烏の足跡



2010年8月3日(火)

 聖飢魔Uのアルバムが出ましたね。
 一応買いました。
 ものすごく正直に言うと、長官がいないのがめちゃくちゃ寂しいのですが……。最近face to ace(エースのユニット)もCD出してないしなぁ。更にものすごく正直に言うと、ftaの音楽は中毒性はなく、いい曲もありますが、あまりハマってはいません。
 エース清水長官として、聖飢魔Uの中で出した曲には、ものすごく好きなもの、好きな音があるのですけどねぇ。
 それで最近思うのは、エースはエレキギターでヴァイオリンみたいな音を出していた、ということです。エフェクトとかではなく、ソロでの歌わせ方がものすごくヴァイオリン的だったなと。
 今回の英語セルフカバーでは、STAINLESS NIGHTのソロをジェイルが弾いています。その音そのものの良し悪しとか好みは別として、やはりエース節ではないなと思います。彼のギターとは全然違う。上手いけど、歌ってるとは思わない。
 THE OUTER MISSIONもまさにエースの音でソロが入るからこそ美しいと思ってる私です。
 5th出した頃のミサでの「湖」とか絶品だし。
 ま、私個人の好みの話です。
 エース自身の思いもいろいろあって、だからこそ参加しないのだと思います。
 でも今一度、聖飢魔Uのエース清水を、その曲を、ギターを、堪能させていただきたいと切に願う次第です。



2010年8月8日(日)

 棚卸→フロアクリーニングのヘビーコンボに加え、学生たちが試験期間のために戦線離脱。
 よって社員はほぼ全員が休出・早出・残業の連発。
 そんな地獄がやっと終わりました。
 もうホント勘弁な!!



2010年8月12日(木)

 今週に入ってやっとマトモな休みが存在します。
 それでもちまっと早出が二日ほどありますけどね!
 まあでもどんなに忙しかろうとゲーム中です。

 ビジネス書とか、タイトルをざっと眺めて、中をちらちらと見て、そしてふと。
 成功とかなんとか言うけれど、なにが自分にとっての「成功」なのか……というか、そもそもなんで「成功」したいのか、それで得られるなにがほしいのか、なんでそれがほしいのか、それは「成功」することで手に入るものなのか、「成功」しないと手に入らないものなのか―――なんてことを考えてみたりもします。
 私は、普通に暮らせるだけのお金を稼いで、好きなゲーム買ったり、思いついた話を書いたり、音楽聞いたり映画見たりと、遊ぶ時間をきちんと確保できていれば、それで結構です。
 ちゃんと楽しい時間があって、楽しめることがあって、楽しめる自分がいて、特に思い煩うこともない。
 もっと多く稼ぎたいとか高く評価されたいとか、それは、どうでもいいかなぁ。

 もちろん、認めてもらえない、評価されないのは嫌いです。そういう自尊心は決して低いほうではないと思ってます。
 でも、少なくとも今の私は、「自分のしていること」が実際にどの程度のもんかを考えて、それ相応の評価で充分です。
 自分をそれほど過大評価もしてないし過小評価もしてない……と思ってますので、周囲の評価が高すぎれば「どこ見てんだ?」と思って、手に入るものはちゃっかりもらっておきますが、その評価を恐れたり気にしたりはしません。勝手にしててネ★という感じ。
 評価が低いことはあまりない、と思います。マイナスはきっちりバレてると思いますけど、差し引きで考えて、悪くはないといったところ。
 それになにより、自分が好きでもなければ尊敬もしてない人にどう見られたところで、実害がないかぎり、どーでもいいっちゃいいのです。

 ナマケモノの論理ですね。
 何年かたったときに後悔するのかもしれません。
 でも、先の自分がなにを考えどう感じるかなんて、分かるわけもないことです。
 そのときが来たら、そのときに感じて考えればいいこと。
 未来のために今を削って準備するのもいいことですが、アテにならない未来のために今をつまらなく過ごすのも勿体無い気がします。

 だからなんだと言われても困りますが。
 「なにを良しとするのか」。
 ということなのかもしれません。
 今の自分は、自分が選んでそうしている自分。
 他人の影響や環境なんかもあるとしても、そこにいることを選び、変わらないことを選ぶのは自分。抜けだそうともがくのも自分。
 そういう「今の自分」を自分で良しとできるなら、他人の唱える「成功」とかいうものに振り回されることもないのかもしれません。
 「今の自分」を良しとできずに、変わろうと努力する「今の自分」を良しとできるのか。
 「今の自分」を良しとできないのに、結局変わろうともしない「今の自分」を実は良しとしているのか。
 他人が見てどうのではなく、自分がそれを、「まあいいか」とか「これでいいんだよ」と言えるのか。

 少なくとも。
 他人のモノサシで自分の幸せをはかることはない。
 と思ったりするのでした。
 あ、ちょっといいこと言ったよ!!



