アセンブル:防御性能

 ACには、「防御力」が3種類あります。
 「実弾防御」「EN防御」「PA」です。
 この内PAは今回除外して、防御力の高い機体を作るとき、私がどう考えてパーツを選択していくかを紹介します。
 そのために今回、文章ばっかりでかなり長くなっております。ご覚悟のほどを……。

 

実弾・EN防御、どちらかだけが高い機体

HEAD KIRITSUMI-H
CORE GAN01-SS-C
ARMS GAN01-SS-A
LEGS RAIDEN-L

 これはわざわざ解説する必要がない気もしますね。「そのステースの高いフレームを選ぶ」が基本です。
 左にあるのは、実防のみを見て作ったフレームです。作るのは非常に簡単です。

 しかし、「実弾防御」しか見ないで作ったフレームは、他のステータスで著しくマズい可能性もあります。
 そこで、この機体が「どんな機体」になっているのか、企業スタンダードの機体と比較してみるとします。

 まず、言うまでもなく重いですね。相当重いです。内燃機関や武器は特に重くも軽くもないものにしてみましたが、それにしたって3万に迫る総重量はシャレになってません。3万というと、「RAIDEN」クラスのみが到達する数字です。最高級に重いレベルです。これで武器をグレネードとかに交換したら余裕で3万超です。一度作って動かしてみると分かりますが、推力の低いブースターでは満足に動くこともできません。
 重さは機体のスピードに大きく関わってきます。この機体の平均速度(アセンブル画面で△を押していくと右側に出てくる、機体の総合ステータスに存在します)は、サイドブースターとオーバードブースターを最も良いものに換えても下から4位です。これでブースターもクーガー製にし、アサルトライフルとか持たせてあるのを強バズに換えると、ますますひどいことになります。
 そしてもうひとつ悲しいのはPA性能。これは、GA・有澤が全員揃って下位争いしており、このフレームもその中に入ります。ということは、ハイレーザーライフルとかプラズマライフルとかは絶対勘弁!という仕様です。あとレーザーブレードもゴメンナサイ。しかもトロくて逃げきれない可能性大です。
 で、EN防御は真ん中くらいです。NSSとか中SUNSHINEよりはマシな感じ。ただし! 下位にいるのが軒並み軽量機であることを考えると、「こんだけ頑丈そうなのにこの順位か」というところではあります。なにより、重い→遅い→敵の攻撃を避けづらい、という連鎖が起こるので、軽快に動いて避けられる軽量機よりも危険かもしれません。

 こういったマイナスの反面、APはさすがにトップクラス。これより高いとなると、企業機体ではGAN01-SUNSHINEのみです。……つかさすがですね、重悪魔超人……。
 そして安定性能は第一位。そりゃまあRAIDEN-Lですから……。ちょっとやそっとやもっとでも、そうそう動じるものではありますまい。

 実弾防御だけに特化しきった機体は、強みもはっきりしていますが、弱みもまた明確です
 このフレームも、敵が実弾武器しか持たず、ガチで撃ちあうなら相当強いでしょう。しかし、軽量のレーザー持ちが相手となると、一発当てればデカい反面、それが当てられないと一方的に削り倒されてしまう危険性も孕みます。
 本当にただ実防だけ高ければいいならともかく、それでは困るとなったら、ここから調整していきます。(もちろん、こんな馬鹿正直に実防ONLYで仮組みしなくても、最初からある程度候補をしぼりつつ仮組みを進めればOKです)
 まず、これでは重すぎる=遅すぎると思ったら、タンクはやめよう、と考えられるかもしれません。あるいは、タンクでも構わないけれど、ブースターを推力重視で選びなおすことで、横移動だけでももう少し素早くできるでしょう。

 今回は双方の面で見直してみます。
 脚は「タンク以外で実防が高いもの」を選んでみましょう。
 まずは脚部を実弾防御順にソートして、上から見比べながら、少し軽いものを探していきます。
 すると、二番目に位置するGAN01-SS-Lは、いきなり重量半分。それでいて実防は50も変わらないし、ブースターを自由に選べるので、これだけでもかなり軽快に動けそうですね。これより軽いとなると、SOLDNER-G8LやHILBERT-G7が出てきます。
 その下に行くと、四脚のGAEN01-SL-Lも出てきます。四脚は地上でのブースト移動が速いという特長があるので、EN消費が上がってもいいなら、これもいい選択です。

 ブースターは、自分の扱いやすいスピードになるよう、「もう少し推力の高いもの」とか「もう少しスローでもいいかな」と変更していきます。
 ここは個人の好みとか慣れ、熟練度次第です。

 こんなふうにして調整しつつ、実際に使ってみて、「これでいいか」と思えるものを作っていきます。
 ミッションやオーダーマッチに使うなら、そう煮詰めなくてもクリアできさえすればOKです。まあ、だいたい、で。あんまり細かくこだわることもありません。
 しかし愛機を磨き上げていくなら、何度もパーツを取り替えたり、チューニングを施したりしていくことになるでしょう。

 

