烏の足跡



2014年1月1日(水)

 あけましたおめでとうございます。

 新年早朝早々にエクスペンダブルズ2を見ながらご飯食べてます。蕎麦じゃないです。年はとうに越しましたしね。
 今回は字幕。
 あちこちで英語ならではの懸け言葉みたいなのが出てくるので面白いですね。字幕が日本語らしいアレンジのこともあれば、英語の直訳がそのまま字幕になってて吹き替えとは違ったり、日本語化の苦心がうかがえます。
 3度めは英語字幕で見る予定。

 冒頭は短いながらも見せ場が多いし。特に新キャラの狙撃手ビリーの腕が神級でビビります。一射貫通で2人とかやってるし、かっこいい! 短くてもこれだけの見せ場があれば、間もなく退場でも不満はありません。
 しかし、バーニーの拳銃早撃ちなみの速度でライフルは撃てないと思うんですが、あれは機関銃かなんかだったのでしょうか?
 アルバトロス号の鼻面にサンタのペイントがしてあるのは、あそこの機銃室が「クリスマス・リーの席」だから? これ、最初見てるとき全然気付きませんでした。
 ビリーのセリフは「Sir」つきなので、丁寧語に訳してるんだなぁ。
 ただ、1もそうですが、バーニーとチャーチが一緒にいるシーン、双方の顔が同じ画面に入ってることがほぼなくて、数秒間以外は別撮りと、他人の背中っぽく……。でも今どき、合成でも見分け付かないだろうし……。

 前作もそうですが、バーニーことスタローンが全力疾走するシーン、走り方がなんともこう……個性的というか、どすどすどすって感じでスマートじゃないけれど、そこが魅力的に思えるマジック★
 体型も、ヴィラン(バンダム)のほうがバランスよくてかっこいいんだけど、バーニーにはバーニーの魅力というか。
 そのヴィランも、不思議なキャラだなと改めて思います。冷酷で、金のために平気で大勢の人間を使い捨てにするくせに、最後にはバーニーとタイマン。てかボスが残って戦うってどういう組織ですよ。追い詰められても卑怯な真似はしないし。なんかこう、ガチのタイマンと言いながら銃持ち出すくらいが、ありがちなボスですよね?
 5トンのプルトニウムがあれば世界情勢が変わることは分かってて、その混沌が訪れたとき、彼はどういうプランを描いていたのか。斬ろ400万$=4億円。5トンだと莫大な金になりますが、その金でなにをする気だったのか。
 そんなことなにも設定してない勢いムービーでいいんですけど、ヴィランの不思議なキャラのせいで、支離滅裂とは感じません。

 3の情報もまた少し出てきてますね。予告ムービーも見ました。
 バーニーの嫁さんだとか、ガンなーの娘だとか、内輪ネタが更に増えてるらしいですけど、どうなんだろ。ドキハラ。ジエット=リーの撮影期間が4日間とかいう話もちらりと見たし……。
 3は絶対に映画館に観に行くぞー!

 ……新年早々、通常運転です(笑



2014年1月3日(金)

 勤めていたときからずーっと思っていた。
 しかしもしかするとそれは、勤めている側だからであって、案外、完全に一人の客であれば、違うのかもしれない。
 と思っていたが、結局ただの客になっても、嫌なものは絶対に嫌だし、「理解できん」のだ。

 なんで何分も並んでまでDVD借りようと思うかな

 なんとなくメン・イン・ブラックとラッシュアワーでも見ようかとレンタルしに行って、10人以上並んでたのでとっとと帰ってきました。
 だってこんなん、あと一週間ほどもした平日になれば並ばずに借りれるやん。別に今日、今見んでもどうってことはないし、映画見ないなら見ないで他にすることもあるし。
 お子様がいるとね、「見たい」と駄々をこねる子のために渋々並ぶってこともあると思いますけどね。

 ちなみにその前に、今のバイト先で「ママ★」と呼んで仲良くしてる年配の女性が間もなく誕生日なので、ショッピングセンターに買い物に行ってきましたが、食事も並んでないお店です。
 てかたこ焼き屋さんとかミスドとかマックとかモスとか並びすぎや orz
 あんなん待つくらいなら格別美味しいわけでなくても不味くもない、ありふれたうどん屋さんでいいです。

 あ。
 そういやうどん・蕎麦と言えば。
 私が今、次巻をすごく楽しみにしている漫画に「蕎麦屋幻庵」というのがあります。江戸時代の夜鳴き蕎麦屋(元勘定方の役人で旗本のおじさん)を主人公にした人情時代劇なのですが、これ読んでると美味しい蕎麦が食べたくなります。
 蕎麦については、長いこと「これは美味い!」というのを食べたことがなく、実家で「ここの蕎麦は美味しい」と言われている麺を茹でたところで「いや、別に……どこが?」だったので、あえて食べたいと思ったこともありませんでした。
 が、この漫画読んで、「本当に美味い蕎麦なら、私でも美味いと感じるのかもしれない」と、同僚に声かけて美味しい店教えてもらい、そうして食べたらたしかに美味かった、という経緯があります。
 そして改めて思うのは、うどんは、余程まずくなけりゃそこそこ美味しいと思って食べられますが、蕎麦はダメだということ。私にとっては、ですが。
 ものすごく美味いうどんでも食べればそれはそれで目鱗なんだと思います。でも今までに食べてきた中で、これは食えたもんじゃねぇ、なんてのは自分で作って失敗したときくらいですからっ。……濃すぎたんですよ、つゆがね…… orz
 お。そういや今のバイト先の食通くんに、肉とか魚とか中華とか、いろいろ美味しい店教えてもらったけど、蕎麦、うどんってまだ聞いてないな。今度尋ねてみよっと。



2014年1月4日(土)

 年明けからDVD鑑賞中で、今日は手持ちの「犯罪余地ユニット」の続きとか、そして「フック」です。
 フックは個人的にはマイ・ベストに入る映画です。って、何度かザレてる気もしますがいつもどおり気にしません。

 ロビン・ウィリアムズが大人になって自分がかつてピーターパンだったことを忘れてしまったピーター役。ティンカーベルにはジュリア・ロバーツ。宿敵フック船長にはダスティン・ホフマン。そしてフック船長の右腕(?)のスミーが実はボブ・ホプキンス……監督はスピルバーグという、実はとんでも豪華な作品。
 興行的にはスピルバーグ作品のわりに今ひとつだったはずですし、世間の評価も低めだったように覚えてますが、分かりやすいし、笑えるし、シンプルにいい話だし、気負わずいつでも見れる良い映画だと、勝手に思ってます。
 年を取らなかったピーターパンが、ウェンディの孫娘に恋をして大人になることを選んだ、という設定も素敵。ウェンディおばあちゃんが、かつてのパーターパンと出会ったウェンディ。

