烏の足跡



2005年9月16日(金)

 十年やると自分は強いという自信がつく。
 二十年やると相手がいかに強いか分かってくる。
 三十年やると自分がいかに弱いか分かるようになる。
 四十年でなにがなにやら分からなくなる。

 「剣客商売」にある台詞の一つ。剣術の修行に関してだが、これはいろんなことに言えるよなと思っている。

 私はかれこれ二十年近く「小説」と呼ばれる類のものを書いているけれど、たしかにまぁ、最初の十年なんて、人の文章の良し悪しなんか分からないし、自分のものが上手いという自信だってない。上手いも下手もない。自己満足だけが全てだ。
 十年目くらいで、「なかなかじゃん」と思えるようにはなった。しかしそれからは、人様の文章の良さもまた、見えるようになってくる。
 そして今頃は丁度いい感じに、自分の持っているものは、なにもしてこなかった人よりは格段に上でも、決して「良い」ものではないと、欠点を、感じるのではなく説明できそうになりつつある。つまりは、客観視できるようになりつつあるということか。

 「剣客商売」での台詞は、ここで「先生だって俺と同じくらいの歳なのに」(三十前)というツッコミが入って終わりになっている。
 私は、五十年やると自分の強さや他人の弱さなどどうでも良くなる、のではないかという気がしている。
 そこまで長い間修行し精進してくれば、強さや弱さ(上手・下手)へ対するこだわりは、なくなるのではないかと思うのだ。
 己がいる、ということ。そして誰か、他人がそこにいる、ということ。
 その仲のほんのひとこま、ひとかけらが、剣の強さや弱さだろうから。

 「人間」というものも、まずは自分に対する自信みたいなものは感じられるだろう。ただしこんなもの、周りが見えていないから。
 それから少しすれば、人の優れたところが分かるようになるだろう。
 そこから今度は自分の到らなさや欠点に気付き、やがてはなにがなんだか分からなくなる。
 いずれ、そんなことで思い悩むより、頭の中より現実を見るようになる。
 ―――ただしこれは、池波さんの時代の話。
 今は、誰も「人間」というものについて指南してくれない。
 分からないまま足掻き、分からないまま進んでいる。



2005年9月17日(土)

 無双4中……。
 台詞集めにその編集に。
 他のことしてません。



2005年9月18日(日)

 このザレゴト。
 日記ソフトを使っている。
 起動すると「今日」のページが開かれる。

 たまに、私自身すっかり忘れた内容が、いきなり現れることがある。
 こういうのは大概、この巣を見ている可能性のある人のサイトなどで、思考の発端をもらってきて書いたものだ。
 しかも、否定するような意見だったり、責めるようなものだったりする。
 別のその本人を否定したり責めたりしたいのではなく、その人の言葉から私が同じことを考えて、辿り着いた結論は持論がたまたまその人と違った、というだけなのだが、自分の書いた、あるいは言った言葉に、まるで応えるかのように同じ話題について書かれていたら、しかもそれが同意ではなかったりしたら、もしやと思わずにいられないだろう。
 しかも、あてつけのようにも見えてしまう。
 これが嫌で、一年以上先に送ることがある。
 そして自分もすっかり忘れてしまい、ある日いきなり気付く。

 意見は変わっておらず、そのままアップすることもある。
 変化した部分や、それからまた考えて違う結論に達した部分を書き換えることもある。
 その一方で、こんなことを人に見せて私はなにがしたいのかと、消してしまうこともある。

 今日このページに書いてあったものは、消した。
 今見ると実にくだらなかったからだ。
 自分の意見を守りたいがため他人の意見を拒むような、そんな惰弱さを、自分でありありと感じてしまうほどしょーもないものを見せられるほど恥知らずではない。
 そしてふと思う。
 他人にあれこれ言葉なぞ発さずとも、泰然として揺るがない矜持というものも持ちたいと。
 人に語って聞かせずとも不安も迷いもない、筋というか、背骨のようなものを。



2005年9月19日(月)

