烏の足跡



2006年8月16日(水)

 まんまと乗せられるのがイヤだとか、流されるのがイヤだとか、そういう理由で、本当は自分の行きたい方向、ほしいものを選ばないのは、充分流された生き方だと思ったりする。
 自分の心が望むなら、まんまと乗せられようが流されようが、みんなと同じだろうがそれでいいと思う。
 己の欲するものがなにかをちゃんと知り、それにごく素直に向かい合うことが、自分らしく生きるってこと。
 他人と違うことを無理にやることだって、立派に主体性のない生き方だ。

 ……と、社長と話しつつ思ったりしたのでした。
 「ああ、乗せようとしてるな。うまいこと言ってるな。さすがに人遣いのうまいな」と思いながら、まんまと乗せられるものかよと思わないでもないのですが、どうせ同じ仕事するなら、まんまと乗せられてでも、勢いづいて楽しくやったほうがいいじゃないかともう一人の自分が言い。

 昔、バスケットボール部にいました。
 基本的に不機嫌であまりよい顧問じゃなかったんですが、ごくまれにえらく機嫌がよくて、そういう時には、笑いながら、一緒になってコートを走ってくれました。
 こういう時って、楽しくて、どんなに疲れてても息きれてても、動きたいと思え、実際に動けたものです。

 仕事も、まあ他の私生活も同じで、どうせ同じ時間同じとこにいて同じことするなら、熱く向かい合っていたほうが自分も楽しいしラク。
 うまくおだてたり持ち上げたり騒いだりして、まんまと乗せてくれる人がいるなら、ありがたく乗っておくのが自分の得なんじゃないかと思ったのです。



2006年8月17日(木)

 人に気に入ってもらえるものを書く、というのも重要ではあると思う。
 そして同じように、人が気に入るかどうかは別として自分の書きたいものを書く、というのも重要なんだと思う。
 つい、「どっちが正しいありかたか」なんて考えがちだが、私に言わせれば、どっちも大事。正しいとかどうとかでもない。大事なだけ。私にとって。



2006年8月18日(金)

 神林長平の「敵は海賊」シリーズを読み返していたりします。
 「猫たちの饗宴」のビデオを久々に見たついでに。
 このシリーズ好きなんですが、神林先生、もう書いてくださらないのかなぁ……。



2006年8月19日(土)

 不思議です。
 これまでは、好きになるものは基本的に似ていた、いわゆる「趣味の合う」人なのに、あるものについては私はほぼ完全否定・大嫌い派で、そのかたはほぼ完全肯定・大好き派なのです。
 あれまあ。
 面白いものですネ。
 そしてまた、なんでそれに関してはこんなにも私は大嫌いで仕方なく、その人は好きになったのだろう、これまでは似通ったものを好きになっていたのが、どこのどういう違いでこんなにきっぱりと分かれたのだろうと思います。
 なお、私の嫌いなものをその人が好きだろうと、私の好きなものをその人が嫌いだろうと、だったらその話題について二人で話さないとか、あるいは少なくとも私は一切話題にしなければいいだけのことなので、だからってその人とこれっきりにしたいとか、しようとか、なるとかは、思いません。



2006年8月20日(日)

 部屋の中にカエルがいました。
 小さなアマガエルのようですが、なんで?(汗
 どこから入ってきやがったのかまったく分かりませんが、お外へ帰してあげました。
 なにが哀しくて、こんなクソ暑い上に狭い、ニンゲンの部屋になんぞ入るんでしょうか。
 カエルはのんきにおおらかに、たんぼで鳴いていればきっと心地好かろうに。



2006年8月22日(火)

 微妙にハードワークモードですが、あと少しでFF3発売です(ぉぃ
 というのにデジモン(DS)買ってしまいました。友人から1000円で。
 デジモンはPSで一本やったことがあるきりなのですが、ああいう育成系は基本的に好きで。
 ポケモンとほとんど変わらん気はするものの、実はデジモンのほうが好きです。
 何故か!?
 ストーリーの作りこみ方とかが、ポケモンは大雑把すぎかなと。ジムめぐって、ライバルとたまに戦って進んでいくだけ。ポケモンの「収集」があくまでもメインなのがポケモンだと思います。
 ストーリーとか「育成」面は、デジモンのほうが上のような、たぶん、いやまあ、個人の好みもありますが、私的には、そう感じるわけです、はい。