 それにしても、冒頭でピーターが取り出す携帯電話。時代を感じますね。アンテナ伸ばす無線機みたいな外見です。公開は1992年かそれくらい? 20年も前です。
 もう10回以上見てると思いますが、実は吹き替えで見るのはこれが初めて。ロビンのファンとしては彼の声で楽しみたかったのですが、やはり吹き替えの台詞もきいてかないとね。
 そして、数年ぶりに見るとまた新しく心に引っかかる部分が見つかります。
 ティンカーベル登場のシーンで、「大きくなったのね。遊ぶ楽しみも倍になった?」って言われるのですが、今までこの台詞、特にどうとも思わなかったのに、今回はいいなと思いました。

 ちなみにもっときれいな絵で見たく鳴ったので、BD注文。
 当時はCGで町並みからなんから作るなんてより、セット作ったほうが早かったのか金がかからなかったのか、CGなのはエフェクトと、ティンクの部分くらい?
 ついでにwikipediaでちょっと情報チェック。……えー!? 若いころのウェンディってグウィネス・パルトロー!? アイアンマンのヒロインもやってますけど、ちょっと面長すぎて好みじゃないなと思ってたのに、若いころの斜め後ろからのショットはきれいだなぁ(酷



2014年1月6日(月)

 見て、そこそこ楽しんだのに、内容ほとんど覚えてない映画ってのがけっこうあります。
 ジャッキー・チェンとクリス・タッカーの「ラッシュアワー」もそんな中の一つ。
 今回は先にデータベース覗いてみますと……1998年全米公開とのこと。たしかこの映画、ジャッキー自身は気に入ってないんですよね。アメリカ流のアクションとかユーモアがよく分からなかった、と。
 文化の違いについては、そこをきっちり脚本に落とし込めていればバディ二人のギャップとしてうまく出せたのかもしれませんが、アクションはまあたしかに、変なことしまくってて、ジャッキーの能力を活かせてないという印象があったのは覚えています。
 だからといって面白くなかったかというと、そこそこちゃんと楽しめたわけですが。
 今見ると、ジャッキーが若い……!! 1954年生まれとのことなので、このとき44歳くらい? もっと若く見えますね。
 クリス・タッカーというとフィフス・エレメントの超ウザいDJも彼だったっけ?
 久々に見るとアクションはやっぱショボいなと思いますが、全体的には陽気で程よくバカバカしくて、ストレスのいらない映画。

 さて、黒人の、口から先に生まれたような俳優さんつながりというわけでもないのですが、メン・イン・ブラックも借りてきました。こっちはウィル・スミス。
 2作目以降の評価もけっこう高かった珍しい映画の一つですね。私は1・2は字幕で2度ほど、3も字幕で1度見たきりなので今回は吹き替えで。
 フランク(犬)の声が玄田哲章? たかが犬なのに無駄豪華だなぁ。
 シリーズものって、続編がつまらなかったりしますが、MIBは3作とも好きです。
 特に3作目ってホント微妙なことになるタイトルもありますが、MIBはうまく謎を織り込みながら、ギミックもしっかり使って、謎の解明も終わり方もいい感じ。グリフィンのキャラクターも面白いし。3作の中ではこれが一番好きかな。
 ただ、若Kがどうがんばっても29歳には見えない(笑)。いや、あれもう40くらいの顔ですよね? てか、設定的にJのほうが年上になっちゃってるよね? 14年間MIBで働いてた設定なんだから。
 あと、よく見るとコニーアイランドに向かう途中の看板、「しゃべる犬」って、フランクか(笑

 そういえばエクスペンダブルズ3。
 公開日を確認したくてちょっと情報探してたら、ウェズリー・スナイプス、アントニオ・バンデラス、そしてハリソン・フォードの出演も決定してたんですね。シュワちゃんも続投。
 ただ、ウィリスはギャラで揉めて降板。たった4日間の撮影で3億もらえるのに不満で、4億じゃないとヤだって、金銭感覚おかしいだろ。ま、私はウィリスはファンてわけでもないし、その代わりがフォードなので全然構いません。
 敵のボス役はメル・ギブソンで、スナイプスらは味方だって話ですが……。他、若手としてボクサーとかも何人か決定してるとか。うーん、人数増えすぎると一人あたりの登場時間少なくなるし、これじゃリーの撮影も4日感だけだっったって話だし、ちょい役が続出してそうだな……。



2014年1月14日(火)

 アニメのトリコ見てました。
 本誌は第一部完!とか言って島袋さんが休暇中。なんかこう……10巻くらいまでは、「食べる」ことがきっちり描かれていて、読んでいると「ああ、肉食いてぇ!」とかなったのに、ここんとこすっかりさっぱりただのバトルマンガ。
 トリコの小松ラブもどこまで狙ってんだ?と言いたくなるほどのベタベタさ加減が炸裂して軽く引いたクックフェスあたりもあって、コミックスの発売楽しみ度、激減しておりますよ。
 レンタルのアニメだと、今やっと四獣のところですね。食林寺での修行、原作での「トリコはシャボンフルーツを手に入れるという最後の難関クリアしたけど、コマツは待ってただけなのに同じ程度の修行の成果か?」という疑問を、アニメはオリジナルの回を入れてきちんと回収してくれてました。ただそれでも、コマツは特別な最後の試練なしに食儀をモノにしていたことになりますが。でもま、愛丸は短期間でシャボンフルーツ手に入れたわけですし、根が謙虚な小松のほうが、トリコよりも食儀に馴染みやすかったってことで。

