アセンブル:滞空機体

 たとえば「クレイドル03防衛」のように、飛行能力が低いと、落下による失敗が発生しかねないミッションもあります。
 また、オーダーマッチなどのネクスト戦においても、上空から撃ち下ろしたほうが戦いやすいこと、有利なこともあります。実際、「相手の直上をとるようにして攻撃する」というのが有効な相手もいますし、地上は障害物(地面の隆起も含む)が多くて射線を遮られがちだけど、空中から撃てばどうということもない、ということもよくあります。

 そういうときにあると便利なのが、滞空機体。
 一口に滞空機と言っても、プレイヤーのEN管理能力によって性能は大きく異なると思いますが、今回は初級者向きに、とにかくENの心配をしなくていい機体を作ってみましょう。

 

滞空機に必要な能力・不要な能力

 必要なものは、一にも二にもENです。
 大量に供給・備蓄することはもちろん、できるだけ消費しないことも重要。
 滞空することだけを考えるならば、これだけと言っても過言ではありません。

 そして、不要な能力というのは特に決まってはいません
 狙撃機や機動機と違い、滞空して「どう」戦うかは様々です。滞空して狙撃することもあるし、滞空しつつ張り付くこともあるでしょう。重火器を搭載しても飛べないことはないし、防御が高くても低くても、機体が重くても軽くても、そのこと自体は飛行能力にあまり関係しません。

 

滞空機に必要な能力

 潤沢なENがあることが必要条件です。
 そして、ENの維持方法はごく単純です。

 まず、ジェネレーターは大型。これで充分な量の「EN出力」「EN容量」を確保します。
 それから、機体のフレームや装備していく武器は、できるだけ「消費EN」の小さいもので組みましょう。武器は、持っているだけでENを消費します。格納していてもです。なので、余計な武器は持ち込まず、持ち込む武器もできるだけ消費ENの少ないものにしましょう。
 更に、EN武器であれば撃つたび、斬るたびにまとまったENを消費することになります。「発動時消費EN」ですね。なので、滞空機に持たせる武器の基本は実弾、と考えてください。
 ブースターの「垂直消費EN」「水平消費EN」「クイック消費EN」もチェック。飛行中は常に垂直消費ENを消費しつづけます。それに加えて、前進後退、左右移動、QBで追加のENを消費します。よって、これはできるだけ低いほうがいいことになります。

 極端な機体で良ければ、これだけです。

HEAD KIRITSUMI-H
CORE C01-TELLUS
ARMS XAM-SOBRERO
LEGS L02-ALBIREO
FCS EKHAZAR-FCS
GENERATOR S08-MAXWELL
  
MAIN 内蔵
BACK 内蔵
SIDE AB-JUDITH
OVERD KB-JUDITH
  
R ARM LAHE
L ARM

LAHE

 その極端な機体がこれ。戦闘力を無視して、ただひたすらEN負荷だけを考えました。
 しかし、この機体の「他の能力」はと言われると……企業スタンダード機たちとちょっと比べてみましょうか。
 まず、タンクなので重いです。つまりスローです。しかも内蔵のブスターも、低消費ですがスローです。
 APは並。
 実弾防御は……そうか、SOBRERO腕のせいか。企業機RIGELより下ってなにさ。でも純正軽量機たちよりはマシなようです。ただし、スローなのに脆いってのは危険ですね。
 EN防御はさすがインテリオル。有澤とアスピナに足引っ張られてもベスト10圏内です。
 PA性能は逆ベスト10入り。期待できません。
 安定性能は伊達にタンクじゃないので、ここは非常に高いレベルです。
 EN回復力・持続力は、どちらも企業スタンダード機を押さえて堂々の一位。オメデトウ!ってかそのために作ってるわけですが。
 旋回性能は脚部依存のステータスなので、そのままALBIREOの性能です。