2006年8月23日(水)

 世の中にレトルトカレーはたくさんありますが、私は「カレーマルシェ」が好きです。
 ただしこれは、あくまでもライスにかけて、あるいは単品で食べる場合。
 たまに、スパゲティにかけてカレースパにするんですが、これはククレカレーあたりが好みです。



2006年8月25日(金)

 ゲームデーです(←いきなりそれか
 しかしデジモンもろくにプレイせぬうちにFF3です。
 FF3……。
 うん、まあ、中途半端だなの一言に尽きます。
 面白いとは思いますが、それはもともとのFF3が持ってたポテンシャルではないかと。
 キャラクター作ってみたけど、そのキャラクターがイベントなどに際してあまり生き生きとはしておらず、ストーリーに際する情動も、もともとなかったものを無理につけただけで違和感だらけ。ダンジョンの数を増やして長く引き伸ばした感が、元作プレイヤーといたしましてはひしひしと。
 これがFF3初体験って人には、ゲームとしては面白いのではないしょーか。よくできてると思います。

 ちなみに私は、基本的に肉弾戦しかしないので、戦士・シーフ・赤・赤のパーティです。で、このうち二人(戦士と赤)は専門職でジョブチェンジせず、残りの赤をまずダンジョンなどに応じて頻繁にジョブチェンジし、シーフはもう少し必要に迫られるまでは専門職+モンクと行き来するのみ。
 ジョブの熟練度が威力にも影響以上、みんなして敵性のあるジョブにころころ変えているとかえって弱い気がするんですよねぇ。



2006年8月26日(土)

 唐突にキーボがいかれました。
 アルファベットでいえば「2・W・D・C」のキーが反応しなくなったのです。丁度斜めに四つ並んだキー。
 これだと、たいがいの文字はカナ入力と平仮名入力とで切り替えればなんとかなるんですが(非常に面倒くさいのはさておき)、どうしても出せないのが「で」。
 しかも、文章中によく使う「そして」という言葉がボツってるという哀しさ。平仮名入力の私には死活問題です。
 そんなわけで家捜ししまして。
 おスミさんの前のPCのキーボがどこかにあるんでないかと心当たりの物置部屋を探したら、どうやら親父殿のお古と思われるものが二つも発見されました。
 慣れるまで、いつにも増して誤脱字増えそうな予感ですが、買わずに済んでいい感じです。

 ところで、まる二日でFF3はラストダンジョン手前に到達です。我ながら早っ……。
 村を出た時、なんとなくのんきでとぼけた楽天家だった少年は、久しぶりに帰ってきた時には忍者になっていました。
 村を出た時、なんとなく根暗でおとなしく引っ込みじあんだった少年は、久しぶりに帰ってきたら竜騎士になっていました。
 村を出た時、おてんばで勝気だった少女は、久しぶりに帰って来てみれば猫耳頭巾の導師(白魔法使い)になっていました。
 城を出た時、真面目でクールな騎士だった少年は、帰ってきたら空手家になっていました。
 我ながら、キャラの個性完全無視、むしろ逆らう方向性でジョブ割り当てていると思います。
 きっと旅の中でいろいろとあったんですヨ……。

 というわけで今のところのFF3烏屋攻略お助け(?)メモ。
・序盤は魔法使い系を置いておいてもMPの少なさからほとんど役に立たないので、最初は戦士・モンク・シーフと赤魔導師あたりが楽。
・シーフがいれば黒魔導師は終盤まで必要ない。理由は、海の敵から「南極の風」、トックルとオーエンの塔の近くに出てくるゴブリン種から「ゼウスの怒り」、火の洞窟の敵から「ボムの右腕」あたりを盗めるため。
・ハインの城へ行く前にレベル上げをすませること。(ドワーフに角を帰してからトックルに戻ると自動的にハインの城へ連行され、以後、クリアするまでセーブできなくなるため) ちなみにバリアチェンジ前のハインには、何故か「ゼウスの怒り」がよくきいて、炎・氷はいまいちでした。