 ちなみに突然アニトリの続き見ようと思ったのは、そういえば映画どうだったんだろうと思ったから。
 てなわけで映画版も借りてきました。
 ……相変わらず壮絶にセンスねぇなココ……(笑)。バックプリントがドクロのノースリーブ革ジャンなゼブラもたいがいですが。
 四天王たちより、若ジロさんに「きゃっ★」ってなったりもしてましたし、ヒロインがノッキングで若返っていても実際にはせつのん級のばあちゃんだってあたり、ターゲットがよく分からないのも相変わらずです。じさまばさまの年長者組の強さが圧巻ですな。
 グリンパーチがコメディキャラになってるしなぁ。
 でも面白かったです。四天王の共闘も、原作よりはきちんと一緒に戦ってる感じだったし。
 オチは賛否あるみたいですが、私は「らしい」なと思いました。そのことについては原作でも何度か言及されているし、アカシアの「フルコースにない、特別なメニュー」の正体が「アレ」って、たしかにそういう特別もあるよなと。
 私にとっては「うーむ」は、ギリムがあそこまで暴走した理由に説得力がないことですね。あんな簡単に思い出して変わるなら、そもそもあそこまで花畑を破壊しないだろうという感じ。それに、思ったとおり「世界一うまいもの」を求めたのはアヤメのためだったわけですけど、なのにそのアヤメをないがしろにするほどになるとはちょっと。
 ちなみに声が北大路欣也さんてのにはびっくりです。たしかあのかた、なにか別のアニメでもゲストとして声あててた気がするのですが……。

 そういう大物ゲストの声優が、本職とそれほど違和感なく演じてたというと、ルパン三世のマモー。あれてたしか、何代目かの水戸黄門の人じゃありませんでしたっけ?
 塩沢ときさんがやってたのもなにかあったような。美輪明宏さんもいろいろやってますが……今ひとつかなぁ。独特の声なので雰囲気はありますけど、アルセウスは「うーん」でした。もののけだかは見てません。ハウルは見たけど印象に残ってないなぁ。ほんのちょい役だったような記憶だし。



2014年1月15日(水)

 今日は「ザ・ワン」鑑賞。ジェット・リーによる八卦掌vs形意拳が見られるというだけの映画。
 だがしかしそこが溜め息ものにかっこいいんだからそれでいい映画です。言い切ってやる。あと、優しくて謙虚でキュートな善玉リー(ゲイブ)と、不敵な笑みがやんちゃくさい悪玉リー(ユーロウ)を見るのが楽しいのでそれでいいのです。
 実際わたくし、この映画は4回ほど見てますが、初回以外、屋上&自室でのソロ演舞(トレーニング)と対決シーン以外ほぼ早送りですから!
 でも今回は、まだ髪があったもとい若かったジェイソン・ステイサムもいるしで、ちゃんと見ることにしました。

 病院のシーン、検査前に看護婦さんから「ペースメーカとか入れていませんか」と問われるところで、「では、陰茎インプラントは?」に奥さんが「インプラントなんて。少なくとも今朝までは普通にしてたわ」って(笑
 指輪の伏線は好きですね。二人のそっくりさんの、唯一の違い。
 善良なゲイブのほうは仲間の信頼も厚くて、ユーロウのほうが医者を撃ったのを目撃して「ゲイブがやった」と勘違いされても、「撃たれたショックで一時的に錯乱してるだけだ」「あいつのことは俺が守るから」とか、可愛がられすぎ。

 あらためて見ると、追手の時空刑事二人もなかなかいいですね。ステイサムが演じてる跳ねっ返りの若い刑事ファンチと、上司のベテラン刑事ローデッカー。
 超人と化してるユーロウ相手に戦うローデッカーがリアルで好きです。ぼこぼこにやられるしかないけど、それでも立ち向かうのがカッコいい。
 なんのかんのそんなボスに反発してたファンチも、本当は尊敬してたし感謝もしてたというのが、ガソスタでの台詞だけでなく、その後の使命遂行の姿にも少し垣間見える気がします。
 最後にファンチが見せる心遣いも、それがないとたまらん映画だよなぁという感じ。ユーロウのせいでゲイブは、友人の刑事と奥さん亡くしてるわけだから。

 リー対決が見ものというだけで、他の部分はかなり評価低い映画だったと思いますけど、今回の感想は、90分程度でコンパクトに見せていて、それほど悪くないというところかも。
 ただ、ユーロウが両手に一台ずつ白バイ持って警官殴りつけるところとか、苦笑もののシーンがちょこちょこ挟まれるのが残念。
 いいシーンもあります。どっちがどっちか分からない状態の中盤で、自宅に隠れた「その男」がどっちなのか、これは視聴者に分からないまま。そのとき外から家を目指すほうも、警官に見つかるわけにいかないからこそこそしていて、本当にどっちか分かりません。2回め、3回めの視聴のときこのあたりすっ飛ばしてた私も忘れてて、「え? これどっちだっけ?」てなりました。

 この映画の不評って、「125人のジェット・リー」という宣伝がまずかったんだと思います。せめてもう何人か、別宇宙のリー同士が対決したりするのかと思えば、スタートした時点で122人は既に殺されていて、123人目が殺されるところ。そして実質は、リー対リーは一組だけ。
 ウケ狙ってるのか、別宇宙にいるリーたちの扮装もテケトーで(笑)、ちらっと出てくる「被害者リー」たちは、パツキンのリーとかいかにもな不良っぽいのとか冴えないオタクっぽいのとか……。ファンチがゲイブに説明する台詞で、「別の女と結婚してるあんたもいた。男と結婚してるのもな」とか、それすっげ余計な情報(笑)。他にピックアップするのいるだろうが! 独身のヤツとかさ!?
 リー対決ってだけで宣伝して、そういう変な半笑いになるシーン削除して、代わりの見せ場をいくつか入れるとか、あるいは123人目からスタートするとかだったら、もっと評価高かったかもー。

 ちなみに今回一緒に借りてきたのは、ターミネーター2。シューワちゃ〜ん♪
 でも今日は見に行くのです!! 公開をひそかに(←なんで?)楽しみにしてた「大脱出」を!!
 エクスペがらみで、スタローンとシュワちゃんの名前を連呼してたので、察しのいい友人は「行くんだろ? それとももう行った?」と公開翌日にメール寄越してきました。ごめん、君のメール来るまで日付忘れてた。
 行・か・い・で・か!! しかもPOIで目覚めたジェームズ・カヴィーゼルも敵役で出るっつーに!!(カヴィーゼルが、「マイ・プライベート・アイダホ」に端役で出てると聞いてびっくり。あの映画、リヴァー・フェニックスとキアヌの共演ってことで見たことあるけど、カヴィーゼルはまるで覚えてないなぁ。と思ったら、空港事務員て! ホント端役だな/笑)
 セキュリティの専門家=脱獄のプロがスタローン。送り込まれた洋上の監獄の囚人たちのボスがシュワ。その監獄の所長がカヴィーゼルなんて、どこまでも俺得な映画です。