実弾防御の高い機体、でも、EN防御も無視できない

 たとえば、大半の敵は実弾を使用するので実防重視で組みたい。しかし、中にレーザーライフルを持つノーマルも多数紛れていたり、あるいは、レーザー持ちのネクストやAFがいる。
 そんなときには、実弾防御だけでなく、ある程度のEN防御もほしくなります。
 ものは考えようなので、実防だけ重視した機体を作って、レーザー持ちの敵を優先して倒す、という戦術でフォローするのもアリですが、今回は、実防をメインに、EN防もある程度持った機体を作ることにしましょう。

 方法は二通りあります。
 一つは、実防重視で作った機体の一ヶ所を、EN防御が特に高いパーツに交換する、という方法。
 大雑把に言えば、GAのSUNSHINEベース機の脚だけをインテリオルのTELLUSに換える、といった感じです。
 もう一つは、実防重視で作った後、全体的に、実防は少し落ちる分EN防の高いパーツへ交換していく方法。
 SUNSHINEをベースにし、複数ヶ所をHILBERT、SOLDNERなどへ交換していく感じになると予想されます。

 簡単なのは前者です。
 たとえば、重SUNSHINEを組んで、それのどこか一ヶ所をEN防御が最も高いパーツに変えるとしましょう。
 頭は差が小さいので、換えてもいいけれど換えなくても差がなさそうです。(そもそも私なら、差が小さい防御ではなく、差が大きく影響するカメラ性能や安定性などで頭部を選んでしまいます)
 コアは、最もEN防御が高いのはTELLUS。これに交換すると、実防は1660下がってEN防は1254上がりますね。ふむふむ。
 腕はHILBERTが最もEN防御が高いようです。これに交換すると、実防の低下は1128。EN防の上昇は529。……コアを換えるよりも実防の低下が少ない分、EN防の上昇もささやかですな。ただし、腕は攻撃能力を左右するため、防御力優先で選ぶことはほとんどありません。まあ、HILBERTなら、重いことさえ我慢できれば万能ですし、OKかも。
 じゃあ脚だと? TEELUSに換えると実防低下2257。EN防上昇714。……実防下がり過ぎ、EN防の差微妙すぎ。それに、旋回性能から安定性からAPから、軒並み下がるのも気になります。
 というわけで、一ヶ所交換するなら、コアにするでしょう。
 こうやってすべてのパーツの変化をきちんと調べて交換するなら、悪い選択ではありません。簡単ですし。
 ただ、今回は「コアを換えるのが一番良さそうだ」と分かったからそうしますが、こういう比較検討をせず、「じゃあ脚を換えよう」と思いつきだけでやったら、大損ですね。

 しかし私は、後者のやり方をとることが多いタイプです。
 同じように重SUNSHINEを組み、これのEN防御を上げるなら、頭から全部、実弾防御、あるいはEN防御の高い順に並べ替え、他のステータスも含めて見ていきます。
 まず頭はEN防御順に並べ替えてみました。トップのLINSTANTは論外として、その下のHILBERT。実防178低下に対してE防325上昇。お得な感じ。それに、APと実防(とシステムリカバリー)は落ちるものの、他がすべて上昇するなら、こっちのほうがどう考えても良さそうな感じ。実防しか求めない機体ではないのだから、まずこれでいいんじゃない?と決めます。でももう少し下を見ると、ARGYROSも出てきます。実防低下44に対してEN防上昇148。変化の差が小さいことと、安定性がマイナス補正なのが気になるので、やっぱりHILBERTでしょうかね。
 コアはEN防御順に並べ替えてもピンと来なかったので、実防順に並べ替えて見てみます。二番目に実防が高いのはARGYROS。PA性能も上がるので、SUNSHINEからの変更としては悪くない選択です。ただ、重量とEN消費が上がるので、あくまでも候補。その次はSOLDNERで、APが目立って落ちるのは気になるものの、重量の増加は僅かだし、安定性がプラス補正になるのも魅力。その下に行くとEN防御まで落ちてしまうので、このどちらかが候補です。私だと、SOLDNERを選びます。とすると、実防低下392、EN防上昇284。
 ……ここで、上昇数値が微妙なのが気になりました。ということで、いったんSOLDNERコアを選択して組み込んでおいて、更に下を見てみます。しかし、実弾防御が3000程度はあるコアの中には、よりEN防御の高いものはないことが判明。SOLDNERで良しとするか、いっそここは実防だけ見てGAN01のままでもいいかもしれない、と考えます。
 ただ、更に下に行くと出てくるTELLUSだと、実防の低下も激しいもののEN防が大きく上がるので、「これだ!」とピンと来るもののない現状では覚えておくことにします。
 腕はやっぱり割愛します。ただ、選び方はここまで説明してきたのと同じです。並べ替えて、比較検討です。使う予定の武器、とる戦法に合った腕の中で、実防の高い腕、あるいはEN防もそこそこある腕、という感じになるでしょう。
 ちなみに脚は、実防が1000以上低下するのにEN防の上昇は500〜700程度、といったことが多く、得るものより捨てるものが大きい気がしてしまいました。そもそも重二のSUNSHINE脚はEN防御も意外に低くない脚なのです。安定性も高めですし、ここはこのままでもいいかもしれません。

