実践トレーニング:安定性能:安定性と衝撃力

 「安定性能」については、比較的イメージしやすいでしょう。機体がどれくらい安定しているか……、……いや、意外にイメージしにくいかもしれません。
 安定している、とはどういうことか?
 できるだけ分かりやすく言えば、「姿勢が崩れず、スムーズに動ける状態」のことです。
 ACの中で「安定性」が最も分かりやすく表れるのは、攻撃を食らったときでしょう。しかも、その攻撃に強い「衝撃力」があった場合。
 安定性が高いと、機体はそう簡単にグラついたりせず、平然としています。
 しかし安定性が低いと、その衝撃で姿勢が崩れ、硬直、つまり動けない時間が発生してしまいます。

 というわけで今回は、安定性と衝撃力について、いろいろと実践してみたいと思います。

 

衝撃力とは?

 「衝撃力」とは。まずはこの説明も必要ですね。
 衝撃力は、実弾の武器にのみ設定されています。EN武器には衝撃力はありません。(例外としてレーザーブレードは衝撃力を持っています)
 これは文字通り、「どれくらいの衝撃を与えるか」という数値です。高いほど、ヒットしたときに相手を大きく揺さぶります。
 さすがにACなので、衝撃のある攻撃をくらったからと言って転んだりはしませんが、衝撃に耐え切れなかった場合、その場で一時的に硬直してしまいます
 するとどうなるか?
 次の攻撃を避けられない可能性があるのです。

 残念ながらfaには丁度いい実験場がありませんが、AC4には、安定性が低い場合の悲劇を簡単に体験できるミッションがありました。
 「衝撃力の高い攻撃が連発して飛んでくる」という場所です。
 ここに安定性の低い機体で行き、うっかり攻撃をくらうと、衝撃で固まっている間に次の攻撃までもらってしまう、という現象が起こります。

 レーザーブレード二刀流で安定性の低い機体を攻撃しても、同じような現象を簡単に見ることができます。
 片方のレーザーブレードがヒットすると、その瞬間に機体が大きく硬直し、その隙に逆の手のブレードも当たり、更にその硬直中に……という悲しいコンボです。

 

安定性能の算出

 その衝撃力に対抗するステータスが「安定性能」です。
 安定性が高いほど、強い衝撃に耐え切ることができます。
 実験・実践に移る前に、まずは安定性の決まり方について、ステータスを見てみましょう。

 機体全体の安定性は、まず脚部で決まります。脚部ステータスの「安定性能」がベースの数値です。
 このベース値を、頭とコアの「安定性」が左右します。
 頭・コアの安定性は、500=100%で、脚部の安定性を増減させます。
 もし頭(コア)の安定性が400だと、脚の安定性を80%に減退させますし、600だと120%に増幅します。ロック距離とカメラ性能の関係と同じですね。
 なので、脚部の安定性が1000で、頭の安定性が600、コアが400だった場合、1000×1.2×0.8で、実際の安定性能は960ということになります。
 ちなみにこの、「機体の総合安定性」は、こんなふうにして計算した数値が、そのまま総合ステータスに出ています。
総合ステータス 左の写真は、初期機体TELLUSの総合ステータスです。
 TELLUSの安定性能は、脚部が1768、頭部が450、コアが491。
 頭部とコアの倍率を計算すると、頭部が450÷500=0.9、コアが491÷500=0.982。
 1768×0.9×0.982=1562.5584。
 ご覧のとおり、ステータスの「安定性能」のところも、1562になっていますね。

 なので、機体の総合的な安定性能を数値で知りたいときには、わざわざ計算することはありません。この総合ステータスを見ればOKです。

どれくらい姿勢が崩れるかの実験

 安定性の生まれ方と、衝撃力についてはOKでしょうか。
 それでは、分かりやすくこんな実験をしてみましょう。

 サンプルは2機。
 企業の機体から、「047AN」と「Y01-TELLUS」を使います。
 ここではあえて、「特殊性の低そうなパーツ」の範囲から選択しています。「スタンダードと言える機体の間でも、安定性にはこれだけの差が生まれる。その差は実際にこれくらいになる」ということを実体験していただきたいのです。
(デザインから企業機体をロードすると、武器を所持していません。装備させないと、敵と向かい合っているのが大変なので、適当な武器を装備させてください)

 衝撃力の高い武器といえば、バズーカ。
 ミッションで試すなら、「ワンダフルボディ撃破」へ行ってみるのが簡単でしょう。ミサイルとライフルも撃たれますが、そこはあまり気にせず、目の前をつい〜っとブースト移動してみてください。
(ミサイルをある程度撃ちきってしまうまで、離れた場所でうろうろと操作練習でもしながら待っていても構いません)

 実際にやってみてもらえばすぐ分かりますが、安定性が高い047ANは、スプレッドバズーカの攻撃(左手武器)を受けても動き続けられます。
 しかし、安定性が低いY01-TELLUSは、攻撃をくらった瞬間に移動が止まります。

 もちろん、ムダに高安定、ありえないほど低安定という機体で実験してみても構いません。

 

安定性能と射撃反動

 ここまでは、攻撃を受けたときに、安定性によってどう違うかの実験でした。
 攻撃をするときにも、安定性は影響します。
 ここは潔く分かりやすく、「ものすごい高安定」な機体と「こんなの普通作らんだろうな低安定」な機体を作ってみましょう。更に、「その中間」の機体だとどうかも確かめてみます。

