獲の見極めを発動し、武器はアクアガーディアンという固定。 私のほうが、それぞれの武器に合わせていろいろと装備をかえつつのタイムアタックです。 というか、どの武器で狩るのが一番早いんだろう?という好奇心を満たそうとしていました。 結果は、まずはこの表です。 共通しているのは、必ず尻尾を切り、そこから剥ぎ取りをし、落し物を戦闘中に拾い、頭と翼を破壊し、捕獲するという流れと、いくらタイムアタックだからって、普段ならやりもしないような行動はしない、ということです。普通に戦い、罠を使い、閃光玉を使います。
使用武器 |
使用防具 |
戦法など |
残タイム |
カーマインボウ (弓) |
ディアソルテシリーズ (溜め短縮、ランナー) |
位置によって貫通矢を撃ったり、脚に強撃ビンを撃ったり |
36,00 |
ガノスプレッシャーG (ヘビィボウガン) |
ナルガXシリーズ (回避+2、回避距離) |
まず水冷弾、その後電撃弾を主に足に |
36,20 |
極鎚ジャガーノート (ハンマー) |
ナルガXシリーズ (回避+2、回避距離) |
できるだけ頭を狙いつつ攻撃。めまいでダウンは一度のみ |
39,50 |
鬼哭斬破刀・真打 (太刀) |
ナルガXシリーズ (回避+2、回避距離) |
できるだけ翼、あるいは頭を攻撃する |
35,40 |
双聖剣ギルドナイト (双剣) |
ギザミ系セット (斬れ味+1、業物) |
強走薬を飲んで鬼人化し、かなり強引に頭や翼の先、脚に乱舞 |
36,40 |
フル・フルミナント (大剣) |
ナルガXシリーズ (回避+2、回避距離) |
着地際に溜め3を頭か翼に狙いつつ、それ以外は一発離脱 |
36,40 |
メラルーツールG (片手剣) |
オウビートSシリーズ (異常強化、ボマー) |
とにかく隙あらば爆破しつつ、麻痺を狙う |
35,40 |
だいたい、36:40〜36:00残り、すなわちキャンプから塔の頂上まで走る時間も含めて、13,30〜14,00分で捕獲、終了しています。 問題は、茶色にマーキングしたタイムです。 太刀なのです。 二人のメイン武器なのです。 片手剣もボマー+大タルGを使いまくったわりに時間がかかっていますが、実はこのとき、銀冠とはいえ最大サイズを更新しているのです。すなわち、今までで一番大きいレウスが出ていたということです。 ということは、サイズがもう少し小さければ片手剣のタイムはさらに縮まるわけですし、太刀でなんにも考えず普通に戦っていると、使い慣れているかどうかを問えばすべて微妙な他の武器にも劣るとていうわけですか?
もうお分かりかと思いますが、タイトルは、そういうことなのです。 二人して、太刀が300、あるいは400回を越え、弓は150前後、他は40回ほど使ってるかどうかという有り様で、つまりは太刀にこそ精通しているはずで、しかも私は最終形態の武器を持ち込んでいるというのに、なんですかこれは。 プライドなんてものを持てるほど精通しているわけではないにしても、そして、Yさんは常に同じ武具とスタンスということは、このタイムはどう考えても私のせい、私の太刀のせいなのですよ
T皿T 現場では二人して「納得いかん」と言ってましたが、今更気づいたところによると、Yさんは特になにも変えていなかったわけですから、悪いのはこのワ・タ・シ。 しかも、大剣なんて着地を狙って溜めたはいいけど頭の横をスカッと空振りするとか、かなりモタついていて、決して納得のいく戦いではなかったのに、それよりタイムが悪いって……。 太刀はそんな弱いのか? レウスとの相性が悪いのか?