・水の神殿へ辿り着いた後、中盤以降は、まずアムルの下水道で新ジョブ慣らし。竜騎士はここから育て始めると終盤で恐ろしく役立つので、赤魔導師を竜騎士にし、モンクと戦士をそれぞれ竜騎士、白魔導師にチェンジ。
・腰を据えた育成はサロニアに入った後。ドラゴンの塔の中で、竜騎士用の装備を揃えてから行う。1Fで戦えばすぐに町に戻れるので楽。
・ガルーダ戦が中盤最初の難関。竜騎士が二人、熟練度が20程度になり、ウインドスピアを装備していれば瞬殺可能。
・ノーチラスを手に入れたら、三角島の海底洞窟へ。中盤の終わり際では、ここがまず、EXPもギルもためやすい。
・竜騎士はなんのかんので鬼のような強さを発揮しつづけるため、このまま熟練度上げを推奨します。シーフも、ずっと使っているとこのあたりで熟練度は80を越え、ヒット数が26〜30にまで跳ね上がります。こうなると熟練度の低いナイトなどより圧倒的に強かったり。

・ウネが目覚めるあたりからを終盤ということに。古代遺跡の中のショップではいろいろ売っていますが、この後手に入るインビンシブルの中のお店に強力なものが売られているので、慌てて買い漁らないほうがよろしいかと。ただし、槍のブラッドランスは2本は購入しておきたいところ。
・召喚魔法探しにGO。LV40以降くらいが適正タイミング。
・オーディンはサロニアのすぐ下の海岸線にもぐる。リバイアサンは浮遊大陸の西側の大陸、三角形の湖に泳ぐ影。バハムートは、最初にバハムートの巣から飛び降りたあたりから行けます。オーディンはノーチラス、リバイアサンとバハムートはインビンシブルでないといけません。
・オーディンはレベルさえ足りていればほぼ問題ないかと。バハムートは竜騎士が二人してジャンプ攻撃出せば即死します。LV8魔法のくせに竜騎士がいれば最弱。問題はリバイアサンで、この時点では強力な雷武器を持っているのはバイキングだけ。かといってここから育てても時間がかかるだけなので、やはり竜騎士二人のジャンプ攻撃と、白魔導師の早めの回復で、常にHPを1600以上に保つのがベスト。竜騎士にはそれぞれブラッドランスを持たせればHPの心配はいりません。残る一人はハイポーションなどで回復補佐に回るのが無難。
・暗黒の洞窟へは、竜騎士二人を魔剣士にして突っ込ませるのが一番楽。装備を揃えるお金がもったいなければ、片方だけでも乗り切れます。

・終盤、ラストダンジョンに入る前にレベル上げとお金が稼ぎたければ、バハムートのいた山がオススメです。竜騎士が1〜2人いれば余裕で戦える上に、一度の戦闘で5000以上のお金とEXPが入ります。
・ちなみに土のクリスタルは、ラストダンジョンの中、入った正面のところにあります。手に入れたらすぐ外に出て、新しいジョブを少し鍛えるのもありかと。

・シーフ用、アイテム補充場所
 カナーンの脇の山……「フェニックスの尾」(四枚羽の敵)
 火の洞窟……「南極の風」「ボムの右腕」
 海上……「南極の風」
 ノッカー&レッドキャップ(トックルとオーエンの塔周辺)……「ゼウスの怒り」
 アムル周辺……ソーサラーから「神々の怒り」
 三角島地下・リバイアサンの洞窟……「北極の風」

 私のプレイスタイルでの結果ですが、ほんとに、シーフにきっちり盗ませていれば、黒魔導師は不要。白魔導師に「氷の杖」とか「炎の棒」とか装備させて普段の戦闘でアイテムとして使用させて戦わせ、ボス戦では最初の2ターンくらいの間に、盗み溜めておいた攻撃アイテムで攻撃参加、あとは基本的に回復重視。
 シーフはその時々で、攻撃力が充分なら、手数の多さでアタッカーとして活躍できましたし、攻撃力が足りないタイミングなら、やはり盗んでおいた攻撃アイテムで攻撃参加&アイテムによる回復補佐。
 竜騎士はブラッドランス入手後からは攻防一体なので恐ろしく強くなります。ただしアンデッド系にかますと危険なので、ドラゴンランスをきっちり確保。
 私は、強すぎることが分かっていたのであえて使用してないモンクですが、装備にお金かからない上に強いので普通はオススメです。