2014年1月16日(木)

 というわけで当然本日分は「大脱出」の感想です。原題はEscape Planなので「脱走計画」なわけですが。
 一言で言えば、面白かったけれど、いかにもスタローン、いかにもシュワ、という感じの映画ではないです。あと、ものっそ心躍るシーンがあるとか、燃えたぎるシーンがあるとかでもなく、結構淡々とした脱獄サスペンス。
 公開から一週間もたっていないので、オフィシャルのあらすじや公開情報以上の内容、ストーリーについてのネタバレは白文字にしておきます。
 が、ブラウザによっては普通に見えてしまうとか、私は構わないと判断したけどその人にとってはNGなネタバレってこともあるので、微妙だと思うかたはまるっとスルーしてください。

 以下、まずはおおまかなあらすじ。
 脱獄の天才であるレイ・ブレスリン(スタローン)は、民間の警備会社の一員として、「受刑者として投獄され、そこから脱獄する」ことが仕事。警備の隙をついて今までに脱獄した刑務所は14のようです。後の展開から察するに、所長にあたるクラスの人はその事実を知っていて、緊急時には最高責任者の権限で外に出すこともできるみたい。さもないと、警備に穴がなくて脱獄できなかったらどーしよーもないか。
 ある日彼等の会社に、CIAの弁護士だという若い女性が来て、ある監獄でその仕事を行ってほしいと依頼してきます。
 なにかと怪しい感じの仕事で、仲間はやめておこうと言うのですがレイは引き受けます。しかし実はそれは「仕事」として管理されておらず、何者かの陰謀によるものと判明。その結果、いざというときの「避難コード」も通用せず、仲間のサポートも得られず、レイは一人でなんとか脱出するしかなくなります。
 そんなとき近づいてくる囚人たちのボス……というか、強いので一目置かれてるらしい男がエミル・ロットマイヤー(シュワたん)。
 レイはロットマイヤーの協力を得て、脱獄計画を練るのでした。

 というお話。
 この、レイが送り込まれた監獄というのが、レイ自身の著書(タイトルをものっそ簡約すれば「警備の穴」)を参考にしたとんでもない刑務所、通称「墓場」。
 黒い仮面をかぶった看守に、透明な壁で作られたケースのような個室。
 その刑務所の所長ホブス(ジム・カヴィーゼル)は、ハンサムな紳士なのですが、どうにも不気味というか、偏執狂的というか……。
 レイが脱出できることは大前提みたいな映画ですけど、どこに警備の隙があるかとか、ロットマイヤーとの体張り過ぎな協力とか、見どころはいろいろです。

 ちなみに公式のあらすじだと、「レイ自身が設計した脱出不能の監獄」に送り込まれるとかなってますが、レイには監獄警備の穴についての著作があって、それを参考にして作られただけっぽいです。
 シュワが囚人たちのボスってこともありません。強いからある程度は恐れられていて、発言力みたいなのもありますけど、殴りかかってくるヤツとか平気でいます。

 さて、このあたりからはストーリーに関するバレは白抜きしつつ勝手に語ります。
 作中で突然出てくる"ある名前"については、すぐに察することができるレベルでした。というか、他に考えられる選択肢がないじゃん?
 なので、何故ロットマイヤーがやたらとレイに協力的なのかについても含めて、結末までの予想は立ってしまったという……。レイが脱獄専門家だと知っていればこそ近づいてきたんだろうと。
 じゃあなんで知っているのかとなれば、彼がここに送り込まれることに関わってる誰かと関係があるから。その誰かまでは絞れませんでしたが、突然出てくる「マンハイム」という人物がキーになっているとなれば、彼自身がそのマンハイムじゃないかとくらいは予想できるわけだし。

 そんなことを考えつつ見ていたせいで、何故、元検察官だったレイが脱獄不可能な監獄を作ろうとしたのか、という肝心な一瞬を見落として「えっ!? しま……っ」となったのは内緒 orz その後の会話とかでラクに推測できる範囲ですけど。

 穴はいろいろあります。
 ここまで厳重な刑務所で、なんて盗聴されてないのかとか、ロットマイヤー(マンハイム)の投獄を知らせるのが、使う偽名による暗号だというのはいいとして、その情報がどうやって流れているのかとか、っていうかラストでの救援ヘリが来るタイミングがどんぴしゃすぎるわけですが、そのためにはロットマイヤーが外部に「今だ」と連絡できないといけないわけで、そんな連絡許してるならユルユルじゃねぇかとか、説明されていないところは多々。
 他にも、レイに必要だと言われたものをロットマイヤーが入手するのですが、その内の一つである「円形の金属」。なんでそれがあそこにあると知ってたのか。知ってないと、まんまとあの部屋に入る口実を作ることなんかできなかったわけで。以前に入ったことがあるとしても、あった場所は机の下で、普通に話してたりしたら目につく場所じゃないし、たまたま目に入ったとしても、普通なら記憶に残らない瑣末な情報のはずです。
 そういう多少……多少? けっこうデカいいろいろな疑問は置いとけば、けっこう面白いです。

 というか、これはキャラクター・ムービーですね!!
 スタローンとシュワのがっつりした共演だってだけでまず楽しいし、カヴィーゼル演じる所長がかなりいい味出してます。若い頃のウィレム・デフォーとかがやってもハマりそうな役柄。
 ちょっとわざとらしくも感じますが、高級だろうと思われるスーツをきれいに着こなして、襟元の汚れを何度か気にしたりするところとか、掃き溜めに鶴いや、こういう場に似つかわしくない洗練された、気取った男。
 あまり人間的な感情がなさげな、子供の残酷さをそのまま持ってて、そのくせしっかりと大人として振る舞ってるような感じ。
 彼が何故この刑務所の所長をしているのかとかは一切説明されませんが、蝶を標本にしているシーンがあるところと、囚人の個室がガラス張りなのを見ると、コレクションっぽい要素は感じられます
 しかし、所長をやっるて理由は描かれなくて正解だった気もします。極悪な囚人コレクターというのではリアリティ出すのが難しいし、正義感で暴走した人物にしてはイカれてるし、金目当てだとするとその金をなにに使おうとしてるのかまで説明しないと違和感あるしそもそもこんなところの所長やってるより金になる仕事あるだろうがという話にもなるし。
 ただ、レイの著書を読んで監獄を作り上げたらしいので、「脱獄不能の監獄を作り、維持すること」にはなんらかの執着があるのは確かですね。