 腕さえもう少しマシなものにして、武器をもう少し持ち込むなりすれば、特に実用性がないわけではないのですが、この機体に持たせた武器はハンドガン二丁のみですし、FCSは距離適性とか機動適正を考えて選んでいません。
 そしてなにより、スロー=回避が苦手なのに、実弾防御に難を抱え、しかも近距離用の武器しか持たないのでは……。PA性能も低いし、狙撃されたらどうすんねん orz 狙撃機アセンブルのところでサンプルとして挙げている、軽量+狙撃、というのが相手だったら、近づくことができず一方的に攻撃されかねません。

 使えないとは言えなくても、ここまでEN効率だけに特化しなくてもいいだろうし、もう少し他に必要な能力もあるだろう、という気がします。

 

他に持たせる能力と合わせて調整

 ただ滞空可能な機体を作るなら、ジェネレーターをEN出力・容量ともに高い大型のものにし、他のパーツすべてを消費EN、移動時消費ENの低いものにするだけ。上記のように作るだけです。
 しかしそれだけでは、「長い時間余裕で飛んでいられる、空中でQBしまくってもまず問題なし!」というだけでもあります。移動しかしない機体であればこれでいいのですが、ほとんどの場合、戦わないとなりません。
 そこで、その機体でどんな相手と、どういう戦い方をするのかに合わせて、他の能力も持たせる必要があります

 滞空して狙撃するなら、狙撃能力に関わらないコア、そしてそれほど大きくは影響しない脚を省エネにするのが簡単でしょう。幸い、狙撃機体は(狙撃が有効な間合いであれば)忙しく動き回らずとも戦えるので、ブースターは素直に低消費で組み込めます。
 そして、狙撃能力に必要な距離・正確さを司るパーツ、つまり頭部・FCS・腕を、消費ENと攻撃能力のバランスをとりながら選択します。
 必要な武器を持たせた上で、積載が足りないようであれば、できるだけ省エネな脚の中で積載が十分なものを探したり、チューンで補えばいいですね。

 しかしこれが、滞空しつつ機動戦をする機体、となるとこう簡単でもなくなります。
 それは初級者が扱える機体ではないので、ここで詳しくアセンブルするのはやめておきます。
 はっきりと言えるのは、激しく動きまわるために大量に消費するENを確保するため、低消費・大供給の機体になるだろうこと。そして、アドバイスとしては、機体を軽量化すれば推力はそれほど高くなくてもスピーディに動けるので、やたら高推力にする必要はない、と申し上げておきます。もちろん、軽量・高推力でカッ飛ぶ滞空機もアリです。面白いですよ★

 

必要充分なEN

 さて、まずはスタンダードに、ENに余裕のある機体を作って滞空し、戦ってみましょう。
 実際に使っていく中で、もう少しスピードがほしいとか、軽くしたいとか、推力が高いと扱いづらいとか、いろいろ出てくると思います。
 それに応じて必要なパーツを変更し、調整していけば、自分好みの滞空機の完成。

 慣れてきて、戦い方も定まってきたら、気にかけてほしいのは「ENが有り余っていないかどうか」です。
 滞空機はEN消費が激しいので、ENに余裕を持たせて作るのは基本ですが、思うままに戦っていてもENゲージが半分になることもないようなら、それはちょっと余りすぎのような気がします。
 それがどんな不満もない、ベストな操作感、挙動の機体であれば、余ったENはそのままにしておけば構いません。
 でも、もっとスピードがほしい、軽快に動きたい、もう一つ二つ武器を持たせたい、重火器を装備させたい等々、他にほしい性能があるようなら、使わないENは捨てて、よりベターな機体へと調整しましょう。

 まず、ジェネレーターを小型化すれば、それだけで重量が変化します。軽くなった分スピードが上がります。ジェネレーターが小型化したら、脚部の積載にも余裕が出るかもしれません。とすると、防御はあまり必要ないからもっと軽い脚に変更する、という選択もとれますし、追加の武器を持たせることもできます。武器を重いものに交換することも可能です。
 あるいは、もっとメリハリのきいた動きがしたいからと、高推力のブースターに交換することもできるでしょう。
 また、ENに余裕があるのであれば、レーザー系の武器を持たせても大丈夫になりますね。