2010年8月13日(金)

 そういえば、仲良くしていただいている管理人さんのサイトで、ここ半年〜数ヶ月ほどの間、日記系のものの更新がまったくありません。
 こういうものは強制されるものでもないので、「書くことがない」とか「忙しい」、あるいは「他のことに夢中」「飽きた」から書いてないのなら別に構わないのです。
 ただ、お二人とも、何事もないのであればいいなと思います。



2010年8月14日(土)

 昨日ちらりと書いた管理人さんのお一人から、たまたまなのか、「もしかして?」と思ってくださったのか、メッセージをいただけてホッとしました。
 もうお一人は、更新がなくなる直前までしばらくずっと、お仕事がどうにも大変でストレスフルな状態のようでしたので、こちらのかたの心身の健康も気になります。お元気なら、本当にただそれだけでいいのですが……。

 ドはまりしてるジャンルというのがないと、ほとんどサイト巡りもしませんが(MASS EFFECTのファンサイトがあれば通いそうですけど、そんなもの見つかった試しがない! プレイ記とかなら検索に引っかかってきますけどね)、管理人さんのことが気になるので覗きに行くサイトというのは、上記お二人のサイト以外にもいくつかあります。
 戦国BASARA3出たからプレイしてるんじゃないかなと覗いてみたり、サイトが引越し途中のままずいぶんたつけど相変わらずお忙しいのかなとか、ママ業が増えて大変そうだけどお元気かなとか。

 以前、更新がないなと思い、メールにも返事がなく、掲示板(今はもうほとんど使われていませんが、当時はこれが交流のメインツールでした)の誰の書き込みにもレスがなく。
 飽きちゃったのか、それとも忙しいのかと思っていたら、ご家族のかたから、娘は先月……という返信をいただいたことがあります。
 ネット歴がかなり浅いタイミングのことでしたが、それだけにショックでした。
 あの頃って、特に考えもせず印象的なことはなんでもかんでもザレゴトに書いていたのに、その私が「これは書くべきでない」と思って記さなかったくらいなので、どれくらいヘビーだったかが分かります。
 今は、なにがあってもおかしくはないという考えが根底にありますから、万一のことも落ち着いて受け止められると思いますが、でも、そんなことはないに越したことはありません。

 楽しいことを楽しく書いていて、そこで更新が途絶える分にはいいのですが、なにか不安定になっていたり、煮詰まった感じで音沙汰がなくなると、ちょっと怖い考えになってしまいます。
 そして、そういうときに自分はまったく役立たず、無用であるという事実に直面します。
 本当に大変なときに頼るのは身近にいる友人とか家族で、ネットの先の誰かさんではないとは思いますが、それでも同時に、もしかしたらなにかできたかもしれないのにと思ってしまいます。

 大変だ、しんどい、そう言いながらも「もうやってられっかー!」とちゃぶ台ひっくり返したくなるような気持ちがどこかにあって、なんのかんの言いながらも乗り越え、あるいは通りすぎていけるなら、どんなことも、それでいいと思います。
 けれど本気でどうしようもないことは、どうか、起こりませんように。



2010年8月15日(日)

 Yさん、お元気にお過ごしとのことで安心いたしました!
 良かった良かった★
 むしろかえってお気を遣わせてしまったかもしれませんが、その点は平にご容赦くださいまし。
 なにより、ほぼ間をおかずにザレを見つけていただけたことが嬉しかった私です。ありがとうございますvv
 こんなところでなんですが、モンハン3rdが出たら、また一緒に合宿……いやまあ、今度はもう少しまったりと(^^;)遊べたらなぁとか思ってますと、告白しておきます!