 11/23、11/24と、「ソウルキャリバー3」「キャッスルヴァニア2」が出る。
 更に、「デビルメイクライ3」のバージル編が追加されたソフトが年末くらいに出るらしい。これは買うしか!! 3のデータがあれば、ダンテ編の進行はそのまま維持できれば楽なんだがなぁ。
 バージル編では、閻魔刀・フォースエッジ・ベオウルフ・幻影剣(ハード以上で出してくる技でこれが射撃に相当するらしい)が使えるとか。
 っつーかハナっから入れて出せよ!!(←魂の叫び
 今年の冬はACT三昧だ。



2005年9月20日(火)

 マキシムの「NEW WORLD」購入。
 CDです。クラシック・クロスオーバー系。
 イケメンのピアニストです。
 本当にモデルみたいにかっこいいんだなこれが。
 純粋にピアノ曲となると好みはかなり狭くなる私だが、クロスオーバー系は基本的に好き。
 bondしかり、WILDしかり。
 マキシムは音色もかなり好みだし、選曲も好み、更にアレンジもサントラ風にドラマティックになっているため、非常に気に入っているアーティストである。
 今作は前作にも増して渋い。
 オケ部分はロイヤルフィルらしく申し分ないし、楽曲も私好み。単にきれいなだけとかよりダイナミズムとメランコリィが混じってるあたりがツボなので。
 決め手は映画「Once Upon A Time In America」のデボラのテーマが入ってることだったが。好きな映画なので期待大で。
 あとあれだ。ピアニストのアルバムだけど、ピアノばかり目立たせない、「良い音楽」を作ることを前提にした音のバランスもよろしい。



2005年9月21日(水)

 たまには部屋の整理整頓をしたいと思いつつ、私にとっていわゆる掃除というものは日常動作ではなくイベントなので、散らかり放題ではないものの片付いてもいないまま、部屋は常に一定のきれいさと汚さを保ちつづけている。
 やるとなれば半日費やす気で根元から掘り起こしたいので、まだ当分このままだらう。
 っつーか箪笥がゲームソフトやDVDソフトを片付けるのに使われている時点でなんか間違ってる気もするね。



2005年9月22日(木)

 先日の「HTML編集ソフトトラブった!?」事件の時、万一のためにと使い勝手のいい、フリーソフトを探した。
 私が今使っているのは「Homepage Manager」というもので、これはホームページの作り方みたいな雑誌に、そのままくっついていたソフトである。
 最初に触れて、とにかく四苦八苦しながらも使えるようになったので、今はこれにすっかり慣れてしまっている。
 まあ、そういう「慣れ」の問題はあるけれど、使いやすいと思う。バージョンアップ、バグ修正もマメに行ってくれるなど、対応がいいのもある。
 WYSIWYG編集モードとタグ編集モードとがあるので、どちらにせよ不足を覚えたことはない。

 慣れたものを手放すしかないとしたら、これは結構、大変。
 どんなに使い勝手が悪かろうと、慣れてしまえばどうってことはなく、どんなに使い勝手のいいものでも、あらためてやりなおすと使いづらく感じるものだ。
 そんなことは百も承知で探したソフト。
 なかなかいいのを見つけた。
 難点は、ファイルを開いたら開きっぱなしで、閉じる方法がなく(あるのかもしれないが見つからない)、上からどんどん開いていくしかない、ということ。
 しかしそれ以外は、「これなら移行できるかも」と思えるものだった。
 「alphaEDIT」というソフトである。

 私はビルダーとか見たこともないのでどれくらい使えるものなのかは知らないが、このあたりのフリーソフトと、どうせそんなに差はないんだろうという気もする。
 皆さん、どんなソフトでサイト作ってます?
 なにか「これ使ってるけどオススメ」というのがあったら教えてください。それを私が使うかどうかは別として、いろいろ見てみたい感じです。



2005年9月23日(金)

 バイトが忙しい。
 仕事が忙しい。
 ゲームやりたい。
 話書きたい。
 削られるのは、当然、睡眠サ。

 ここ二週間くらい、3時間以上寝た記憶がないです。



2005年9月24日(土)

 気が付けば、夏の名残とも言えなくなっている九月下旬。
 過ごしやすい時期ではあるが、相変わらず外には出られない日差し。

 また気まぐれに、良さげな時代短編小説を買ってきた。
 面白かったのだが、どうやら年に一冊くらいのペースでしか刊行されないらしい。
 ……忘れそうだな、次の出る前に(汗