 シュワたんの演じるロットマイヤーは、なんでレイにそんなに協力的なのかという疑問はさておき(事情は白抜きのところで語ってますが)、レイの偽名である名前、ポルトスをなにかと連呼して、バカデカい老犬みたいだよ(笑
 あと、ラストのマシンガンぶっぱなすシーンの"溜め"は、シュワたんファンへのサービスですね!! 「さあいよいよシュワが撃ちまくるぜェェェェ!! おまえらこれが見たくてここにいるんだろォ!?」という監督の声しか聞こえませんでした、はい。ええ、もちろんですよ、ニヤニヤしましたよ。ありがとう監督!
 スタローンというか、レイは、脱獄のプロというキャラクターが面白かったですね。観察眼と記憶力、タフネス。スタローンだからどうのなんていうのは、殴り合いとかその程度かな。面白いキャラです。
 いよいよ脱獄に突入したシーンで、カメラ切る前の「チーズ★」は笑いました。後ろの席からもクスクスと聞こえてきましたね。しかし、これでバカにされても表情を崩さず追跡を命じるホブス所長がまたいい!
 そして、単なる脇キャラだろうと思ってた……あ、名前忘れた。ジャベス? ジャドル? アラブ系の第三の協力者が、まさかあんな漢を見せてくれるとは。撃たれて瀕死の彼に、それでも、「一緒に行こう」と真剣な顔で言うロットマイヤーの優しさにもじんとします。権力者とかから見たら邪魔なマンハイムは、弱い者にとってはヒーロー。ヒーローとして崇められ尊敬される所以の片鱗でした。束の間の仲間だろうと、仲間は見捨てられない優しい男だからこそ、命がけで付き従う人もいるんだろうと

 キャラムービーだと思えば、スタローンもシュワもカヴィーゼルもかなりいい感じです。ていうかカヴィーゼルの下まつげだけでご飯食べられるくらいのキャラです。「ネクタイ触る手がエロい」と、POIの腐的ファンな知り合いが叫んでましたが、たしかにエロいというか、いやらしいですわ(笑)。レイに向かって「おまえは私のものだ」とか、監督、いったいなに狙ってるんですか。
 50セントが演じてるハッシュもなかなか面白い脇キャラでしたね。
 映画館でもう一回とは思いませんが、BD出たら買おうかな。

 ただ、最後にこれだけはツッコみたい。ここまでの白文字部分から分かることではありますが、核心のバレにそのまま言及してるのでご注意。
 レイが投獄された理由はマンハイムを脱獄させること、だったわけでしょ? ってことは、「俺をここにぶち込んだ奴を突き止めて復讐する」って、それ、マンハイムが相手なんじゃ……?
 その際のいろんな約束ぶっ千切ってレイを売ったのはクラークだとしても、そんな約束があったところで、緊急事態ですと出られるのはレイだけ。その際他の誰かを連れて出ることなんてできないわけだし。正直に、「一緒に連れて出てほしい男がいる」とか依頼されたわけでもなし……。
 そのわりに最後、あっさり仲良く別れてしまったのがちょっとな。一発殴って、「次からは正直にそう言え」とか言ってくれるかと期待したのに。
 むしろ、依頼人が正直にそれを伝えて仕事を受けて、でも裏切り者のせいで用意されていた手順がすべてダメになって、所長にもそれがバレて、でも彼は「やれるものならやってみろ」といった感じで様子見してて、その監視の中を二人で協力して脱獄する、とかのほうが納得感あるし、面白かったかも〜。

 さて、あと少しでソー2です。これも映画館で見たい映画。
 それから、映画の予告でロボコップのリメイクが出てきて、これも気になりました。黒くスタイリッシュになった新ロボコップですね。
 アメスパは……まあいいや。スパイダーマンはヒューマン・ドラマ色が強いところが苦手です。
 むしろ、ノーマークだったダヴィンチ・プロジェクトのほうが見たいかも。



2014年1月17日(金)

 私の醤油こだわりを知っている友人が、伊勢参りに行ったお土産として、伊勢醤油というのを買ってきてくれました。
 おみやげに醤油……。実家に帰るからとか、実家から戻ってくるからというならともかく、旅行の土産に醤油。
 買うほうがおかしいのではなく、買わせるほうが変わり者なので仕方ありません。
 ウハウハしながら味見をしました。
 ……うーん、カタいというか、ギスギストゲトゲした味……。

 こういう基本の調味料は、ホント、家庭の味の呪縛が絶大なので、これで育った人にはこれが一番馴染むんだと思いますが、私的にはとても「美味しい」とは言えない味です。
 ということはたぶん、私が愛する地元の醤油は濃い目の甘口なので、こういうカラめの醤油を愛用しているかたにとっては「うぇっ、なんじゃこりゃ」なんだろうなと思います。
 バイト仲間のお母さんに一人、「醤油はヤマサ」というかたがいて、このかたにとってもその醤油はたぶん甘すぎるはず。
 面白いですね★

 どれくらいこの醤油が好き、口に合っているかというと、猫まんまが美味いし、卵かけご飯が美味いし、刺し身が美味い、という感じ。ていうかご飯に醤油だけかけても美味しくいただけるくらい。
 つまり、けっこう醤油の味がダイレクトに分かる「そのまんまかけて食べる」系を食したときに、もりもりいけるかどうかなのです。

 ちなみに私愛用の醤油は、通販とかはしてないぽいです。少なくともあまぞんにはないみたい。メーカーのHP行っても通販の項目はないしなぁ。



2014年1月18日(土)

 本日付けのことではないのですが、「大脱出」のパンフを買ってきてニヤニヤしてました。見に行った日には「別にいいかな」と思ったのですが、後になってやっぱり欲しくなってしまったのです。
 時々、「そりゃないだろwwww」と草生やしたくなるような誇大広告、美化、あるいは自己陶酔しすぎな内容のものもありますが、この映画のは妥当かな。
 スタロンとシュワの名前だけしかないと言わざるをえないようなクソ映画ではないし、美辞麗句で壮大にデコるようなパンフではなかったし。スタローンとシュワという超ビッグスターの扱いにデコが入るのは仕方ないとすれば、けっこう真っ当な内容でした。てか私はファンなのでデコってくれてOKです。どんとこい。