 そう。
 MHP3。
 刻々と時は流れその日は近付き、しかしきちんと予定どおり出るや否や!?
 そして先日ふと友人が。
「MHP2Gが大成功したのは確かだけど、その後のWiiの3は明らかにコケたし、この間のX360のMHFもそれほど動員できてないみたいだし、おかげで、本当にP3がP2Gみたいに面白くのめり込めるものになってるかどうか、心配になってきた」
 と零しておりました。
 すみません、私も同意します。
 MH3もMHFも、面白くないとかつまらないとは思いませんが、MHP2Gのようにのめりこめなかったのは事実ですので。
 据え置き型の携帯ゲーム機の違いかとは思うものの、たしかに、不安は以前より格段に大きくなっていますよ……。
 頼みますから、また1000時間を費やしても惜しくないようなものを遊ばせてください!!



2010年8月17日(火)

 10月が楽しみですね。
 またゲームの話です。
 しかも、一般的なプレイヤーさんとは感覚の違うゲーマーの言うことなので、大概のライトゲーマーさんにとれば「そんなタイトル知らんわ!」的な内容です。

 まずは「ヴァンキッシュ」。
 最近、超がつくほど大手メーカーの出すゲームはことごとく趣味に合わなくなってきましたが(世界観もそうですがゲームシステムも)、その分だけ、ちょっとB級の香を漂わせる一流、といったところのメーカーさんのものは、楽しめるものが多くなった気がします。
 これはかなりの良作に仕上がってる予感です。TPSはFPSほど厄介でなく感覚的に楽しめますし、初心者向けモードで爽快に、というのはベヨネッタとかを経験しているとそこにウソはないと信頼できます。難易度を上げたときにどれくらい手応えがあり、かつ理不尽でなく、意欲を刺激されるかは、手腕に期待したいところです。
 つか、ものすごく洋ゲーっぽいですよね、これ。

 それから「レッド・デッド・リデンプション」。
 グランド・セフト・オートと同じ、ロックスターが作ってるゲームですが、こちらはGTAと違って、正義の味方として振舞うこともできるし、しかも映像も銃撃戦もミッションも、めちゃくちゃ評判の高かった洋ゲー、そのローカライズ版です。
 こちらもTPS。って、MASS EFFECT 2もTPS。ヴァンキッシュもTPS。いいんです、今年はきっとそういう年なんです。
 自由度が高いというところもポイント。ちゃんとストーリーもあって、「クリア」もできるけれど、その間をどう遊ぶかはプレイヤー次第。
 西武の開拓時代に、馬に乗って荒野を駆け回りつつ、悪漢どもと戦う……浪漫だなぁ。

 10月までにはMASS EFFECTも一段落ついているといいと思う反面、「自分が三人いればいいのに」と思うくらい、すべてのゲームにハマッているのも、理想かなと思ったりします。



2010年8月20日(金)

 仕事上でも、私は人に対して「怒って叱りつける」ことができません。
 「それは駄目」と注意はマメにしても、激しい語調で叱りつけるというのは、どうにも実行できないのです。
 時にはそういうことが必要な場合もある、とは思いますけど、正直、そんなことが必要になったことは、ないとも思います。

 手厳しい言葉で叱りつけることがない私が抱えているスタッフと。
 「なにやってるの!?」と叱りつける人が抱えているスタッフと。
 仕事の能力や取り組み方で、私のスタッフのほうがレベルが低いということも、ないと思ってます。
 もちろん、いいところ、悪いところはあって、私の下僕ちゃんたちはたしかに甘いし、ちょっとヌルいところはありますけど、だからといって仕事をちゃんとやらないわけでは決してありません。
 逆に、厳しく叱り飛ばされて育てられたほうが、ものすごく有能で真面目かというと、そんなこともないのです。

 そんな現状を見ると、「声を荒らげて怒鳴ることが効果的なこともある」というのは、怒鳴りたい人の言い訳のような気もします。
 怒鳴らないと動かない、ちゃんとしてもらえないのは、その人の「普段のやり方」がなにか違うからってこともあるような。