2005年9月25日(日)

 実は、私の爪は常に深爪状態である。
 噛む癖が抜けないせいなのだが、それにしても、他人が見ると「痛くないの?」と必ず言うくらいに、短いのがデフォルト。
 しかしたまに気まぐれにのばしてみる。
 つまりまあ、ある程度伸びてくれば噛まないあたり、微妙なラインでの違和感が嫌いなのかもしれない己。
 しかしついうっかりのばしすぎ、仕事中、危うくはがしそうになった。

 ネイルアートとかで、ものすごくきれいにケアしている人の手なんか見ると、それがまた手の形とかも良かったりすると、「ああ、いいなぁ」とは思うが、邪魔にならないのだろうか、その爪。
 つけ爪なら分かるんだけど。
 私は、キーボードを打つのに邪魔になる長さには、絶対にできない(笑



2005年9月26日(月)

 月に一度のお楽しみ。
 知人が録画しておいてくれるマジレンジャーと響鬼のDVDを見てた。
 ……マジレンは、うっかりうるうるしてました……。
 響鬼は相変わらずガタイがいいので見ていて楽しい。というわけでやっぱり一番は響鬼兄貴でございます。伊吹鬼は優男だし轟鬼くんは見ていてイライラする。斬鬼(この字か?)さんはかっこいいけどねー。あと、うっかりやられてるエイ鬼(どんな字だ?)氏もさりげに……。ダジャレ言って時を止めた瞬間が素敵でした。素顔見てないけど、茶メインのカラーにグリーンのアクセントが渋い。
 童子と姫と、まあ敵側のボスっぽいような科学者みたいな人たちも好きだけど、他の人間たち、これがまたイライラさせられる……。いちいち落ち込まずくってかかれ明日夢!と怒鳴りたく。
 たぶん、カチンと来ても言い返して喧嘩にはできず、傷ついてもそれをどうして発散していいか分からないあたりが、リアルに分かるからこそ苛立つんだろうけど。



2005年9月27日(火)

 変な夢を見た。
 私の周囲にいる者全てが何故かニューハァフになってしまい、みんなして豊胸手術についてのうんちくを語り、見せ合っているという夢だ。
 しかも、本来男の奴も、本来女の人もみんなしてだ。
 何故にこんな夢……!?



2005年9月28日(水)

 謎のプリンター。
 インク切れになったようなので買いに行き、戻ってきて取り替えようとしたら、なぜかインク切れをしらせるランプが消えていた。
 あんれー?と思って試しに印刷してみると、黒もカラーもインクは満タン。
 親父殿の仕業かと思ったが、いくらなんでもこの間20分で、一言も「インク切れたから買いに行く」なんて言ってない。
 なあ。
 直前の印刷ではどちらのインクも半分は割ってたんだぞ。
 半分しか割ってないのにインク切れと出たのもおかしいが、一度電源を落として戻って来たら満タンってのもわけ分からんのだが?



2005年9月29日(木)

 左手首が本格的に崩壊しつつある。
 もとから、すぐ水が溜まっては痛んでいたのだが、抜いても抜いてもキリがないので放置すること10年以上。曲げるにしても反らすにしても、とんでもなく浅い角度までしかいなかい。
 重いものどころか、手首を使って支える必要のあるもの(重めの雑誌一冊)すら持つと痛む。
 むろん、これでは地面に手をついて体を支えることは不可能なので、たとえば転んだ時、転びかけてなにかに手をついた時、腕達伏せでもする時(いや、今はしないのーけど)、役に立たない。
 それでもまあ、キーボード叩ければいいやと思っている己が問題。



2005年9月30日(金)

 さいきんのヤクザやさんはかわいそうだとおもいます。
 シノギがしにくくなったせいで、ほうりつのあみめをつまようじでせせるようなまねをしてこがねをかせぎます。
 たかくらのけんさんや、すがわらのぶんたさんのような、あるいはたけうちのりきさんでもいいのですが、シブくてスジがとおってておとこぎのある、ちょっとあこがれちゃうようなヤクザやさんは、もうぜつめつしてしまったのでしょうか。
 こんなかわいそうなヤクザやさんにくらべたら、おっきなかいしゃのえらいひとのほうが、よっぽどこわいしかっこいいとおもいました。


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