 で、結局私は、シーフ・竜騎士・ナイト・白魔導師のパーティで終盤押し切りました。ただ、シーフが熟練度98に到達してしまったため、シーフから魔剣士にチェンジしてます。
 土のクリスタル解放後には、忍者・竜騎士・空手家、導師に。
 忍者がそのまま魔剣士同然の働きをしつつシーフなみの素早さがあって手数も多いので熟練度1でもかなり強いです。
 竜騎士はもう熟練度50いってるのでほっといても……。
 空手家もいい武器が揃っていることと手数の多さで、いきなりアタッカー。
 白魔導師のほうが低レベルの魔法はたくさん使えるんですが、導師にするとケアルダあたりの使用回数がぐっと増えるので。

 ただ、風水士・吟遊詩人・狩人・バイキングとかいう微妙職チームも作ってみたかったりと、……まあ、ファミコン時代のFF3同様、全職業、熟練度99目指しそうな己がここにいます。



2006年8月28日(月)

 FF3話です。
 えー……ついうっかりとラスボスエリアに踏み込んでしまって引き返せず、しぶしぶ、本当にしぶしぶと先に進んだら、案の定全滅してレベルもアイテムもパアになりました。
 悔しいので、とりあえずたまねぎになりました。
 たまねぎ。
 卑怯な手段で一気に出しました。ケケケ。だってねぇ。DS本体の時刻いじれば……おおっと、ここからは一応ヒ・ミ・ツです。

 デジモン話です。
 ラスボスまではあっさりいけたのに、そのラスボスがいきなりバカ強くて全滅しました。
 仕方ないので進化と退化を繰り返しています。
 品切れ絶版になってしまったはずの攻略本が、何故か入荷していたのでゲットして、お願いクエストも地味に埋めている最中です。
 デジモン、ポケモンより好きな理由の一つに、人型・大型のかっこいいモンスターがいること、ってのもあるかもしれません。サングルゥモンと、そこから進化する、なんでしたっけ? なんか鳥みたいなデジモン。究極体でないのが非常に残念ですが、かっこいいのでお気に入りです。
 でも最終形態はワーガルルモンから派生できる、狼型でなくて獣人型竜族のほうです。うふ。



2006年8月29日(火)

 もんすたーはんたー2の話です。
 私は、オンはしないのでしょせん一人旅。
 それに、強い敵と苦労してひーひー戦うより、力押しで捻じ伏せられる程度の敵と戦うのが好きなので、そういう方面で遣り込む気はハナからありません。
 ぼちぼち、生活を楽しもうかなと。
 生活するとなると、ついつい、「武器とかだけじゃなくて、指輪とかも加工してもらえたらなぁ。それでNPCに贈り物して、仲良くなって結婚して家庭もてたりしたらなぁ」と妄想してしまいます。
 とんでもなく強いモンスターなんか、凄腕のハンターに任せて、己はせっせと奥さんと子供養うための、しがないハンター稼業。
 出かける前に「○○のお肉がいいわ」と言われてせっせと狩に出かけ、仕事で納品するのとは別に奥さんにご希望のお肉を持ち帰り、料理してもらうのです。
 奥さんと仲良くしていればいいのですが、相手の性格なんかで、うまく扱わないと、NPCの女性の仲間なんかとクエスト行ったら浮気疑惑が巻き起こったりしたらいいですね!(←いいのかよ
 プイレボーイになって、あちこちの女性と楽しくライトに付き合うもよし、貢いでもらうもよし!!

 モンスターハンターは、ハントを徹底して煮詰めたからこそ面白いゲームになったのであって、ハナからこういう路線を狙ったら、絶対に中途半端になったでしょう。
 ですから、ゼロから、ハント部分も生活部分も面白いゲームを作ってくれなんて言ったって、よっぽどのことがないかぎり無理なのは明白です。
 だからいっそ、モンスターハンター外伝、原始生活編とか作ってくれませんかねぇ?(←ド阿呆



2006年8月30日(水)

 FF3もデジモンもクリアしないままに、PSUの発売に王手かかってしまいました。
 フラゲ情報とか見ててもあんまりアテにならないので、単純に楽しみに待ちます。
 半年発売延期されたおかげで、投書は「まあ楽しみ」でしかなかったものが、「すごく楽しみ」になってしまいました。これはセガの策略ですか?