 気になるのはホブス所長についての記述。レイ・ブレスリンとエミル・ロットマイヤーは、「淡々として寡黙な脱獄の天才」と、「何故だかやたらと人懐っこくて協力してくれるでっかくて賢いわんこ」で表現できるのでいいとして(←いいのか?)、掴みどころのない所長は、そもそもどう設定されていたのか、演じるカヴィーゼルはどう解釈していたのか。
 ストーリーについてのバレ以外はそのまま書いておきますが、少しでもバレが嫌な人はサヨナーラまたアシータ★

 パンフによると、カヴィーゼルはスタロンから、「ホブスも囚人だって気づいていたかい?」と言われたそうです。そしてまた、カヴィーゼルの解釈では、「囚人たちは彼の子供、あるいは"パピヨン"で、完璧であってほしい。一定ルールを破れば容赦なく処分する」といった感じ。
 ……パピヨンって、そういうタイトルの脱獄映画かなんかなかったっけ?と思ったら、パンフの中でも他の監獄映画について言及されてる中に見かけました。
 ちょっと調べてみたら、「パピヨン」においての"パピヨン"は、胸に蝶の刺青があるからだそうで。つまり、囚人の比喩イメージとしてのパピヨンではないということか? 見てみないと分かりませんけど。
 それはさておき。
 ホブスは、ブレスリンが書いた本をもとに監獄を作り上げ、運営し、「ここに収監された囚人は絶対に外に出さない」という理念で動いている……。
 ブレスリンは「脱獄できない監獄」の作り方を本にしているし(もちろんそれは完璧ではないわけですが)、自ら入獄して脱獄し、「そうでない監獄」の、穴を指摘している……。
 自分自身の考察や提案をもとに作られた、という意味では「自分が作った」も同然の監獄、それは「絶対に脱獄できない」ものであるべきなのだけれど、そこから脱獄しなければならないというシチュエーション。
 そう考えていくと、自分が書いた本ではカバーできていない穴をブレスリンは自ら現場で見つけ出し、そこを突き、自身の著作の欠陥を自ら暴く側。それに対してホブスは、むしろブレスリンの理想の監獄を実現する側です。ホブスの台詞にあるとおり、彼は「参考にさせてもらう」側で、次に作る監獄は、今回のミスを踏まえて更に堅牢なものにできるわけです。実際にはそれはホブス自身にはできないわけですけど。
 そう思うと不思議な関係。自ら作りたいものを壊さねばならない男が、自らの理想を実現してくれている男を敵に回して脱獄するのですから。



2014年1月21日(火)

 返却日ぎりぎりにT2鑑賞。
 若シュワちゃんかっこいい。
 でもこの映画、アクション映画と言うには、アクションシーンはそう多くないんですよね。

 ジョンに言われることを学習して、それを発揮していくT-800(字幕では101となってたような)は、人間的になっていくという感じではないのも好きです。あくまでも学習と模倣。
 私としては、「笑うシーンに相応しく真似をする」ところよりも、笑うことはなくても黙って溶鉱炉に消えていくシーンのほうが、より彼は人間に近づいているような気がします。笑いが模倣でしかないのに対して、笑わなくてもそこになにか心のゆらぎのようなものはあるような。
 近未来SFでAIを扱った映画はいくつもありますが、あまりにも正面から取り扱いすぎて説明的なものに比べると、T2のほうがずっと良い気がします。

 それにしてもかわいそうなダイソンさん。
 でも、覚悟を決めきれない、一般人的な感覚を随所に残してくれているのが好きですね。変に悟って迷いもなくなったり使命感に燃えたり、あるいはやたら固執したりということがないのがかえってリアルな感じ。
 そのダイソンと奥さんのかわす、「機械は私たちみたいに貴方を愛してはくれないわよ」というシーンも、伏線とまでは言わないけれど、鍵にはなってる気がします。
 たしかにそうなんだけど、最後のT-800はただ任務遂行のためだけに行動していたとは思えない……思いたくないだけかもしれませんけど。愛なんてものは持たなかったとしても、なにか僅かなもの、「泣く気持ちが分かった」と言うだけの心みたいなものは、あって行動していたんじゃないかなと。
 だからこそ、そういう希望もあるのに彼が消滅しないといけないことについて、見ている側は引っかかりを覚えるのですけど。

 この映画は公開当時からも言ってましたけど、T-1000の役者さんがまたハマり役でした。ロバート・パトリック……けっこう映画もドラマも出てるんですけど、私が見たことのあるのがない……。いろいろ出演はしているけど、主役級の役がないからか orz
 ジョン役の子は、麻薬だなんだとろくでなしな俳優になってるみたいですね。出演作はけっこうあるけど……ネットで見つけた画像、T2見た後だと時の流れの無情さを感じます(笑



2014年1月22日(水)

 ロシア版のホームズ「バスカヴィル」が、適正価格で売られているのを見て飛びつきました。
 「ヴァッハッハッハッ」と笑う豪快な、けれど原作などよりはるかに優しいホームズと、彼の息子みたいにも思える若くて可愛いというか天然気味で頼りないワトソン。
 モーティマー医師がちょっとカマくさいんですけど(笑)。あと、バスカヴィルの文書を読むときものっそ生き生きしてます。なんでそんな臨場感出そうとしてるんだこの人。
 ヘンリー卿はやたら陽気で豪快、直情的な描写ですね。ホームズ譚を読んでいて、本人に会えたことでテンション上がりまくってる変なおっさん。
 それにしても、100万ポンドもの資産があるとは思えない館ですなぁ。
 どうやらかなり寒いらしく、寝間着になったワトソンくんが、裸足では少しも耐えられなくて慌ててベッドに潜り込むとか、どういうターゲット狙ってるのか分からないサービス。
 と思ったら、おお、なるほど!! 寒くてとても寝られないから、その間に女の泣き声を聞くという流れなのですね!?