 

EN管理

 機体ではどうしようもない、プレイヤーのEN管理能力。
 これは、私には教えられません。
 動画とか見ていると、適度かつ的確に休んでいるんだなと分かるものもありますが、どうやって操作してるのかさっぱり分からないものもあります。レギュレーションver.1.15でも使っているのかというと、ENゲージがけっこう大きく変化しているし……。できればそういう人と友達になって、マンツーマンで教えていただきたいくらいです。
 それはさておき。

 プレイヤーのEN管理がうまければ、たとえ私では滞空戦闘ができないような機体でも、悠々と戦わせられるのは確かです。
 なので、ここに書き付けたことはあくまでも、「初級者さんのための基本」でしかないことはお忘れなく。世の中には、ENのことなど特に考えずに機体をアセンブルしても、それで平気で飛びまわれる人もいるようです。
 そういった上級者の領域へ到達することは、なかなかできないかもしれません。ですが、自分なりに、必要なENが少しずつ減っていくことはあるでしょう。

 すぐ上で「必要充分なENでいい」と書いていますが、これは機体だけのことではありません。
 自分のEN管理能力が上がり、うまく休みをとってENを維持できるようになったら、それでもやはり必要なENというのは減ります。
 滞空し、ある程度動きまわって戦う機体を作ったら、それはそのまま図面に残しておいて、時々思い出したように動かしてみると面白いかもしれません。かつては「これくらいないと不安」だったENが、気がつけば減っているかもしれませんね。

 

総括

 滞空機については、現時点の私の愛機の中からいくつかピックアップしてここに記しておきます。
(投稿愛機にも高効率の機体がありますが、これを書いているより後に投稿いただいた機体に対して不公平になりますので、紹介は管理人の愛機のみといたします。親バカではないんだヨ! ということで、ご了承ください)
 興味があれば、参考にしてみてください。
 あるいは、投稿いただいている皆様の愛機の中から、パーツなどを見て「これは滞空しやすそうだ」と思ったら、ぜひお試しください。

「実用機」の中から
 【実防の機公子(仮)】……いい加減名前つけてやれという気もしますね。それはともかく、マザーウィル戦で滞空しつづけて戦うことを前提にしています。それほどENが有り余るタイプではありませんが、たまにQBする程度なら余裕。また、ブースターは並で機体重量も並なので、スピードはそこそこです。
 【Rain】……滞空狙撃機です。頭と腕はまんま047。コアと脚は省エネで、武器はスナライ。スナライ二丁と背中武器を装備するため、積載が足りるEKHAZAR脚になっています。つまり、上で紹介している滞空狙撃機の、一番シンプルな作り方に則って作った感じです。
 【Nacht Adler】……こちらも滞空狙撃機ですが、Rainより軽量な分、動きが軽やかになっています。ただしブースターはかなりマイルドなことに注意してください。高速でカッ飛ぶことは考えていません。それでもけっこうなスピードで動きます。

「ネタ機」の中から
 【Ventarron】……仮の名前が「機動滞空」だったくらいで、空中で高速移動することを前提に作っています。だからと言ってEN的にそれほど余裕があるかというと……プレイヤーさんによっては、「これじゃ足りない」と思うかもしれません。私にとっても余裕で滞空しつづけ、かつ機動戦ができるというわけではないので、あくまでもネタ機です。

 既に書いているとおり、「滞空」だけが目的になることはありません。
 滞空して、「どう」戦うか。それによってアセンブルは大きく変わります。
 それでも、滞空するために必要な基本と、忘れてはいけないちょっとしたポイント―――たとえば、格納武器も持ってるだけでEN食うんだから、どうしても必要だっていうのでないかぎり持っていかないほうがいい、とか、そういった豆知識は存在します。
 また、やたら高効率にすればいいかというと決してそうではなく、余るほどのENは他のものに交換したほうがいい、という点も大事。

 滞空して、どう戦うか。
 それをイメージして、自分なりの滞空機を作ってみてください。