実践トレーニング:ブースター:QT編

 QT(クイックターン)とは?
 AC4、faを始めたばかりのプレイヤーさんの中には、これをそもそも知らない人もいらっしゃるかもしれません。
 QTというのは、急旋回です。
 通常Rスティックを左右に倒して旋回しますが、戦闘中にはこんなにのんきに回っていられないことが多々あります。そういうとき、サイドブースターのクイック推力を使って、一気にぐるっと回るのがQTです。

 この動きは中〜遠距離戦ではまず使いません。
 ですが近距離で敵と戦うときには、相手の動きを追いかけるため、急旋回は必須になってきます。
 QTそのものは、ミッション中の移動時に、通路の角を曲がるときなどにいくらでも使えますし練習できますので、そちらでどうぞ。
 今回問題にするのは、近距離で戦っていてQTしたときの、旋回する角度です。

 

旋回性能

 本日の実践トレーニング、最初は「脚」だけでいきましょう。
 旋回性能についてなんか知ってる、という人がほとんどだと思います。
 でも、どれくらいの差があるのか、実際に感覚として分かっていますか? 違いを確かめてみたことはあるでしょうか。
 最も旋回力の高い脚と低い脚でどれくらい違うのか、感じたことがないなら、話のタネにでも一度体験してみてください。

 というわけで、最も旋回力が低いのは重量二脚の「ARGYROS/L」。最も高いのは軽量四脚の「DUSKAROR-LEGS」です。
 機体の重量は、今作では旋回速度に関係ないそうなので、それぞれの脚をつけた機体でテストモードへでも行ってみましょう。
 そしてRスティックだけでぐるーんと旋回してみてください。
 DUSKARORの脚の動きがちょっとキモいとか、そんなことはどうでもいいので、景色が流れる速度を見てください。酔わない程度に。
 自分の影を目印にして、一回転するのにどれくらいかかるのかカウントしてみるのもいいでしょう。
 あんまりやってると確実に酔いそうなので、程々でどうぞ。

 

QTの角度の差

 旋回性能そのものの差は、とりあえず一度体験してみたらそれでいいと思います。
 問題は、QTです。
 QTでどれくらい回るかは、脚の旋回性能とサイドブースターのクイック推力(+噴射時間)で決まります
 そこで、脚とサイドブースターで、以下のような組み合わせの機体を作って実験してみましょう。
 例によって、すべてのパーツが揃っていない人は「旋回性能の最も高い脚と低い脚」「クイック推力×噴射時間の最も大きなサイドブースター、小さなサイドブースター」で比較してみてください。

例機1:最も旋回する組み合わせ
LEG DUSKAROR-LEGS 旋回性能:最高
SIDE-B AB-LAHIRE 推力:高、噴射:10

例機2:ブースターの旋回力は最低
LEG DUSKAROR-LEGS 旋回性能:最高
SIDE-B GAN02-SS-NSS.CG 推力:低、噴射:7

例機3:回転速度は遅いが長く続く
LEG DUSKAROR-LEGS 旋回性能:最高
SIDE-B AB-HOLOFERNES 推力:低、噴射:13

例機4:旋回速度は最高だが持続しない
LEG DUSKAROR-LEGS 旋回性能:最高
SIDE-B ARGYROS/S 推力:最高、噴射:9

 左の一覧は、最も旋回性能の高い脚を使って、ブースターだけを4種類、性能差のはっきりしたものに取り替えた場合です。
 どんな感じなのかはチラリと書いています。
(クイック推力と噴射時間を単純にかけ合わせた数値を参照しています。そのため、実際にはちょっと違う可能性もありますが、大きく間違っていることはありません。「差」さえ分かればいいということで、微妙な違いはご容赦ください)

 この組み合わせで、それぞれ何度もQTしてみてください。
 回る角度、その速度が「違う」ということをよく確かめてみましょう。
 それから、もしできれば、ビルなどでいいので、その真横に立ってQTし、ビルのほうを向くだけのQT……つまり、90度くらいしか旋回しないQTができないか、試してみてください。
 どの組み合わせの機体でも、たぶん、「どうすりゃいいの!?」というくらい回りすぎてしまって、90度の旋回はかなり難しいと思います。
 これは、脚の旋回性能が非常に高いため、「最も回らないようにブースターを選んでも、回りすぎてしまう」といった感じですね。

例機5:最も旋回しない組み合わせ
LEG ARGYROS/L 旋回性能:最低
SIDE-B GAN02-SS-NSS.CG 推力:低、噴射:7

例機6:ブースターの旋回力は最高
LEG ARGYROS/L 旋回性能:最低
SIDE-B AB-LAHIRE 推力:低、噴射:10

 次はこちらです。
 今度は、最も旋回性能の低い脚を使って、最高・最低の移動力を持つサイドブースターを組み込んでみましょう。
 そして同じように、テストモードなどでQTしまくってみてください。
 そしてやはり同じように、90度だけ旋回するようにコントロールしてみてください。