 私がのらくらしていることの弊害は、確実にあると思います。
 でも、辛辣に言い捨てられたり、苛立った言葉をぶつけられたりすることの弊害も、間違いなくあるわけで。
 結局、どっちにしたって同じ程度のものなら、自分も相手も不愉快になる「怒鳴る」なんて手法、取る必要はないんでないかなと思います。
 だいたい、怒鳴りつけても関係が悪くならないのは、既にその相手との間に信頼がある場合のような。そういう場合は、相手のためを思えば怒鳴ってでもやめさせたいことなどもあるかもしれません。
 でも、たいがいの場合、そんな信頼関係や愛情があるわけでもなく、単に「手っ取り早く相手を動かしたいから、恐怖で動かす」だけではないかと。
 「手っ取り早く動かす」ことだけが必要なら、それがベストの方法なことも、あるのかもしれませんけどね。



2010年8月22日(日)

 仕事中、カッターを使っていて左の親指を切りました。
 けっこうざっくりやっちゃったのですが、……正直、紙で切るより痛くないというか。
 ほっとくとダクダクと流れてくるわりに、ちょっと押さえつけてくっつけといたらあっさりと塞がるあたり、再生能力の高い体してるなぁと思います。
 まあ、怪我はどうでもいいんですよ。
 問題は、絆創膏を巻いていると指が滑ってゲームがげふげふ。



2010年8月24日(火)

 一人暮らしの時間がけっこう長いものになりました。
 丸10年くらいは一人暮らしです。
 そして初めて、今月、電気代が4000円を越えました!
 というか、実は先月まで、3000円を越えたことすらほとんどなかったのに、今月はさすがに6000円近くて驚きました。
 エアコンもありますが……ゲームもだろうなぁ(笑



2010年8月27日(金)

 「ぽかぽかアイルー村」をプレイしてみました。
 ……んー、まあ、可愛いですね。
 デフォルメされたモンスターが可愛いです。アイルーは……あんまり好きじゃないんですよね、あのタイプのデフォルメアイルー。嫌いでもないですけど。
 ポッケ農場でできることだけを拡大し、そこにおつかいクエストを盛りこんで、可愛いキャラクターを入れただけのモノです。ゲームってものじゃない、オモチャ?
 だからこそ誰でも遊べるし、「可愛い」というだけでプレイする動機にもなりますけど、やりこむ理由はないなぁ……。

 ただ、クエストは思っていたよりも面白いです。
 アイルーの出してくる提案を選んで進ませて、目的のものを採取したり、モンスターと戦って消費したやる気ゲージを回復させたり。
 アイルーではどうしても倒せないモンスターは、どうにかして気絶させたりしてから素材だけ剥いで逃げます。

 それにしても、釣り餌ばっかり手に入って、素材集め(ポイント稼ぎ)に使えるメインが釣りって……orz
 これ、他のプレイヤーとか他のデータだと違うとかあるんですかね。
 釣りはどうしても時間かかるし、ボタン連打でぼーっとしていれば手に入るわけでもないので、こんなものばかり利用回数増えてもしんどいんですけど。



2010年8月29日(日)

 買う予定でいますが、ちらりと読んだ本の中にちょっと気になることが書いてありました。
 「ニーズがあるのに、供給のない場所では、価値が増大する」みたいなことです。
 求める人がいて、しかしそれが希少な場合、価値は高まります。
 それは商品もそうですし、人もそう。
 その本は自己啓発系のビジネス書ですので、「そういう価値を自分につくること」について言及されていました。

 この観点で社内を見渡すと、私の得ている評価の、やや不思議な高さというのも分かる気がしました。
 他の人が持たない性質があって、それが会社の中、店の中で不足しがちなものであるから、その価値の高さがクローズアップされる分、至らないところが埋められるのかもしれません。

 そうは言っても、自分の性格や性質が、たまたま欠乏成分と一致しているだけの話です。
 でも、そういうものがチラリとでもみえているなら、意図してその価値を高めていくことはできるように思います。
 とはいえ……こういうタイプの存在は、いると便利ではあるとしても、そんな余計なこと考えず黙々と実直に物事に取り組む人のほうが、本当はもっと可愛がられてもいいと思うんですけどね。



2010年8月30日(月)