運もあるとはいえ、この結果を出したままではどうにも素直に終われません。 そこでふと、「どの武器も、それぞれにスタンダードとされる立ち回りやスキルで行っているわけだけど、太刀は手数も多いし、ひょっとして根本的に戦闘スタイルが非効率的なのか?」と、―――リベンジはこの装備、そして結果です。
鬼哭斬破刀・真打 |
ギザミ系セット (斬れ味+1、業物) |
できるだけ翼、あるいは頭を攻撃する |
38,45 |
たしかにタイムは大きく更新しましたが、それでもハンマーにはかなわず、……やはりなんか、納得いかないというか、晴々としないのですよ。 太刀を持つとき、私は斬れ味+や業物を必須と考えるだろうか? 攻撃特化で行くならそれは当然そうするだろうが、たとえば他の武器は、この後にまた銀レウスを狩ると言ったら、まったく同じ装備で同じように戦おうと思う。しかし太刀は、常にこの装備で行こうと思うのか? 意識を変えて、「なんだ、こうすればもっと早いんじゃないか」とか「こっちのほうが効率的なんだな」と思えばいいのでしょうが、どうにも釈然としない。 しかし2日目は、これを最後に切り上げました。
そして3日目、チェックアウト前にあと2回ほど狩れるというタイミングで、納得したいがために、太刀、そしてハンマーで一度ずつ狩ることにしました。 まずはハンマーです。 たまたま運よく頭や翼に当たり、たまたまタイムがいいだけなのか、それともこれがハンマーという武器の強さ、レウスとの相性なのか。 尻尾はYさんに任せ、私はとりあえず頭です。尻尾はさっさと斬れ、頭もとっとと壊れます。その後Yさんは翼を狙い、私はしつこく頭。これで三度ほどめまいにできました。昨日よりも精度が上がってます。 その甲斐あってか、タイムは更新されて39:59残。 ……!! あと1秒!? あと1秒で10分きったのですよ! ううむ、おそるべし、ハンマー。これを習熟した人が使うと、もっとすごいんだろうなと思わずにいられません。
さて、そしていよいよ、あれが太刀の限界なのか、私の限界なのか、そして二人の限界なのか、それを試すときが来ました。 装備は、どうしても納得がいかないのでナルガXに戻しました。斬れ味はあくまでも白で、普段どおり、いつもの私と変わらない戦いをします。 そしてついに、この3日間の合宿の幕を閉じるためのための、最後の幕が上がりました。
これがその結果です。 塔の頂上に辿り着くまでに、アイテムを使用してる時間も含めて常に2,30〜3分はかかっているので、実際の戦闘時間では10分をきっています。 そう! これだよ!! そりゃ他の武器も使いこめば、こんなタイムなんてこともないのかもしれない。Yさんの持ってる武器が「アトランティス」や「鬼哭斬破刀・真打」だったらさらにタイムは縮まるだろう。 しかし、今の私たちが、私が、他の武器よりも圧倒的に多く使いこんでる武器を使う以上、これくらいのタイムが出てくれないと納得がいか〜んッ!!
―――いや、レウス10連戦もすれば、そりゃ立ち回りも磨かれてくるので、それもあります。尻尾なぞ、我ながらこれはいい位置だと思う場所に立てたため、最初に罠にかけたときに斬り落してしまいましたし。 というか、そもそもこのレウス、銀冠とはいえ最小サイズを更新していたりもします。つまり今までで一番体力のないレウスだったのは確かです。 しかしおそらくは、あることに気付いてそれを意識的に戦術に組み込んだかどうかが、この結果につながったのだと思います。 それはごくごく当たり前で、「そんなことか」と言われそうなことですが、これまでずっと私には分かっていなかったのです。
それは、罠への誘い込みについてでした。 罠を仕掛けても、レウスはレイアほど突進してきません。距離が開くとどうにもプレスの確率が上がるし、あるいは滑空してきたりして、なかなか罠にかかってくれなくなります。 今まではただ罠の傍でうろうろ待っていたりもしたのですが、今回からは違いました。 とりあえず罠の向こうで待つけれど、モーションを見て、ダッシュでないようならすぐに閃光玉を投げたのです。 画面にはレウスを入れつつ後ろを向いて待ち、滑空なら、その前には翼を広げて姿勢を低くしますから、それから投げれば閃光玉を飛び越えることはありません。 プレスなら、避けた後に顔の前あたり目がけて投げれば済みます。 こうして、今までは無為に過ごしていた時間を、「罠が無駄になってもいいから」と、とにかく攻める時間に転化したのでした。 「今までその程度のことも知らなかったのか、やってなかったのか」と呆れるかたもおられると思いますが、でも、自分で気付いたのですから見逃してください。
まあ問題は、これをハンマーでやったらもっとタイムが縮まるんじゃないかってことです。 でもいいのです。 これでやっと晴々と悔いもなく、この濃ゆい濃ゆい三日間に幕を下ろすことができたのですから。 |