 こちらの脚は旋回性能が低いがゆえに、90度回りたいなら、少し長めにRスティックを倒しているだけでそれに近い角度にできます。

 

旋回角度とサイティング

 ブースターの実践は、この項目が一応最後です。
 なのでそろそろ、もう少し楽しいことをしましょう。
 貴方の愛機をご用意ください
 そして、他の部分とのバランスとか、自分が最終的に求める性能はちょっと置いといて、その機体のサイドブースターをいろいろと付け替えて、実践してみてください。

 そして、どんな機体が貴方の愛機であるとしても、今回やることは一つです。
 QT後のサイティング、これをトレーニングしてみたいと思います。
 遠距離狙撃機だろうと関係ありません。その機体にできる、できない、貴方にそれができる、できないは、どうでもいいのです。
 とにかく、貴方のお気に入りの機体を使って、敵と近い距離でQTした後、その敵をどうすれば素早く画面内に捉えられるか、とにかくやってだけみるのです。

 まずは「敵」を一つ決めてください。ほとんど動かない相手がいいので、テストモードにあるビルで結構です。
 そしてその真横に立って、ビルのほうへ向くようにQTし、ビル……巨大なターゲットの姿を、できるだけ早く画面内の真正面に取り戻してください。
 こんなクソデカいターゲットですら、機体やブースターによっては、「え、どこいったの!?」になりかねません。あるいは、「あれ、回るのが足りなくてちゃんと正面に来ない」とか、「回りすぎちゃったよ!」ということになります。
 この「90度QT」は、旋回性能の低い脚のほうがコントロールしやすいと思います。

 90度旋回が実質的に不可能に近い機体、脚の旋回性能が非常に高い機体は、180度QTでもやってみてください。
 ビルを真後ろに置いた状態でQTし、左右へのズレも含めて、とにかく自分の正面にそのビルが見えるようにしてみましょう。

 その機体でできるかどうか、貴方のコントロール能力でぎるかどうかは、別にどうだって構いません。
 緻密な制動ができないから遠距離機体使ってるんだよ、という人もいて、その人が遠距離戦のエキスパートで非常に強いなら、それでいいわけです。
 こういうコントロール、とてもじゃないけどできないなぁと思ったら、「とりあえず今の自分には近距離戦ってかなり難しいらしいぞ」と思って、中距離、遠距離で戦えばいいのです。
 でも、「お、なかなか難しいな」と思って、それがちょっと楽しくかったりしたら、近距離戦の練習をしてみてもいいかもしれません。ま、私もそういうタイプです。満足にできないけど、それっぽいことしてると楽しいから、それでいいのです★

 

QTの旋回角度調整の仕方

 できる、できないは置いといて。
 調整のポイントにくらいは触れておきましょう。

 えーと……もしかすると、私がAC4のほうで書いているアホみたいなSSをお読みのかたもいらっしゃるかもしれません。実はあの中で、ゲームシステムと照らし合わせた場合「ウソ」になることが一ヶ所あります。
 ジンが一人でトレーニングしているシーンで、「ブースターを早めにきって旋回角度を調整している」という記述があるのですが、これは実は、私のものすごい勘違いなのです。(なので近いうちに書き直してしまいますけどネ)
 おそらくですが、QTの角度調整は、Rスティックでしかできません。つまり、ブースターはどうしたって一定時間作動してしまうようです。(システムをデータ的に解析しているのではなく、自分でいろいろ試しているだけなので、断言はできません……)

 なので、角度を浅くしたいなら、QTが発動したと同時にRスティックを離して最低限にとどめるか、逆に旋回させて抑制することになります。
 角度を深くしたいなら、できるだけRスティックを倒したままでいればいいわけです。
 時には、クイックブーストが終了しきっても望んだ角度にならないこともあるでしょう。その場合は、QT後、更に通常旋回で残りを補うことになります。
 そしてここで、「もう少し旋回力ほしい」ということにもなり、脚部の取り替えやチューニング、あるいはブースターの変更という選択が出てくるのです。

 

QT時に発生するスリップ

 この項目はちょっと高度です。
 というか、近距離で本格的に戦うのでないなら、まず必要にならない内容です。というか、「趣味として近距離戦をしてみる」程度でも、別に気にするほどのことはありません。しかし、本格的に戦いたい、勝ちたいのであれば、無視できない問題になります。