 できるかどうか……「実行可能」という意味での「できる」ではなくて、「恥ずかしくない程度にしっかり行える」という意味での「できる」ですが、できるかどうかを別にしてしまえば、私には好きなことがあれこれあります。
 絵らしきものをラクガキすることもそうですし、SS書きなぐることもそう。歌うのも好きですし、踊るっぽく体を動かすのも好きです。
 美味しいものを食べるのも好きですし、美味しくお酒を飲むのも好きです。バーとか料亭もいいですけど、コンビニで売ってるカンチューハイでも、気楽に美味しく飲めるので充分です。
 人と話すのも、人の話を聞くのも、その相手が私にとって興味のある人や、好意を持っている人であれば大好きですし(逆に見知らぬ人と他愛ない話は苦手だし、好きではありません)、バスケットとか水泳も好きですね。部活とかいう形で強制されるのは大嫌いですけど、それで遊ぶのは好きです。バレーボールとかサッカーとか、まあ、スポーツ全般、気楽に楽しんでいいなら基本的に好きです。スキー、スケートなんかも。
 もちろんゲーム大好きですね。それこそ上手いかどうかは完全に別として。
 小説を読む、マンガを読む、きれいな景色を見る(絵画でも本物でも)、寝る、ぼけーっとする、寝る―――好きなものは、他愛なくても良ければあれこれあります。

 だから、仕事がしんどいとか、その中での人間関係が煩わしいとか、なにか不愉快なことがあったとかしても、それはそれで終わらせて、考えないようにして、とりあえず楽しいこと、好きなことをしてさっさと気持ちを切り替えますし、いつまでも不機嫌や不安を引きずることもありません。
 そのためか、今日はなんにもなかった、つまんなかったなぁなんて、思ってことないですね。
 嫌なことがあったときほど、そのことについて考えるとイヤな気分にしかなれないのは分かりきっているので、考えないで済むように、他のことに没頭しようとします。思い浮かんだときにもすぐ、「考えたってどうしようもないし、どうせ大したことでもないんだから」と意識的に閉めだして話のネタ考えたりと、楽しい方向へ回避するようにしています。

 つまんない、なんて言う人は、なにも好きなもの、ないんでしょうか。
 なんでそんなに、いろんなものがつまらないんでしょうか。
 つまらない、と感じる原因、理由ってものは、いったいなんなんでしょうね。

 一つだけ思うのは、「できなければつまらない」だと、なにをやってもそりゃつまらんだろうなということです。
 人に見せるのは恥ずかしいからとても人前ではできないけれど、本当は好きなんだってこと、けっこうあったりする気がします。
 歌が下手な人はカラオケ行くのイヤでしょうけど、人前で歌うのは嫌いでも、自分の部屋で一人で鼻歌歌ってたりすると気持ちよかったりすることもあるわけで。

 「シアワセ」ってなにかは知りませんけど、好きなものが多いと、それに近いのは間違いない気がします。



2010年8月31日(火)

 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」でしたっけ? フルタイトル間違ってるかもしれませんが、ビジネス書としては珍しく、この数ヶ月ずっと売れ続けています。
 役に立つかとか面白いかとか、単体で問われると疑問です。少なくとも私が読んだかぎりには、別に実際のマネジメントにはほぼ役に立たないし、ものすごく面白いかと言われると物語としてはベタもベタだし……。
 ただ、この本はそういう本ではないと私は考えています。

 「もしドラ」は、いわば写真ばかりの旅行パンフレットです。
 マネジメント国という、まあ高校生くらいにとっては完全に興味もなければその存在もろくに知らないような、マイナーな遠い国。
 でも、その国の出身者たちがこの世界(組織)にいるからこそ、世界は効率的に回ったりするので、いずれは知ることになるだろうし、ちょっと知識欲の旺盛な学生ならもう既に知っている国です。
 でも、実際に行ったことのない人にとっては、なんか自分には全然縁のない国っぽいし、もっと偉い人(組織の中で地位のある立場)になって行くもののようだし、喋ってる言葉は難解そうだし……。
 これが「やる気国」とかなら「ちょっと行ってみようかな」と思えても、「マネジメント国」の敷居は、ものすごく高く、かつその距離は遠く感じられるわけです。
 こんなザレゴト読んでらっしゃるかたの中で、「マネジメントか。自分もいろいろ考えてやってるんだけど、儘ならないよね」という人はまずいないのではないかと思います。そんなちょっとハイソな人がここ覗いていたら軽くビビりますよ私。……いや、だがしかし、それはそれ、これはこれで、マネージャー職にあるけれど二次創作も好きだからと訪れて、ついうっかりこんなどうしようもないザレゴトを読んでしまう人が絶無とは言えないのがネットのオソロシイところか。