 仕事が終わった後で、店長とごはん食べに行ってきました。
 好きか嫌いかを言えば少なくとも好きなタイプの人ではないのですが、かと言って嫌いというほどのこともなく。
 簡単に人を嫌いになってしまうというのは、つまらないことだと思う今日この頃です。
 どんな人でも、視点を変えたりこちらの考え方を少し変えるだけで、案外面白いなと思えるものです。
 と言いつつ私もたまにムカチーンとくるこたぁ当然ありますが、そう思う相手が減ったというのは、良い方向に成長できてるかなとちょっとだけうれしく思います。



2006年8月31日(木)

 パイレーツ、バレ話。なので白。

 今回はほんに、映画館の中でクスクスと笑いが零れることが多かったですねー。
 前作は、たしかにコミカルなところはあったものの、それほど「笑わせる」ためには作られていなかったと思います。各シーン。
 今回はいかにも笑わせることを狙って作ってるなぁと。
 人食い種族の島があちこち笑わせてくれました。ウィルたちの必死な脱出方法もさることながら、ジャックが、ジャックが。
 クライマックスが近付く中でも、ものすごくシビアな三つ巴の決闘なのにコメディ。

 相変わらず口先だけで相手を丸め込み騙して世渡りするジャックですが、1よりはその「なにをどう騙そうとしているか」は分かりやすいかと思います。それでも説明(表現)不足は否めないけど。

 今回のジャックのかっこいいシーンは、最後の最後だけかと思います。
 一人でボートで逃げていくところ、あれは文庫版より口数の増えたいいシーンになってて嬉しかったなぁ。口数が多いっていうのは台詞のことじゃなく、映像の語るものって意味です。
 基本的には文庫版のほうがシーンや説明が多くてわかりやすいんですが、逃げていく途中でコンパスを見る、というのが文庫版にはありません。
 いいなあと。「本当にほしいものを示す」というコンパスが、その時に示したのがエリザベスなのか、それとも彼女を含む仲間たちなのかはともかく、コンパスを出して、見て、戻る、というのが。
 で、たった一人でクラーケンと対峙する。

 今回のジャックは、深読みもできます。
 避けえぬ契約から逃れることに必死になってるのは、何故なのか。一見は死ぬのがイヤだみたいな印象なんですが、彼が本当にイヤなのは、デイビィ=ジョーンズに隷属して生きること、つまり自由を奪われることなんだと私は思います。
 ただ、それでなりふり構わず逃げる内に、自由を奪われないための逃亡ではなくて、恐ろしいものから逃げるためだけの逃亡になっていたんじゃないかなと。それはもう、死にたくないというのと大差ない。
 けど、最後に自分が最低の卑怯者になりかけた時、本当に俺はこれでいいのかと気付く。そんで、なんとなく分かったというか、感じたのかなあ。
 たとえここで仲間を見捨てて逃げても、追われることには変わりない―――とかいう理屈ではなくて。
 自由に生きる、ということには、後悔に縛られたりしないってことも含まれる。ジャックは一度、「俺は平気で仲間を見捨てていける」とジョーンズに答えたけれど、本当にそうかと言われたら、そうじゃない。
 後悔という魂の枷につながれるくらいなら、死んだほうがマシだし、ジョーンズの手下にされて、その後で抜け出す方法を探したほうがはるかに自由。
 なんか、そんな理由で立ち向かうことを選んだ……んだといいなあと(笑

 3の前半は、どう見てもウィルたちの冒険ですが、ジャックもジャックで出てくるなら、今度は、コミカルながらも、己の本当に大切な自由の意味、感覚を掴み取った、1のようにかっこいいジャックを見たいと思います。
 目に見える財宝とか手下とか船とかじゃない、もっと尊い宝物、魂の自由と、その自由を支える自信や誇り、精神力。それを感じさせてくれるジャックを。


Made with Shibayan Diary