蓮 華

 
底の見えない
泥の中へと根をひたし 白く咲く
古い歌にも詠まれた
濁りに染まぬその花

身を浮かべる水面の
そこに漂う塵芥に
たとえその肌 包まれたとて
咲いたその色を変えることなく

穢れに埋もれ
澱みに囚われ
それでも
それを食らって なお白く咲け

そんなおまえを
俺は愛する

あるかたへの言葉でもあり。