 原作どおりではないけれど、原作のちょっとしたシーンにもきちんと考察を与えてる感じが、ロシア版の面白いところです。
 バリモアがヘンリー卿から衣類をもらうところもアレンジされていました。
 グラナダ版ではセルデンのことが分かった後で、ヘンリー卿が古着をあげることになります。この際クローズアップされるのは、ヘンリー卿の人の好さというか、鷹揚なところ。
 しかしロシアのレンフィルム版では、もっと序盤に、「荷物整理して、英国風の装いにしていきたいから、欲しいものがあればきみにげる」とヘンリーが言い出します。バリモア自身は断るのですが、奥さんが出てきて「いただきます」と毛皮の外套をもらっていきました。この寒い中沼地にいる弟のこと考えたら、もらわずにいられないわけですね。でもバリモアの妻、ちょっと頭おかしい感じで、ぶっちゃけキンキン声でまくし立てるのですげーウザい(笑

 モーティマー医師の犬の名前、スヌーピー。なんやそれ(笑
 けっこう主に楯突くバリモアですが(執事らしいへりくだったところがない)、無愛想だけどちゃんとヘンリーの面倒見てあげてるのがなんともいえないですね。
 ラストは独特でした。ロシア版のお約束、暖炉の前で事件について話し合う二人の前に、失恋したヘンリー卿のシーンがあります。これがまた、なんとも滑稽というか……変な意味ではないのですが、ちょっとコミカルで面白かったです。



2014年1月26日(日)

 行きつけのブログで、興味のある話題を取り扱っていました。
 そこの管理人さんは私より圧倒的に知的水準が高いと思われますが(完全無比に近い=高いということではなく、誤りや偏りを含めたとしても、私より多くのことを視野に入れているということ)、だからこそ、意見にうなずけるかどうかはさておき、「ふむ、こう考える人もいるんだな」といろんなものが見えるので好きなのです。
 そのかたは海外ゲームのファンで、まさにゲームのために英語を学んで、しかも読むことはまるで問題ないくらいになった人。海外のフォーラムとか、好きなクリエイターのブログなんかも読んでいて、私はその人を通してちらちらと、海外ゲームの情報を手に入れています。

 今回の話題は、あるゲームライターの発言のこと。
 ポイントの部分だけ、少し簡略化しつつ抜き書きすると、

『そうした(ネットのゲームフォーラムなどのこと)コミュニティーは、非常に同族意識が強く、「我々」と「やつら」といった類のメンタリティーを保持している』
『誰か他の者が好きなことを、君が好きじゃなければ、間違っているのはきっと他の者たちのほうなんだ。そして彼らは間違えているだけじゃなく、下劣で愚鈍なわけだから、この惑星上から叩きださなくちゃならない』
『皆が皆そんな輩か? もちろんそんなことはないが、結局のところ、「我々」が「やつら」より優れているという同族意識は本当に抜きがたいものなんだ』

 以前にいただいたメッセージでちらりと触れていた、モンハンとゴッドイーターの「どっちが狩りゲーとして上か」とかいった議論をしてる人って、こういうのに当てはまるんだろうなぁと思ったのです。
 厳密に言えば、同族意識どころか、「俺が好きなもののほうが良い」というオレオレ主義なのでしょうけど。

 私も、自分にとって微妙なゲームだと、そのゲームを「つまらない」と感じます。これは自然なこと。
 ただ、それが絶対的価値基準じゃないということを、受け入れているかが、人によって異なるのでしょう。
 そしてまた、「ゲームとして、面白いと感じる仕掛けを作ることに失敗しているのではないか」といった分析的な内容を、客観的に説明することと、ただたんに「面白くない」「つまらない」ということも違います。

 レビューというものについて私は何度か書いてますが、「中学生を対象にした参考書を大学生が買って、『くだらないことしか書いてない』というのは間違ってるし、逆に小学生に与えて『なにが書いてあるのかさっぱりだ』というのも間違ってる」わけです。
 ゲームに限って言えば、ターゲットとしている層がありますし、そのゲームで重視しているポイントがあります。
 小学生を対象にしたものが難しすぎてもいけないし、コアゲーマーを対象にしたものがヌルいと、それはそれでバッシングされます。
 シリーズファンを強く意識するか、新規ユーザーの取り込みを狙うかでも変わります。
 繰り返すことで強くなるキャラクターを使って「俺ツエー!!」を楽しむゲームなのか、プレイヤー自身の失敗と試行錯誤からの達成感で「俺強くなった!!」を楽しむゲームなのか。
 そのゲームで重視するのは超現実的な爽快感か、リアルさかといった違いがあることもあるでしょう。
 こういう違いがあるのをまったく無視して、「簡単すぎる」とか「難しすぎる」とか言うだけなら、それはただの個人的な感想。言うのは自由ですし、大いに語ればいいことですけど、それが「正しい」「正当な評価」であることはないわけで。

 こういう、個人的感想=世の中の基準であるべき、という勘違いさんたちが大量に集まって群れると、分かり合える者がいる=正しいと更に勘違いして、そうでない意見の人たちといつまでもいがみ合うことになります。
 俺正しい、俺仲間多い、と感じるのも快感、楽しいことなので、やりたくなる気持ちは分かるし、これも一種のゲームみたいなものかなとも思いますが(笑
 ただ、こうやってひたすら言い争うだけで、そこからなにか良いものを生み出すわけでもないとしたら、そこの「民度」って、たぶん低いんでしょうね。

 好きなものを好きと言い、イマイチなものをイマイチと言う。
 それは別にいいことだし、同じように感じる人たちと「そうだよねー」と言い合うのも楽しい仲間意識だけど、そこに突然首突っ込んできて「あんたは間違ってる」とキーキーがなり立てる人がいるのが問題なのかな。
 自分の好きなものを否定されていたりするとそのボルテージは相当高くて、攻撃されたと感じているのか、攻撃し返さないと気がすまないのか。匿名性をいいことにね。
 たしかに、自分の好きなものについて文句言われたりしてたら、カチンと来るのは分かりますし、自分が誰か分からないとなると、言ってやれちくしょーって気持ちも分かります。私も十分にそういう要素ありますので。
 ただ、不毛だなぁ。
 私は、そういうムカつきとかを、ひそかにぶつけたところで自分の株が上がることはない、とでも思って黙っていたいと思います。
 そして、好き嫌いは人んちじゃ語らない、自分ちで好きに語る。好き嫌いと良し悪しは別に語る。これは、できるだけ守っていきたいところです。



2014年1月27日(月)

 ラッセル・ワトソンの新譜が出てた……っ orz
 全然気づいてなかったよ!!
 あまぞんのオススメって、登録できないんですかね? このタイトルの新刊、このアーティストの新譜が出たら知らせてくれって。
 同じ掲載誌だとかいう理由で全然興味ないものオススメされるわけの分からんシステムもなんとかなりませんかね?