 という具合に選んだ結果、―――「ほとんどEN防御上がってねぇじゃん orz」という現実に直面します
 そこで、更に考えます。
 頭はカメラ性能や安定性などを考えたらHILBERTは確定。他の候補を見ても、防御力で見るかぎりにおいては、HILBERTを越えてバランスがよく優秀なものはないように見えます。
 腕は攻撃性能を見つつ、その中で実防が高く、EN防も低くないもの、と選ぶか、あるいは、攻撃性能で選んだら十分にEN防御のあるものになった、か。ここはちょっと不透明なので、やはりスルーしておきます。ただし、ここの選択が他のパーツの選択に影響する可能性はあります。ここで選択した腕のEN防御がかなり高かったら、他の部分は妥協できるかもしれません。
 脚は、やはり安定性や旋回性能などもあるので、候補にするとしたらSOLDNER-G8LかHILBERT-G7Lのような気がします。ただし、1000以上実防が下がるのに、EN防は700程度しか上がらないというのがちょっと引っかかる部分。それなら、このパーツではガッツリと実防を確保しておく、と考えるのもアリでしょう。
 だとしたら、いっそコアをTELLUSにしてしまえば良くないか? これなら低下も大きい反面上昇も大きい。重量と消費ENも少し抑えられる。でも、安定性が下がるのはちょっと痛いか……?

 もういい加減長くなったのでこのへんにしておきます。
 ともあれ、私の場合はこうやって考えながら機体を作っていきます。
 今回のサンプルは、結局コアをTELLUSにするなら、前者のやり方でさっと選んだほうがはるかに簡単だったことになります。
 ですが、2通りの方法の結果がいつも同じになるとは限りませんし、「他のステータスとの兼ね合い」を考えると、実際には後者のやり方で吟味していくことが多いのではないかと思います。
 ひたすら比較検討。上がる分と下がる分を見て、どっちをとるか悩みます。
 そうしてある程度出来上がったら、あとは、実際に使ってみて、修正します。
 なんだかんだ言って、一番大事なのは「実際に使って、調整していく」というこの部分なんですけどね。

 

ソートを使いこなそう

 今回のパーツ選択でもやっている「○○順に並べ替える」、すなわちソート
 アセンブル画面で□ボタンを押すとリストが出てきます。

 上記で実際にやっていますが、実弾防御順で並べて見るか、EN防御順で並べて見るかは、同じことを目的にしていても、パーツによって使い分けることもあります。
 このあたりは個人の感覚もあると思いますが、ソートを知っているのといないのとでは、パーツ選択の効率が大きく変わります。
 説明書を隅々まで読まないとか、画面上の案内もあまり見ないという人は、案外気づいていない機能かもしれませんね。

慣れないと混乱するかもしれないけど…… それから、ステータスを見るときは、私は△ボタンを二度押して、全ステータスが表示されるようにします。左の写真ですね。
 この画面、ACに慣れない間は、いろんな数字がズラズラ並んでいて圧迫感がありますが、この画面でないと表示されないステータスもあるため、必ず見ることになるはずです。
 左半分はそのパーツのステータス。右半分はAC全体の総合ステータスです。
 この右側のステータス、鵜呑みにできない部分もありますが、「慣れてきたけど、まだ細かいところはよく分からない」ときなら、こちらを見ながらアセンブルしてみるのも悪くはありません。PA性能が全体的に上がるのか下がるのかとか、スピードが結局全体的に早くなるのか遅くなるのかとか、ENには余裕が生まれるのかそれとも厳しくなるのかとか……。

 

総括

 防御力をメインに据えてアセンブルするとき、ポイントになるのは、もしかすると頭と腕の考え方かもしれません。
 他のパーツは防御力をかなり重視して選ぶことができますが、この二ヶ所だけは別です。
 頭部は防御力の差が小さいため、交換しても200とか300程度の差。それも小さくはありませんが、1000変わるパーツに比べたらささやかです。それに、カメラ性能や安定性が重要なことも少なくありません。
 腕はどうしても使う武器、戦い方で縛られてしまうので、それを後回しにしてまで防御力を優先させるのは危険です。その戦闘に相応しい攻撃性能と、必要になる防御力を考えて、どちらをどれくらい妥協するか、妥協した分をなにで補強するかを考えます。すると、腕にしか存在しない照準精度や運動性能は他のパーツではフォローのしようがなく、防御力のほうが妥協しやすいのです。

 アセンブルには人それぞれのやり方があると思います。
 なので、私のやり方そのものをオススメするつもりはまったくありません。
 このアセンブルに関する項目はすべて、一つの考え方として、どう考えて進めていいか迷っているかたの参考になれば、というだけのものです。
 特に、「必要なステータスを選択する」というより、微妙な調整が入る場合には、なにをどう考え、どれを選ぶかは人によって大きく異なることもあるでしょう。
 私のやり方は、あくまでも私個人のもの。
 貴方は貴方のアセンブル術を構築していってください。
 その一助になれればなによりです。