ARGYROS使用

HOLOFERNES使用

 まずは左の写真をご覧ください。
 それぞれサイドブースターだけが異なる機体で、右方向へQTした結果です。
 上は高Q推力・短噴射のARGYROS。
 下は低Q推力・長噴射のHOLOFERNESです。
 手動なので誤差はありますが、何度繰り返してもだいたいこんな感じになります。
 なお、旋回操作は一瞬。QBを入れた時点でRスティックは離してしまっています。

 この写真から分かるのは、二つ。
 まず一つは、旋回角度の違いです。Rスティックの操作はほぼ同じなので、ブースターによる差のみが、この写真の旋回角度の差として表れています。
 クイック推力の高いARGYROSのほうが回っていません。旋回に費やす操作がほぼ同じであれば、噴射時間の長いブースターのほうがよく回るということです。
 それからもう一つが、どちらにも共通している機体流れです。
 開始地点からずいぶんと機体が流れてしまい、大きく位置が変更されています。
 この機体流れのために、「180度旋回したら、真後ろを向いているかというと、そうではない」という現象が起こります。

 この機体の流れかたについて、あらためて撮影した写真が下のものになります。

だいたいこの位置から…… これもやはり手動なので、厳密には少し狂っていることもありますが、ベースにしたのはテストモード、すぐ傍にあるビルです。
 このビルの前で、うちのJINが背負ったダブルレーダーをガイドラインにしてほぼ位置を合わせ、その上でARGYROS、HOLOFERNESそれぞれのサイドブースターで右へとQTしてみました。
 その結果が、下にある2枚の写真です。

 

 

 

ARGYROS HOLOFERNES

 左がARGYROS、右がHOLOFERNESです。
 それぞれ、レーダーを見て、「真正面」をまっすぐ見るように調整して撮影しています。
 一目瞭然ですが、ARGYROSを使用しているほうが機体が左へ大きく流れてしまっています。つまり、クイック推力の高いブースターほど機体が横へ流れるのです。
 しかも。
 Rスティックを長く倒しているほど、横流れが大きくなることも確認しました。同じブースターを使っていても、すぐに旋回をやめてしまうと右側のような、流れの少ない状態で終わり、QBが終わっても旋回を続けるくらいにRスティックを倒していると、左の写真のようになります。

 QT後のサイティングにとって、位置のズレは大きな問題です。
 上級者であれば、これすらコントロールして戦うのだろうと思います。しかし残念ながら私レベルでは、この事実を戦略や攻略に落とし込めません orz
 せいぜい、「横流れを少しでも短くしたいなら、クイック推力が低いブースターを使って、Rスティックは早目に離すといい」ということが言える程度です。

 

QTについて、まとめなど

 かなり長くなりましたが、QTという操作とブースターについては、以上です。
 特に後半は、中〜遠距離で戦うならあまり必要のない、QTの使い方と制御の話になってしまいました。
 QTに関しては、これで興味を持って近距離戦で遊んでみようと思ってくださる人がいれば幸いですし、近距離戦の練習中というプレイヤーさんのお役に立てればなによりです。

 ともかく、大きな角度を振り向きたいなら、旋回性能の高い脚に、噴射時間の長いブースターを使いましょう。ただし、180度以上回ってもいいことはなにもないので、回りすぎる機体にならないように気をつけてください。
 逆に、90度程度のQTでいいのであれば、旋回性能も噴射時間も、低めの脚・サイドブースターを使ったほうがやりやすいことになります。

 また、QT時の横流れを抑えたいのであれば、クイック推力の低いブースターを使い、旋回操作はできるだけすぐにやめる必要があります。ただしこの場合、旋回角度は浅くなるので注意しましょう。

 と、いうことは?
 旋回角度を確保しつつ、できるだけ横流れを防ぎたいのであれば、旋回性能の高い脚に、噴射時間が長くクイック推力の低いブースターを使い、旋回操作は早目にやめるというのが妥当です。……たぶん、理論上、かつ、この検証が間違っていなければ、ですが。

 これまでに説明した「推力」「消費EN」「噴射時間」、それらに旋回という要素を加えた「QT」、ブースターの性能については以上で一応終了といたします。
 ご覧の皆様が、いったいどれくらい本当に「実践」して、その差を体感してくださったかは分かりませんが、他愛ないことでも、余計なことをすべて忘れて繰り返し確かめてみることで、初めて分かることも少なくありません。
 文章で見ていても、頭が混乱してよく分からないこともあるかと思います。(申し訳ないTT)
 できればご自分で、愛機のサイドブースターをARGYROSとHOLOFERNESあたりで入れ替え入れ替えしながら、角度や横流れについて体感してください。それが一番です。