店主の戯言 031101

 『Ever Green』。
 死ぬほど久しぶりの更新です。完全な「新作」のお披露目は、まる一年以上ぶりです。

 お名前は伏せさせていただきますが、私が塾に燃えていた二年前、あししげく通わせていただいたサイトの管理人さんから、メールをいただきました。
 メールの返信には、実はすごく悩んだのだったりします。
 書きたいこと、告げたいことはあるのだけれど、どうも言葉にならないというか、言葉にするとバカに陳腐だったりキザだったりして、たまったもんじゃないというか(苦笑

 読ませていただいて、「今も変わらず好きであること」ということを、しみじみと味わいました。

 時が流れて、閉鎖されたところを見つけることもある中で、今も変わらずに情熱を注いでおられるかた。更新はないけれど、またいつか書きたいものが生まれた時のため、それとも、自分が塾を好きだという一つの証のために、閉鎖はしておられないかた。そして、もう書くことはないから、と閉鎖されてしまったかた。
 そしてまた、今でも私の巣へと通ってくださるかた、とっくに見切りをつけておられるかた。
 変わるものと、変わらないものがあるのだと思います。

 変わることが悪いとか、変わらないからいいとか、そういうことは全くありません。
 変わるにも変わらないにも、理由や原因はあるわけで、簡単に良し悪しを決めたりできることじゃないとも思ってます。
 ただ、やはり自分の好きなものはそのまま在ってほしい、と思ってしまう気持ちは、偽れません。

 変わってしまい、消え去ったものや遠のいたものに愚痴は言いません。変わってしまう前、消えてしまう前に私がもらった「なにか良いもの」に、ありがとうとだけ言わせてください。
 そのかわり、変わらずにある素敵なものには、もう一つ余計にありがとうと言わせてください。
 いっそ「愛してるヨ」なんて囁きましょうか?(←ヤメトケ

 なにかを「いいな」と思えること。楽しめること。好きだなぁとしみじみ思うこと。それはとても気持ちのいい時間です。
 そういう気持ちにさせてくれる男塾という作品と、私と同じようにそれに惹かれたかたがたに、巡り会えて良かったと思います

 こんな私の言葉の、いったい何があなたの心に響くのかは分かりませんが、今も変わらず訪れてくれるかたには、……なんてーんでしょう。物語というものも私から生まれた私の一部なわけですから、それを「いいな」と思ってくださるあなたがそこにいる、ということ。身の回りの日常でなにかあったとしても、そんな誰かがこのモニターの向こうにいることで、ずいぶん救われる気も、したりします。

 

 私はモノカキですから、思いは自分の言葉として書き付けるより、物語りに託したほうが表現しやすかったりします。
 そしてまた、こんな私の塾ものを気に入ってくださるかたには、私の言葉であれこれ言われるよりは、一本でもSSを見られたほうが楽しいんじゃないかな、とこうなりました。
 でも、無理をしてひねり出したのではありません。
 題材に最も相応しいシチュエーションと人物が、ここにあっただけです。
 塾関係のかた(塾サイトの管理人さんも、今も私の巣を覗いてくださる閲覧者のかたも)へ伝えたいものを、塾SSとして書くことができたことには、なにか必然というか、運命というか、巡り合わせというか……。
 「えにし」というのが一番近いかもしれません。そういうものを感じます。なんとなく、不思議な感じです。
 なんにせよ、久々の新作です。短いものですが、楽しんでいただければいいと思います。


 塾関係のかたには、やはり特別な思いがあります。
 あれです。インプリンティング。生まれたばかりのヒナが、初めて見たものを親と思い込むっていうあれ。
 二次創作系のサイトとして、殻の中で気がついたのが最初期のPSOだとすると、男塾は殻から出てはじめて触れた世界でした。
 右も左も分からないし、ろくに知識もない中で、それでも、おうかがいして、また遊びに来てもらって、とても楽しい時間を過ごせたからこそ、今まだ私がこうして、サイトの運営なぞを続けていられるのだと思います。

 本当に、ありがとう。