 ともかく、マネジメント国ってのは「遠い国」です。
 そして「もしドラ」は、この国について書かれた旅行パンフレットなのです。
 旅行代理店で配る程度のものであって、「るる○」とかま「っ○ぷる」ですらありません。
 で、「ちょっと面白そうな国じゃない? 俺が行っても楽しめそうだし、いい経験できそうだよ」と思った人がいれば、それでいい本。それが「もしドラ」だと考えています。

 なので、「もしドラ」を読んでも、実際のマネジメントにはまったく触れておらず、触れた気になっただけです。
 観光地の、特別美しく写した写真を眺めて、「こういう場所いいねぇ、行ってみたいねぇ」と話して、実際には行けない旅行の、片鱗の片鱗をかじったような気持ちになってみるのと同じことです。
 なにより、こんなもの現地に持って行っても、ほとんど役に立ちません。
 あえて言うなら、ドラッカー氏の書いた「マネジメント(エッセンシャル版でもいい)」が、マネジメント国の最も普遍的で基本的なガイドブック、「地球の○き方」みたいなものです。これは、読むだけでもある程度現地の知識や歴史が分かるので、それを覚えれば少し実践的です。

 今まで名前くらいしか聞いたことのなかった国を、紹介した観光地パンフ、それが「もしドラ」。
 「もしドラ」を読み、自分にも無縁じゃないかもしれないとか、興味があると思った人は、本格的な現地ガイドブック「ドラッカー エッセンシャル版」を手にとったりするのでしょう。ちょっと行ってみてもいい国、あるいはせめて本でもいいから知っておきたい国として。
 そして、「俺は別にマネージャーなんて役割じゃないけど、自分のプロジェクトチームの中では少し使えるから、ちょっとこういう考え方でやってみよう」と思って試した人が、初めて、マネジメント国一泊二日ツアーに参加したことになります。

 まあ、POPを書くのにあ○ぞんのレビューとか見てたら、見当違いの批判が多くて、こんなことを言ってみたくなりました。極端に言えば、子どもが楽しむキャラクター絵本読んで、内容が薄いとか言っても仕方ないのと同じなんじゃないかと……。もちろん、超名作の絵本のように、大人の読書にも耐え、何十年も読みつがれるものであれば最高ですけど、そんなもの、そうそう転がってるわけないでしょうって。

 あ、ちなみに私。
 「もしドラ」は発売してまもない頃に読みました。ちょっと面白そうだし、簡単に読めるものなら読んでおいて損はないだろうと。実際、「で、だからなに?」としか言いようのないもので、これを読んだからってマネジメントの片鱗にでも役立つかと言われたら、そこはけっこうな発想の飛躍というか、応用力を要される気がしました。
 で、「マネジメント エッセンシャル版」も読んでみることにしました。
 ただし、これを読む理由は、マネジメントについて学びたいからではまったくありません。そんなものはついでです。知ってりゃ使えることもあるかもしれないので、知らないよりはマシだろうくらいのものです。
 肝心なポイントは二つ。
 一つは、完全に読みやすい文章とは思いませんが、端的で分かりやすい邦訳の文体が刺激的だからです。すごい理由ですね。こんな理由で「マネジメント」読む人は他にどれだけいるのか。読んだ結果そう思うというのではなく、私には、これが読む動機になります。いやいや、ホントに、短文でビシッ、バシッと締め続ける文体がかなり力強く、エッセンスとして取り込んでものにできれば役に立ちそうなんですよ。
 そしてもう一つも、似たような動機です。考え方の幅を広げ、キャラクターや世界の肉付けに使えるからです。だから、この本はずっと持っていて何度か読み返すと感じたため、赤ペンでラインを引いてしまっているのですが、弾いている箇所は、マネジメントという観点からするとものすごく見当違いなはずです。

 こう……仕事の休憩時間に休憩室で読んでいて、そこに入ってきた社長に「マネジメントに興味あるのか」とあえて尋ねさせ、「いや、文体が力強くてかっこいいので、それが役に立ちそうなので」と応えてその反応を見てみたい……っ(←ド阿呆


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