 高安定の機体は、頭部:EKHAZAR-HEAD、コア:EKHAZAR-CORE、脚部:HILBERT-G7Lで組み上げます。更に、チューンですべての安定性を上げ、総合安定性は7582。(タンクや四脚では、形状そのものの持つ特殊性が発揮されてしまうので、今回は二脚の中からのみ選択します)
 低安定の機体は、頭部:ARGYROS/H、コア:WHITE-GLINT/CORE、脚部:LG-LAHIREくらいにしておきます。チューンなしで、総合安定性は801ですね。(普段のアセンブルでまず選択肢に入らないような極端なパーツはあえて除いています)
 更に、高安定の機体の安定性に対するチューンを解除し、頭部だけをXHD-SOBREROに変更すると、総合安定性能は3400程度になります。これは、チューンなしの企業機体047ANとだいたい同じくらいの数値です。

 持たせる武器は「射撃反動」の高い武器。バズーカの「GAN1-SS-WBP」と、背部武器グレネードキャノン「YAMAGA」を使います。
 腕は、このバズーカを支える必要があるので、バランスのいい047AN03くらいにしておきます。
 積載量がオーバーしたら、ジェネレーターやブースターなどをとにかく軽量にするか、チューンでフォローしてください。

 これで、ブースト移動しながら撃ってみましょう。
 高安定の機体はバズーカはもとより、グレネードキャノンですら平気で撃てます。移動を止められることもありません。
 が、低安定の機体は、バズーカのほうですら、撃つたびに硬直して脚が止まってしまいます。これではまともに戦えないことは明白です。空中から撃てば多少はマシな気もしますが、それでも射撃直後に動きが止まります。
 そして2機の真ん中くらいになる普通の機体だと、バズーカは普通に撃てるのですが、さすがにグレネードキャノンを撃つと硬直してしまいました。

 このように、「射撃反動」が高い武器を、安定性の低い機体で使うと、攻撃したときですら硬直してしまいます。逆に、安定性が非常に高ければ、二脚であろうと高反動の武器を問題なく扱えます。

 実際に動かしてみれば、射撃時に硬直が発生しているかどうかは一目瞭然ですので、アセンブル時にあまり考えすぎることはありません。
 ただ、射撃反動を押さえられない機体になっていたときに、見直すべきは「安定性能」であることを思い出してください。
 そしてその際には、どのパーツで安定性を確保するのか、という点が大事です。
 脚部には旋回性能や積載量といった大事なステータスがあります。頭部にもカメラ性能があります。よって、私の場合はコアで調整することがほとんどですが、それでも、防御力の差や重量の差は軽視できません。
 機体に求める性能に優先順位をつけ、どれをとってどれを捨てるか、プレイヤーの感性が問われるところです。

 

チューン効率

 だいぶ長くなりましたが、あと少しです。
 ここではチューンについて触れてみます。
 というのは、安定性能については三ヶ所のチューンができるからです。頭部・コア・脚部ですね。
 安定性をとことん高めたいなら、三ヵ所すべてにメモリをつぎ込めばいいのですが、他の性能を無視してまで、そこまで安定性しかほしくない機体というのも、そうあるものではありません。
 よくあるのは、メモリが少し残った状態で、「それじゃあ安定性でも少しフォローしておくかな」と思うパターン。

 一番簡単かつ確実なのは、余っているメモリを一ヶ所にすべてつぎ込んで、安定性の総合数値がどれくらいになったかを比較する方法です。それで、最も数値が高くなった場所をチューンするだけ。これはあっさり決められます。
 複数箇所に振るときも同じです。「頭にMAX振って脚に残りだとこれくらい、コアにMAXで脚に残りだと……」とかいうように、いくつかの組み合わせを試してみるのが一番間違いがありません。
 チューン効率はパーツやレギュレーションによって異なることもあるので、実際にメモリを入れて確かめてみてください。一ヶ所MAXにするだけなら、三ヵ所すべてで試しても1分かかりません。
 比較せずに適当に振ってしまうと、ちょっとだけ損することもあるので気をつけましょう。

 

安定性能について、まとめなど

 これでだいたい、安定性能がどういった役割を持っているのか、お分かりいただけたでしょうか。
 敵の持つ武器の衝撃力に対抗し、自分が持つ武器の射撃反動を抑える。これが、安定性能の一番大きな役割です。(着地時の姿勢安定にも影響しますが、AOUT BOOSTをONにしていれば、着地時には自動的にブースターが作動します。初級者はあまり考えなくても構わないと思います)
 攻撃、あるいは被弾時に機体が硬直するようなことがあれば、安定性を見なおしてください。

 ごく一般的な基準で機体を組み立て、その機体に合った武器を持たせ、相応しい戦い方をする限りには、「安定性に問題のある機体」にはなかなかなりません。
 しかし、極端な機体、変わったコンセプトの機体、ビジュアルを優先した機体の場合、持たせた武器と戦い方、それから機体の性能が食い違い、安定性にも問題が出ることはあります。

 安定性能についてもし悩むとすれば、安定性能が足りなかったとき、頭・コア・脚のどれを交換するか、という部分かもしれません。
 先の項目で既に触れていますが、頭部と脚部には、他のパーツでは調整できない専門のステータスがあります。
 頭部はカメラ性能。防御力やAPについては、他のパーツに比べて小さいのですが、ロック距離に関わってくるカメラ性能を妥協すべきかどうか、よく考えましょう。
 コアは専属ステータスを持たない代わりに、重量・AP・防御力への影響が、平均的に発生します。
 脚部は、旋回性能・積載量という専門分野に加えて、パーツの大きさから、重量・AP・防御力への影響も強く出てきます。

 安定性能の問題を消せないときには、「安定性能が必要ない戦い方を心がける」のも一つの手段です。
 反動の強い武器を使わないのはもちろん、衝撃力の高い攻撃に特に気をつけ、食らわないようにする。そういった考え方もありますね。