 今回は……ポップスというか、なんというか。
 クラシックではないですね。
 てか喉の手術して以来この人、全然オペラ系のアルバム出さなくなったな。
 たしかに声質変わっちゃってる気はしますけど。
 バラード集みたいなものです。
 輸入盤しかないし、MP3配信もないので久々にマテリアルでCD買いました。歌詞が見れるのはいいことです。まあだから、本当に好きなアーティストのものは、物で持っていたいのですが。
 それにしても8曲目でデュエットしてる女性アーティスト、きんきん声であまり好きじゃないぞ……。

 ロイヤルハントもいつの間にか新譜出してたりしますが、前作があまりにも私好みだったせいで、新作は、視聴して「……ま、いいかな」と思ってしまいました。
 ウィズイン・テンプテーションもちょっと微妙。ていうかこのバンド、ちょっと聞いていいなとは思うけど、ヘビロテにはならないし。
 ダーディアンとかレインエクシードも、「ほしいものリスト」に入れたまま放置されています。
 ―――相変わらず、こう書いたところでそれぞれのバンド名、分かる人いないんだろうなぁorz



2014年1月28日(火)

 デール・カーネギーの著書が好きです。
 仕事辞めた時点でほとんどのビジネス書を売りましたが(仕事辞めてまで読みたいと思うものはほとんどなかったので)、カーネギーの文庫版は残してあります。
 「人を動かす」をちらちらと拾い読みしていて、やっぱり人間心理の核心ついてるなと思うところもあります。
 「議論に負けても、その人の意見は変わらない」とかね。

 カーネギーの本について、理想論すぎるとか、そんなに他人に尽くしまくって「自分」はどうなるんだという意見も見かけます。人の重要感満たすことばっかり考えて、自分自身の重要感を満たしたい欲求は後回しなわけですから、けっこうな苦行ですもの。
 でもたぶんカーネギーは、「これ全部やんなさいよ」なんて言ってないと、私は読んでいます。
 「人ってこういうところあるよね」というのをいくつも上げて、その全てに対応・対処・善処なんかできないとしても、知っていることで少しだけ、うまくさばけることがある。それでいいんじゃないかなと。
 てか、ここに書いてあるすごいことを全部やってる人なんて、中で紹介されてる偉人でもいません。どれか一つを徹底してできて、他のものがNGでなけりゃ偉人になれるくらいのことが書いてあると思ってもいいわけです。
 だから凡人には、どれか一つだって徹底的にはできないし、もしできるなら偉人になれる可能性があるくらいのことです。それでも、少しでも心がけてうまくできることがあれば、今より少し、生きやすくなったり、人間関係がラクになるよと。
 それくらいだと思って読めばいいんでないでしょうかね?

 「7つの習慣」とかも、ビジネス書、人生の書としてはいいのかもしれませんが、なにせ読みづらい(笑
 読書が苦にならない私でも、先が楽しみですらすらと読める本と、仕方なく読み進めるしかない本があります。
 カーネギーのは語り口がソフトで(訳がいいということでもあるでしょう)、言葉が抵抗なく入ってきます。言葉そのものの理解のために読み戻ったり、頭ひねったりしなくていい感じ。
 ま、いくつも挙げられている例は、「ほんまかいな」と思ってしまうくらい出来過ぎていて、いつも必ずこうなるわけじゃないだろうと、思ってしまいますけれど。
 あと、合衆国大統領について、特にリンカーンとセオドア・ルーズベルトを持ち上げていますが……政治家として戦争を道具にしていた側面もないとは言えないのに、大絶賛されてもなとも思います。
 ただ、そういうアラ探しをして、その結果内容をまるごと否定したり拒絶するより、なるほどと思った部分は、エピソードの固有性を除いて参考にすればいいわけで。

 最近のお風呂読書は、こんな感じでカーネギーです。



2014年1月29日(水)

 昔は良かった。

 なんて言うのは年寄りの悪い癖ですが、私でもつくづくそう思うことがあります。
 たまに、自分が書いたSSとか読み返したりしていますが(そもそも自分が楽しくないものなんて書かないので、大半のものは書いた私自身が好きな話ですから)、今日はふと、PSOの中のどーでもいい事柄……、
 「Data」の中に格納してある、もうすっかり忘れ去ったクエストの攻略とかと一緒に、「愛のさまよい人」というアホなザレゴトがあります。
 2000年を少し過ぎたばかりのネトゲが一般化する直前、ある意味では黎明期、その当時、PSOの世界にはフリーズさせて楽しむ輩、味方を殺すバグを使ってアイテムを奪う輩というのがいました。今でもいますね。
 そのため、せっかくのオンラインなのにパスワードつきの部屋ばかりになって、当初の「出会った人と楽しく狩る」というのは、だいぶ少なくなっていました。
 そんなおり、たまたま出会って出来事を、ものっそキザに、アホらしいくらい詩人風にというか、変な形の独白として、PSOの公式BBSに書き込んだのです。
 公式BBSは情報交換の他、小説とかを投稿しいたりすることもある場で、私がそこに投稿したSSもまた、コーナーの格納されています。

 その、「愛のさまよい人」なる実話をキザったらしく独白した小話。
 かなり好評をいただきました。
 そして同時に、一つの荒らしもなかったのです。
 好意的な書き込みをできない人は、スルー。つまらないと思った人、なにこれと思った人はきっといただろうに、わざわざ「くだらない」とか書くような人は一人もいなかったってことです。

 だから、昔はよかったな、と。
 今だったら面白がってくれる人もいるとしても、絶対に「バカじゃないの?」的なことを、嫌がらせのために書き込むヤツがいる気がしてならないのです。
 たとえいないとしても、「そんなヤツがいるだろうな」と思うほど、いることが当たり前になってしまった今に比べて、あの当事ってほんとみんな、現実と違わないモラルでネットに向かい合ってることが多かったなと。
 一緒に遊んだ画面写真とか、今も飾ってありますけど、もうこまかいプレイのことはほとんど忘れてしまっても、そのときものすごく楽しませてもらった、楽しかったことだけは間違いありません。画面写真たちは、意休保存版です。



2014年1月31日(金)

 ルパン三世が実写化!?
 という話を見かけてびっくりです。昔から何度か話題には上がっていましたが、ついに実現ですか。
 配役は、ルパンが小栗旬さん、次元が玉山鉄二さん、五右衛門が綾野剛さん、不二子が黒木メイサさん、そして銭形警部に浅野忠信さん。
 お、なんかけっこうイメージどおりかも。ただ、全体的に若いですけどね。たぶんルパンファミリーは30代後半から40代くらい、銭形は50代とかのはずなので。
 しかし脚本でコケてることの多い実写化映画。最近ではアニメスペシャルも見ていない私としては、わくわく楽しみに待つというよりは、微妙な気持ちです。


Made with Shibayan Diary